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第3章 学園に通おう
118話 最長老
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「あ、あの……お館サマ、ソロソロ恥ずかしいデス」
あ、これはごめん。
ドライくん抱きしめっぱなしだった。
筋肉質な上に鱗がゴツゴツしているドライくんは抱きしめてると気持ちよくってつい。
恥ずかしがっているドライくんをもうひと撫でしてから離して、改めて談話室内を見渡す。
入ったときにも思った……というか感じなかったけど、広さがイジられているとかって感じは全然ないな。
お屋敷の外観を知らなかったら『元々こう言う部屋ですよ』って言われてもなにも気づかないと思う。
ドアの外を見ても別に違和感はないし、窓から見える風景も普通に見慣れたユニさんちの敷地だ。
僕に続いて入ってきたみんなも不思議そうにあたりを見回したり、窓を開けて外を見たりしている。
「特に問題はなかろ?」
「そうだね、問題ないとかの前になんにも不思議に思わないレベルだよ」
魔法で広げた空間って言うから入る時に目眩とかするのかな?とか思ってたけど、全然そんなことはなかった。
「お師匠様、室内での魔法や魔具の使用には影響はございますでしょうか?」
「いや、そこらも里の方で散々試したらしいがなんの問題もなかったそうだ」
意外ときっちり安全確認してくれてるんだな、エルフさんたち。
家具類も大きくなったり数が増えている以外は普通……エルフさんたち的に普通のものだし、談話室にはなんにも問題なさそうだ。
「主さま、使用人室も元の部屋とほぼ同じ作りです」
「調理場は調理器具の搬入をしなければいけませんが、それ以外は元の部屋のままです、主さま」
談話室からつながる2部屋もミゲルくんたちが確認してくれたようだ。
使い慣れた子たちが問題ないって言うから大丈夫なんだと思う。
あとは……寝室、ベットルームか……。
僕の後ろでみんなが固唾を飲んで見守る中、寝室へのドアノブに手をかける。
アッキーまでちょっと不安そうにしているのが、本当に怖い。
「で、では、開けます」
自分を励ますためにそう宣言してから、ゆっくりとドアを開けて……すぐに閉めた。
変なものが見えた。
「アッキー、なにあれ?」
「ん?
主寝室にはこの屋敷の魔力供給を担っている魔力結晶があると聞いたが、それか?」
んー?その程度で済ませていい感じじゃないものがあったけどなぁ。
まだ中を見ていないみんなはもちろん、アッキーまで不思議そうな顔をしているってことはアッキーも知らないのかな?
こうなったら仕方ない、と諦めをつけてみんなにも見えるようにドアを大きく開く。
「は?」
誰の声なのか、何人の声なのかも分からない呆然とした声が聞こえたあと、部屋が沈黙に支配された。
みんな……アッキーでさえ呆然とした顔で見つめる先には、僕の日本の家くらいならすっぽり入っちゃいそうな広さのある寝室の天井一面を覆い尽くすくらいの大きさの魔力結晶があった。
「…………ハル、人工精霊を呼び出してみてくれ」
しばらく呆けたような顔で魔力結晶を見ていたアッキーが、ようやく言葉を絞り出した。
「えっと、ここでも呼べるの?」
執務室でしか呼べないのかと思ってた。
「うむ、呼べるはずだ。
というか、本来はここで呼ぶのが正しいのだろうな」
?どういうことだろう?
まあ、アッキーがこういうってことはミニっくんがなんか事情知っているんだろうし、呼べると言うなら呼んでみよう。
「えーっと……ミニっくん、出てきてください」
でいいのかな?そういえば呼び方とか聞いてなかったから、適当に呼びかけてみたけど……。
一抹の不安を覚えていたけど、呼びかけた一瞬あとには目の前にミニっくんが浮かんでいた。
「お呼びでしょうか、マスター」
前にミニっくんを呼び出したときにいなかった子たちが驚愕、好奇心……思い思いの表情でミニっくんを見ている。
「ハル、そやつに我と会話するように言ってくれ」
ああ、そうか、ミニっくん基本的に僕の声しか認識しないんだっけ。
「ミニっくん、アッキーと……この部屋にいるエルフと直接会話してくれる?」
「承知いたしました。
アッキー様、いかな御用でしょうか?」
「おい、爺共はなにを考えている?
これは一体何なんだ?」
ちょっとイライラした様子のアッキーだけど、ミニっくんは平然としてる。
「『爺』とは、エルフの里の長老様方と推察させていただきます。
申し訳ありません、アッキー様。私は長老様方の思考を把握できるようには出来ていません」
ミニっくんのアッキーに申し訳無さそうに頭を下げたあと、話を続ける。
「もうひとつのご質問ですが、『これ』とは当屋敷の主魔力結晶のことと推察させていただきます。
この主魔力結晶は、今回の移築計画を最長老様に報告した際に授けられたもので、当屋敷に使うように下されたものと判断し、当屋敷の魔力供給源として使用しています」
「は?」
ミニっくんの説明を聞いたアッキーがあんぐりと口を開けて止まってしまった。
「あの、アッキー?なにがどうしたの?」
アッキーですら愕然とすることがあったのは分かるけど、具体的になにがあったのか分からない。
「あ、いや、すまん。ちょっと呆然としておった。
人工精霊、念のため確認するが最長老から下されたものなのだな?」
「ミニっくんです」
「は?」
「私の名はミニっくんです、アッキー様」
名前の呼び直しを要求してくるミニっくんを見て、またアッキーが呆然とした顔をしている。
「おいっ、お前んちの子めんどくさいぞっ!」
え?可愛いじゃん。
ていうか、『お前んちの子』とか言わないで欲しい。照れる。
「くそっ、おい、ミニっくん、この魔力結晶は最長老から下されたものなのか?」
「さようでございます」
言い直したアッキーにうなずくミニっくん。
「あれ?最長老様って亡くなったんじゃなかったっけ?」
確か、結構最近お亡くなりになって、エルフにも寿命があることが確認されたとかって話を聞いた覚えがある。
「うむ、だから以前死んだ最長老の次に年取ったやつだな。いわゆる2代目だ」
なるほど、そういうことか。
「里の重大事項については長老連中から最長老に裁可を仰ぐことになっている。
と言っても、基本的に我々の言葉すら届いてるか分からないから儀礼的なものだがな。
爺共の話では数千年前に1度だけ反対の意思が伝えられたと聞くが……とにかく基本的には反応など無いはずの事だ」
それなのに、今回はなんかくれた……と。
「たまたまじゃなくって?」
「もちろんそういう可能性もあるが、爺ども……いや、エルフの里としては承認、あるいは推奨の啓示として受け取るだろうな。
なるほど、道理で爺共がやたらと乗り気なわけだ」
おおう……。
あ、これはごめん。
ドライくん抱きしめっぱなしだった。
筋肉質な上に鱗がゴツゴツしているドライくんは抱きしめてると気持ちよくってつい。
恥ずかしがっているドライくんをもうひと撫でしてから離して、改めて談話室内を見渡す。
入ったときにも思った……というか感じなかったけど、広さがイジられているとかって感じは全然ないな。
お屋敷の外観を知らなかったら『元々こう言う部屋ですよ』って言われてもなにも気づかないと思う。
ドアの外を見ても別に違和感はないし、窓から見える風景も普通に見慣れたユニさんちの敷地だ。
僕に続いて入ってきたみんなも不思議そうにあたりを見回したり、窓を開けて外を見たりしている。
「特に問題はなかろ?」
「そうだね、問題ないとかの前になんにも不思議に思わないレベルだよ」
魔法で広げた空間って言うから入る時に目眩とかするのかな?とか思ってたけど、全然そんなことはなかった。
「お師匠様、室内での魔法や魔具の使用には影響はございますでしょうか?」
「いや、そこらも里の方で散々試したらしいがなんの問題もなかったそうだ」
意外ときっちり安全確認してくれてるんだな、エルフさんたち。
家具類も大きくなったり数が増えている以外は普通……エルフさんたち的に普通のものだし、談話室にはなんにも問題なさそうだ。
「主さま、使用人室も元の部屋とほぼ同じ作りです」
「調理場は調理器具の搬入をしなければいけませんが、それ以外は元の部屋のままです、主さま」
談話室からつながる2部屋もミゲルくんたちが確認してくれたようだ。
使い慣れた子たちが問題ないって言うから大丈夫なんだと思う。
あとは……寝室、ベットルームか……。
僕の後ろでみんなが固唾を飲んで見守る中、寝室へのドアノブに手をかける。
アッキーまでちょっと不安そうにしているのが、本当に怖い。
「で、では、開けます」
自分を励ますためにそう宣言してから、ゆっくりとドアを開けて……すぐに閉めた。
変なものが見えた。
「アッキー、なにあれ?」
「ん?
主寝室にはこの屋敷の魔力供給を担っている魔力結晶があると聞いたが、それか?」
んー?その程度で済ませていい感じじゃないものがあったけどなぁ。
まだ中を見ていないみんなはもちろん、アッキーまで不思議そうな顔をしているってことはアッキーも知らないのかな?
こうなったら仕方ない、と諦めをつけてみんなにも見えるようにドアを大きく開く。
「は?」
誰の声なのか、何人の声なのかも分からない呆然とした声が聞こえたあと、部屋が沈黙に支配された。
みんな……アッキーでさえ呆然とした顔で見つめる先には、僕の日本の家くらいならすっぽり入っちゃいそうな広さのある寝室の天井一面を覆い尽くすくらいの大きさの魔力結晶があった。
「…………ハル、人工精霊を呼び出してみてくれ」
しばらく呆けたような顔で魔力結晶を見ていたアッキーが、ようやく言葉を絞り出した。
「えっと、ここでも呼べるの?」
執務室でしか呼べないのかと思ってた。
「うむ、呼べるはずだ。
というか、本来はここで呼ぶのが正しいのだろうな」
?どういうことだろう?
まあ、アッキーがこういうってことはミニっくんがなんか事情知っているんだろうし、呼べると言うなら呼んでみよう。
「えーっと……ミニっくん、出てきてください」
でいいのかな?そういえば呼び方とか聞いてなかったから、適当に呼びかけてみたけど……。
一抹の不安を覚えていたけど、呼びかけた一瞬あとには目の前にミニっくんが浮かんでいた。
「お呼びでしょうか、マスター」
前にミニっくんを呼び出したときにいなかった子たちが驚愕、好奇心……思い思いの表情でミニっくんを見ている。
「ハル、そやつに我と会話するように言ってくれ」
ああ、そうか、ミニっくん基本的に僕の声しか認識しないんだっけ。
「ミニっくん、アッキーと……この部屋にいるエルフと直接会話してくれる?」
「承知いたしました。
アッキー様、いかな御用でしょうか?」
「おい、爺共はなにを考えている?
これは一体何なんだ?」
ちょっとイライラした様子のアッキーだけど、ミニっくんは平然としてる。
「『爺』とは、エルフの里の長老様方と推察させていただきます。
申し訳ありません、アッキー様。私は長老様方の思考を把握できるようには出来ていません」
ミニっくんのアッキーに申し訳無さそうに頭を下げたあと、話を続ける。
「もうひとつのご質問ですが、『これ』とは当屋敷の主魔力結晶のことと推察させていただきます。
この主魔力結晶は、今回の移築計画を最長老様に報告した際に授けられたもので、当屋敷に使うように下されたものと判断し、当屋敷の魔力供給源として使用しています」
「は?」
ミニっくんの説明を聞いたアッキーがあんぐりと口を開けて止まってしまった。
「あの、アッキー?なにがどうしたの?」
アッキーですら愕然とすることがあったのは分かるけど、具体的になにがあったのか分からない。
「あ、いや、すまん。ちょっと呆然としておった。
人工精霊、念のため確認するが最長老から下されたものなのだな?」
「ミニっくんです」
「は?」
「私の名はミニっくんです、アッキー様」
名前の呼び直しを要求してくるミニっくんを見て、またアッキーが呆然とした顔をしている。
「おいっ、お前んちの子めんどくさいぞっ!」
え?可愛いじゃん。
ていうか、『お前んちの子』とか言わないで欲しい。照れる。
「くそっ、おい、ミニっくん、この魔力結晶は最長老から下されたものなのか?」
「さようでございます」
言い直したアッキーにうなずくミニっくん。
「あれ?最長老様って亡くなったんじゃなかったっけ?」
確か、結構最近お亡くなりになって、エルフにも寿命があることが確認されたとかって話を聞いた覚えがある。
「うむ、だから以前死んだ最長老の次に年取ったやつだな。いわゆる2代目だ」
なるほど、そういうことか。
「里の重大事項については長老連中から最長老に裁可を仰ぐことになっている。
と言っても、基本的に我々の言葉すら届いてるか分からないから儀礼的なものだがな。
爺共の話では数千年前に1度だけ反対の意思が伝えられたと聞くが……とにかく基本的には反応など無いはずの事だ」
それなのに、今回はなんかくれた……と。
「たまたまじゃなくって?」
「もちろんそういう可能性もあるが、爺ども……いや、エルフの里としては承認、あるいは推奨の啓示として受け取るだろうな。
なるほど、道理で爺共がやたらと乗り気なわけだ」
おおう……。
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