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第3章 学園に通おう
108話 ノーム
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しかし、みんなちょっと離れた柱の陰でチラチラ顔だしているノームさんたちに気を取られて、すぐ近くにいる僕に群がっているノームさんたちに全然気づいてくれない。
もしかしてチームプレイなのかな?
まあ要求されるがまま、ノームさんたちのほっぺにキスをしてる僕としては見られてなくって良かったけど。
ノームさん達は僕の頬や首筋なんかにチューチュー吸い付いて、しばらくそうしてから満足?すると僕にほっぺにチューを要求して消えていっている。
なんかツヤツヤになって嬉しそうにニコーってしながら消えていくから、栄養補給的な感覚で僕の魔力でも吸ってってるんだろうか?
まあ、別に痛かったり気持ち悪くなったりはしないからいいけど。
「そういう伝承やおとぎ話的なものとは別に、実際の利点としてノームのいる家は長持ちするし、庭の植物はよく育つ。
精霊の気持ちなど我々には理解できんから無理にご機嫌を取ろうとは思わんでいいが、驚かしたり追い回したりして無駄に機嫌を損ねて出ていかれてしまうのは損だな」
「えっ!?そうなのっ!?」
なんか結構な数のノームさん消しちゃったけど。
「うむ。さっきも言ったとおり、精霊がなにを考えているかなど分からんがな。
ただ、手先の器用な奴らが自発的に家の修繕や庭木の管理をしてくれるのは事実だ」
「それじゃ、極力溶けて消えちゃわないようにしたほうがいいかな?」
ほっぺにキスすると消えてっちゃうから止めたほうがいいのかなぁ?
そんなことを考えていたら、体にしがみついているノームさんたちが一斉に『イヤイヤッ!』というように首を振り出した。
「まあ、極力そうした方がいいがな。
しかし、何度も言うが精霊の考えていることなど我々には理解できん。
ご機嫌をとる方法も分からんし、脅かさないようにだけしてあとはなるようにしかならんだろう」
「そっか、また会えなくなっちゃうのは残念だけど、仕方ないか」
消えてった子たちにはもう会えなさそうかな?
とか考えてたら、なんか見覚えのある、たぶん最初に消えちゃったノームさんが僕の足元に現れて『いまーすよー』って感じに手を振ってる。
……さっきの『イヤ』といい、意外とコミュニケーション取れない?この子達。
しかも、僕の考えていること読んでる系で。
……今もなんか『うんうん』ってみんな頷いてるし。
「さあ、いつまでも奴らにかまっていても仕方ない。
屋敷の案内を続けるぞ」
アッキーが仕切り直すと、みんなも柱の方に隠れている囮役――多分――のノームさんたちを見るのを止めて僕の方に向く。
その瞬間にはもう僕の体にしがみついていたノームさん達はみんな姿を消してしまった。
可愛かったけど、仕方ない。
またそのうち出てきてくれるのを待とう。
……と思ったら、なんか上着のポケットに1人いた。
バナくんだけがそれに気づいてしまってびっくりした顔してるから、笑って『しーっ』てしておいた。
――――――
アッキーに案内されて1階を見て回る。
やっぱり、ユニさんちを参考にしたみたいで、ユニさんちと同じく1階は調理場や洗濯室なんかの使用人さんたちの仕事場と、使用人さんの部屋。
それとダンスホールやお客さんのための部屋なんかの公的な部屋が作られてた。
それぞれユニさんのお屋敷より小さかったり部屋数が少なかったりしたけど、僕が使う分にはこれで十分すぎるほどだと思う。
調理場なんかの仕事場はまだ空っぽだったけど、使用人室とか食道なんかには最低限の家具が備え付けられていた。
最低限って言っても、例えば使用人室にはベッドの枠組みしかないっていう意味だ。
決して、貧相な家具しか置いていないって意味じゃない。
「師匠、念のために聞きますが、このベッドも?」
「もちろん天空樹だぞ。
エルフの森に他の木はないからな」
「しかも長老様がまた彫刻を張り切っちゃったみたいだね」
天空樹製の使用人さんのベッドにはこれまた精緻な幾何学模様が掘られてた。
「ああ、これは玄関とは別の爺だな。
作風が違うだろ?」
ああ、たしかに玄関の方は植物とか動物とかって感じだったけど、ベッドの方はそう言うの一切ないな。
「なに?彫刻が趣味の長老様っていっぱいいるの?」
「木だけはいくらでもあるからな、里には。
爺共に限らず、エルフの大半が好きなんじゃないか?」
ああ、そういえば、ミッくんからも木のアクセサリーみたいなのもらったな。
どうやら、エルフの里では彫刻がブームらしい。
しかし、こっちの長老様もとんでもない腕しているな。
趣味でやって何年なんだろう。いや、何百年か。
「……このベッドひとつで下手な家1軒くらいなら建ちそうですね」
途方に暮れた感じでユニさんは呟いてるけど、多分もうそういう事気にしない方が良いと思うよ。
食堂に行ったら20人くらい余裕で座れそうな巨大な一枚板で作られたテーブルセットがあった。
今度の長老様は風景画を掘るのが好きみたいだった。
あと椅子の背もたれ部分が大きく空いているのはドラゴニュートの子たちへの配慮らしい。
ありがたいけど、強度大丈夫なのかな?
え?天空樹はなにやっても折れないことで有名?
ああ、そうなんだ。
どうやって彫刻しているのかとかは聞かないほうがいいのかな?
ああ、魔法でやってるんだね。
そりゃ、高くなるわ。
ダンスホールには家具はなかったけど、玄関ホールより大きなシャンデリアがあった。
やっぱり、総魔力結晶製らしい。
…………2階を見るのが怖い。
もしかしてチームプレイなのかな?
まあ要求されるがまま、ノームさんたちのほっぺにキスをしてる僕としては見られてなくって良かったけど。
ノームさん達は僕の頬や首筋なんかにチューチュー吸い付いて、しばらくそうしてから満足?すると僕にほっぺにチューを要求して消えていっている。
なんかツヤツヤになって嬉しそうにニコーってしながら消えていくから、栄養補給的な感覚で僕の魔力でも吸ってってるんだろうか?
まあ、別に痛かったり気持ち悪くなったりはしないからいいけど。
「そういう伝承やおとぎ話的なものとは別に、実際の利点としてノームのいる家は長持ちするし、庭の植物はよく育つ。
精霊の気持ちなど我々には理解できんから無理にご機嫌を取ろうとは思わんでいいが、驚かしたり追い回したりして無駄に機嫌を損ねて出ていかれてしまうのは損だな」
「えっ!?そうなのっ!?」
なんか結構な数のノームさん消しちゃったけど。
「うむ。さっきも言ったとおり、精霊がなにを考えているかなど分からんがな。
ただ、手先の器用な奴らが自発的に家の修繕や庭木の管理をしてくれるのは事実だ」
「それじゃ、極力溶けて消えちゃわないようにしたほうがいいかな?」
ほっぺにキスすると消えてっちゃうから止めたほうがいいのかなぁ?
そんなことを考えていたら、体にしがみついているノームさんたちが一斉に『イヤイヤッ!』というように首を振り出した。
「まあ、極力そうした方がいいがな。
しかし、何度も言うが精霊の考えていることなど我々には理解できん。
ご機嫌をとる方法も分からんし、脅かさないようにだけしてあとはなるようにしかならんだろう」
「そっか、また会えなくなっちゃうのは残念だけど、仕方ないか」
消えてった子たちにはもう会えなさそうかな?
とか考えてたら、なんか見覚えのある、たぶん最初に消えちゃったノームさんが僕の足元に現れて『いまーすよー』って感じに手を振ってる。
……さっきの『イヤ』といい、意外とコミュニケーション取れない?この子達。
しかも、僕の考えていること読んでる系で。
……今もなんか『うんうん』ってみんな頷いてるし。
「さあ、いつまでも奴らにかまっていても仕方ない。
屋敷の案内を続けるぞ」
アッキーが仕切り直すと、みんなも柱の方に隠れている囮役――多分――のノームさんたちを見るのを止めて僕の方に向く。
その瞬間にはもう僕の体にしがみついていたノームさん達はみんな姿を消してしまった。
可愛かったけど、仕方ない。
またそのうち出てきてくれるのを待とう。
……と思ったら、なんか上着のポケットに1人いた。
バナくんだけがそれに気づいてしまってびっくりした顔してるから、笑って『しーっ』てしておいた。
――――――
アッキーに案内されて1階を見て回る。
やっぱり、ユニさんちを参考にしたみたいで、ユニさんちと同じく1階は調理場や洗濯室なんかの使用人さんたちの仕事場と、使用人さんの部屋。
それとダンスホールやお客さんのための部屋なんかの公的な部屋が作られてた。
それぞれユニさんのお屋敷より小さかったり部屋数が少なかったりしたけど、僕が使う分にはこれで十分すぎるほどだと思う。
調理場なんかの仕事場はまだ空っぽだったけど、使用人室とか食道なんかには最低限の家具が備え付けられていた。
最低限って言っても、例えば使用人室にはベッドの枠組みしかないっていう意味だ。
決して、貧相な家具しか置いていないって意味じゃない。
「師匠、念のために聞きますが、このベッドも?」
「もちろん天空樹だぞ。
エルフの森に他の木はないからな」
「しかも長老様がまた彫刻を張り切っちゃったみたいだね」
天空樹製の使用人さんのベッドにはこれまた精緻な幾何学模様が掘られてた。
「ああ、これは玄関とは別の爺だな。
作風が違うだろ?」
ああ、たしかに玄関の方は植物とか動物とかって感じだったけど、ベッドの方はそう言うの一切ないな。
「なに?彫刻が趣味の長老様っていっぱいいるの?」
「木だけはいくらでもあるからな、里には。
爺共に限らず、エルフの大半が好きなんじゃないか?」
ああ、そういえば、ミッくんからも木のアクセサリーみたいなのもらったな。
どうやら、エルフの里では彫刻がブームらしい。
しかし、こっちの長老様もとんでもない腕しているな。
趣味でやって何年なんだろう。いや、何百年か。
「……このベッドひとつで下手な家1軒くらいなら建ちそうですね」
途方に暮れた感じでユニさんは呟いてるけど、多分もうそういう事気にしない方が良いと思うよ。
食堂に行ったら20人くらい余裕で座れそうな巨大な一枚板で作られたテーブルセットがあった。
今度の長老様は風景画を掘るのが好きみたいだった。
あと椅子の背もたれ部分が大きく空いているのはドラゴニュートの子たちへの配慮らしい。
ありがたいけど、強度大丈夫なのかな?
え?天空樹はなにやっても折れないことで有名?
ああ、そうなんだ。
どうやって彫刻しているのかとかは聞かないほうがいいのかな?
ああ、魔法でやってるんだね。
そりゃ、高くなるわ。
ダンスホールには家具はなかったけど、玄関ホールより大きなシャンデリアがあった。
やっぱり、総魔力結晶製らしい。
…………2階を見るのが怖い。
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