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第2章(2回目の人生とやり直し期間)
11話(ギル視点)
しおりを挟む「今日は君と過ごせて楽しかったよ…ありがとう」
「こちらこそありがとうございます。バラの庭園も凄く素敵で…連れていってくださってありがとうございます」
「ははっ、気に入ってくれたならよかったよ。明日は何をしようか」
「明日も一緒に過ごせるのですか?でもお仕事が…」
「そうだな…午前は過ごせないが午後にどこか街のほうに行かないか?」
「行きたいです!ギルとこんなに過ごせるなんて…僕、嬉しいです」
「それならよかった。明日の午前はゆっくり過ごしていてくれ。午前は騎士団のほうにいるから帰ってきてから行こうか」
「楽しみです!」
それから少しお話をした。
「夜も遅いしそろそろ部屋に戻るよ。」
そう言ってギルは僕の額に口づけた。
そうしてギルは部屋をでて行った。
ギルがいなくなったあとも僕は扉の前から動けなかった。
でも…僕たち結婚初夜なのに何もしないのかな…
やっぱりあの綺麗な人がいいのかな…
_____________
《ギル視点》
俺は部屋に戻ってすぐに仕事を始めた。
「旦那様、今からお仕事をなさるのですか?もう夜中ですよ」
「ああ、明日はフィルと午後から出掛けるからな。必要な書類はすぐに終わらせる。あと騎士団にも日が昇ったらすぐに向かう」
「かしこまりました。こちら明日の書類になります」
「ありがとう。もう戻ってもらってかまわない」
「かしこまりました。…旦那様」
「なんだ」
「差し出がましいのは重々承知ですが、今日は結婚初夜です。…フィル様と過ごされなくてよろしいのですか…」
「ああ…その…お前にだから言うが、フィルが可愛くて自信がないんだ…」
「自信がないのですね…そうですか。あまりフィル様について知らないですが、きっと大丈夫ですよ」
「ありがとう」
「では失礼いたします」
それから俺は仕事を終わらせにかかった。
フィルとの時間を多く取りたいからな。
ディルにはああ言ったが本当は少し違う。
フィルの痣のこともあるしまだ信用されてない時点で手を出すわけにはいかない。
それに…フィルを前にしてとまれる自信もない。あの細い腰に…指を這わせて…いや考えるのはよそう。
それにしてもフィルがバラの温室で内緒だと言ったときは息が止まるかと思った。
あんなに愛らしくて今まで誰にも求婚されなかったのか…
本当にフィルと結婚できてよかった…。
今度こそは絶対に幸せにしてみせる。
それにしても手を繋いだりするだけで顔を真っ赤にして他にもすぐに照れて本当に可愛い。
なるべくフィルとの時間をもうけて、関係を築いていきたい。
何でも相談できる相手になって、フィルを…
……閉じ込めてしまいたい
いや、でも、そんなことはしない。
幸せにしなくては…
それから仕事を終えた俺は早朝に騎士団へ向かった。
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