いつの間にか異世界転移してイケメンに囲まれていましたが頑張って生きていきます。

アメショもどき

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第3章 学園に通おう

113話 マーキング

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 僕とミッくんの子供予想図と言われると、急に人工精霊さんが可愛く思えてきた。

 いや、もともとミッくん似だから可愛いのは間違いないんだけど、愛着が湧くというかなんというか……。

 とりあえず恋人全員分欲しい。

 出来ればそれぞれ2人ずつ欲しい。

「アッキー、この子、他には作れないの?」

 それだけで僕の言いたいことが分かったのか、アッキーは一瞬ピンときた顔をしたあと苦笑を浮かべる。

 その感じだとダメか。

「普通の人間には人工精霊を作ることは出来ないな。
 ユニ坊ですらまあ無理だろう」

 作るのに桁外れの魔力が必要って言ってたもんなぁ、残念。

 でも、それはあくまで『普通の人間には』だ。

「アッキーは?」

 ミッくんが行けるんだから、アッキーも行けるよね?

「我は作れるが、絶対に作らんぞ。そんな恥ずかしいもん」

 顔を赤くして照れているアッキーも可愛い。

 けど残念、作ってくれないか。

 まあ、恥ずかしい気持ちは分かるし、仕方ない。

 残念だけど仕方ない。

 すごい残念だけど仕方ない。

 ……またほとぼりが冷めた頃に頼んでみよう。



「さあ、バカなこと言ってないでさっさと登録を済ませてしまうぞ」

 そうだった、何よりまずは新しくうちに来た人たちを登録しないといけないんだった。

 と言っても、どうやったらいいんだろう?

「えっと、アッキー、登録ってどうやったらいいの?」
 
「うむ。まずは軽くこやつ自体の説明をしておくが、こやつはお前と起動したものの言葉しか聞かん。
 誰かが起動した場合、そやつ以外に権限者がいたとしても一切指示を受け付けない。
 お前だけは例外で、すべての権限者に割り込むことが可能だがな」

「そう言うってことは、この子を呼び出せる人を増やすことも可能なんだ?」

「うむ、先程のマスターキーの話ではないが、こやつを扱えるのがお前だけでは色々不便もあるだろうからな。
 とは言え、こやつを呼び出せるものはこの屋敷についてほぼ全権を得ることになるから権限を与える相手は慎重に考えることだ」

 なるほど、いくら信頼しているとは言え僕の恋人だからってホイホイ権限をあげるのはそりゃダメか。

「となると、僕の他にはミゲルくんかな?」

 家臣4人衆のまとめ役みたいなポジションみたいだし、僕以外って言ったらミゲルくんしかいないと思う。

「ミゲルだけですか?」

 ユニさんが意外そうな顔をしている。

 うーん、僕も少し悩んだんだけどね。

「できればユニさんとイヴァンさんにもやってほしかったけど、一応、ここらへんは僕の家の話だしね。
 迷惑かける訳にはいかないかな?って」

 みんなには悪いけど。なんやかんややっぱり一番信頼しているのはユニさんだし、有能なのはイヴァンさんだからこの2人を外すのは断腸の思いだったけど、これはあくまでサクラハラ家の問題だから仕方ない。

「ああ、いえ、迷惑なんてことは全然ないですよ。
 ただ、そういう意味ではなく、ハルの言う通り他家のものとして関わる訳にはいかないと思ってましたから。
 もしハルが私達にもという話になったら元々断ろうと思ってたんで意外だったんです。
 ハルもそういう判断をしてくれるようになってくれて、ちょっと嬉しいです」

 ユニさんに優しく微笑まれてちょっと照れる。

 エミールくんを預かった以上、曲がりなりにも男爵家当主だからね、自覚を持たないと。

「では、とりあえずその設定をまずやってしまうか。
 小僧もそれで構わんな?」

「はい。重責ではありますが、主さまのご指示とあらば」

 良かったミゲルくんも受けてくれるみたいだ。

 ミゲルくん優秀だし、真面目だし、うちの子たちで誰か1人って言ったらミゲルくんしかいないと思う。

「では、実際の設定作業だが、基本的には人工精霊との口頭でのやり取りになる。
 とりあえずは『全権委任者登録』と言ってみるがいい」

 口頭なんだ?凄いな。

「えっと、全権委任者登録」

「全権委任者の登録をいたします。
 委任者候補の検索…………執務室内に委任候補者が4名おります。
 どなたに権限を委任いたしますか?」

 候補者が4人?

「ええっと、アッキー、これってどういう事?どうすればいいの?」

「まあ、この際だ、そこら辺も人工精霊に聞いてみるがよい。
 壊れるとかってことはないから、遠慮なく聞け」

 ふむ、これからの予行練習ってことか。

 たしかにいちいちアッキー呼び出して聞くわけにもいかないからな。

「えっと、それじゃ……あ、そうだ、まずは君のことはなんて呼べばいいだろう?」

 この子の名前知らないや。

「私はマスターのサポート用人工精霊です。固有名称はありません」

 名前無いのか。

 かと言って、名前無いからって『人工精霊くん』とか呼ぶのもなぁ。

「僕の方で勝手に名前つけても大丈夫?」

「はい、マスター」

 よし。

 うーん、でも、名前かぁ。

 僕とミッくんの子供に名前をつけるとなると悩む……。

 …………って、なに重たいこと考えてるんだ、僕は。

「えっと、それじゃ、君はミニっくんで」

 ちっちゃいミッくんだから、ミニっくん。これで決まり。

 考え出すと止まらなくなりそうだから、シンプルに行こう。

「承知いたしました。
 今後、当個体は『ミニっくん』が固有名称となります」

 そう言って、とても嬉しそうに笑うミニっくん。

 凄い可愛いけど、言動からしてそういうふうにプログラミングされているとかそんな感じなんだと思う。

 まあ、そう分かっていても可愛いので、大事にしようと思う。

「それじゃ、ミニっくん。
 あたらめて、全権委任する人を指定したいんだけど、候補者が4人いるってどういう事?」

 5人なら、この部屋にいるのが僕を除いてユニさん、イヴァンさん、ミゲルくん、アッキー、ツヴァイくんの5人だから分かる。

 でも、4人って誰がはじかれたんだ?

「はい、全権委任の際には第1段階としてマスターの魔力によるマーキングが必要となります。
 すでにそれが行われている方が室内に4人いらっしゃいましたのでその方々を第1候補者として認識しています」

 んー?分かるような分かんないようなだな。

 4人が選ばれた理由は分かったけど、僕自身にマーキングなんてものをした記憶がないから結局誰のことなのか分からない。

「えっと、具体的に誰が候補者になっているんだろう?」

「はい、白髪のケンタウロス、金髪のケンタウロス、金髪のエルフ、黒髪のドラゴニュート、以上の4名です」

 イヴァンさん以外の僕の恋人たちか。

 今のを聞いてミニっくんの言葉がいまいちわからないツヴァイくんを除いた3人の様子が変わった。

 なんていうか……恥ずかしそう?

「ミゲルくん、なんか心当たりあるの?」

「えっ!?ぼ、僕っ!?
 えーっと……あのね………………やっぱり分かんない」

 そう言うと赤くなって俯いてしまう。

 明らかに分かってる様子だけど、言いづらいことなのかな?

 ならばと思って、ユニさんやアッキーに視線を移すけど赤い顔であからさまに目をそらされてしまう。

 こうなったらとツヴァイくんに通訳してみるけど、話を聞いた途端に赤くなってもじもじしだしてしまった。

 な、なんか想像ついてきた気がするけど、はっきりさせない訳にはいかない。

「あの、ミニっくんマーキングってどうやるのかな?」

 恐る恐る聞いた僕に構うことなく、ミニっくんは平然としたままスラスラ答えていく。

「通常、魔力を相手の体の一部に刻むことで行います。
 しかし、精液等の高密度の魔力が含まれた体液を摂取させることでもマーキングとすることが出来ます」

 あー、はい、分かりました。

 いや……うん、お互いやることやってるのは分かってても、他の人がいる場ではっきり証明されるのは恥ずかしいよね。

「……とりあえず、ミゲル……金髪のケンタウロスを全権委任者に登録してください」

 もうこの件に深く触れるのはやめよう。
 
「承知いたしました……設定完了。
 ミゲル様を全権委任者として設定いたしました」
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