119 / 140
第3章 学園に通おう
99話 仕事
しおりを挟む
「続いて、同じく人材登用メファート」
ミゲルくんに指名されて立ち上がるメファートくん。
メファートくんもミゲルくんと同じく使用人や家臣を探してくれている。
「はい。私の方はサクラハラ領の代官を通じて、領内からの募集を進めています」
そうそう、色々話し合った結果、結局のところ領内出身の人はいた方がいい……というか、いないといけないということで代官さんに募集をお願いすることになった。
なんせその代官さん自体が、ユニさんちから借りている人なんだから、他に後々代官になってもらう領地に詳しい人を探さない訳にはいかない。
これは僕が男爵を続けようが、エミールくんに譲ろうが同じ話だ。
「本日、依頼は出しましたのであとは向こうでの選考を待つことになります。
結果が出るのは大分先のこととなりますが、主さま自ら最終選考を行うか、主さまが領地に赴くか、選考者を王都に呼ぶか等考えておいていただければと思います」
了解、分かりました。
「それと、もうしばらく先……そうですね、学園に入って落ち着いた頃にでも直接サクラハラ領に出向いて代官に挨拶をするつもりです。
その際に主さまもご同行いただくか、考えておいてください」
僕の領地かぁ……エミールくんを引き受けた時に、少なくともエミールくんに譲るまでは男爵でいることには覚悟を決めたけど領地に顔を出すかまでは少し考えてみないとなぁ。
領地には顔を出さない貴族様とかもいるみたいだし、今後のことを考えるとエミールくんを前面に押し出したほうがいいのかもしれない。
ここらへんはエミールくんの様子も見ながら、相談してみよう。
「うん、分かった。考えてみるね」
「よろしくお願いいたします」
うなずく僕に一礼を返して、メファートくんが椅子に座る。
「では、続いて、普請について、ムーサ」
「はい」
さて、ムーサくんの方はどんな感じかな?
ミゲルくんに呼ばれ立ち上がったムーサくんを見る。
ムーサくんは普請……要するにサクラハラ家でやる仕事関係のことをやってくれている。
後々、本格的な領地経営に乗り出すようになったら、街並みの計画や、道路を作る作業なんかの公共事業の話が出てくるらしいけど、今のサクラハラ家の仕事と言ったら寮の話だ。
サクラハラ寮、紛らわしいけどこっちは学園生の住む寮の話。
寮の家具の入れ替えとかの入寮のための準備を全てムーサくんが担当してくれている。
さて、順調に進んでいるといいけど。
「寮についてですが、現在のところなにも問題ありません」
……。
「……え?それだけ?」
「え、あ、はい。
現在、学生寮の整備については全て計画通り順調に進んでいまして、特にご報告に上げることはありません」
お、おおう。
家具の入れ替えの他にも掃除やら改装やらでいろんな業者さんに頼まなきゃいけないって話を聞いてたけど、全部問題なく進んでいるのか。
ほんと、有能だなぁ、この子達。
「……あっ、あえて言えばひとつ。
バナとエミール様についてはいかが致しましょうか?」
バナくんとエミールくん?
バナくんは懐いているヴィンターさんと同室にして、まあちょっとした『お手伝い』でもやっててもらおうかって話だったけど。
「バナですが、当初の計画では名目上だけの『使用人』として入寮させる予定でしたが、今の様子を見る限り想像以上にきちんと働いてくれています。
礼儀作法の面で難がありますので一人前、とまでは行きませんが主さまの生活のお手伝いに限ればある程度任せられるかと思います」
ムーサくんの話を聞いて、壁際で待機しているヴィンターさんを見ると、ちょっと小首を傾げたあと頷いていた。
あれは……『ちょっと不安はあるけど、まあ及第点』って感じかな?
「え?それじゃ、バナくんも戦力に数えちゃっていいってこと?」
「主さまのお手伝いと限定させていただければ、可能だと思います」
おおう。たしかに色々僕の世話焼いてくれてたけど、想像以上に頑張っていたみたいだバナくん。
「えっと、それじゃ、その件は僕の方からバナくんに話してみるね」
「お願いいたします。
その結果次第で、使用人のシフトを少しイジりたいと思います」
どうなるかは聞いてみないと分からないけど、『これからも僕のお世話焼いてくれない?』って話ならバナくん喜んて頷いてくれそうな気はする。
……ちょっとプロポーズっぽいから言い方は気をつけよう。
「それと、エミール様の件ですが……」
エミールくんはとりあえず一人で部屋に入ってもらって、状況を見て僕やもう一人入るって人と二人部屋にするかどうするかって話だったと思ったけど……。
「今日の主さまの話を聞いて、ただの『客人』として入寮させるより、バナと同じく多少の『お手伝い』をしてもらうのも良いのではと少し思いました」
……なるほど、色々体動かしていたほうが気が紛れるっていうのもあるかもしれないしな。
状況的に学園に素直に通いやすいとは言えない状況だし、それはそれでありかもなぁ。
とはいえ。
「それに関しては、もうちょっと状況を見てからにしよう。
寮の場合だと他の人の目もあるし」
僕のお世話に関しては今は少し楽しそうに見えるけど、これから先どうなるか分からない。
それになにより、寮にはまだ詳細不明の外部の人がひとり入る予定だ。
それ以外にも学園の中の寮ってことでユニさんのお屋敷と違って人目がまったくないとはいえないからなぁ。
ちょっと、この件に関しては状況を見極めてからだ。
「承知いたしました」
「ごめんね。
みんなも、この件についてはどうしたほうが良さそうかエミールくんの様子見て考えてくれると助かります」
参加者を見回して頭を下げると、みんなうなずき返してくれた。
「それと、それ聞いてて思い出したんだけど、ユニさん、謎の外部の人ってまだ公表できないの?」
寮の話が出た時に『入るかもしれない』とだけ言われてそのままなんだけど……。
「すみません、まだ未定です。
声はかけているんですが、なかなか良い返事がもらえなくて。
下手に強要して話がこじれると面倒なことになるので慎重にならざるを得なくて」
苦笑いしているし結構面倒な話なのかもしれない。
というか、こっちから呼び寄せてる形だったのか。
本当にどういう人なんだろう?
「そういうことなら仕方ないね。
でも、話が決まったらできるだけ早く教えてください」
「すみません、分かりました」
ユニさんも申し訳無さそうにしてるけど、これはちゃんと釘刺しておかないとな。
入寮者1人不明のままじゃ準備も大変だろうし。
ミゲルくんに指名されて立ち上がるメファートくん。
メファートくんもミゲルくんと同じく使用人や家臣を探してくれている。
「はい。私の方はサクラハラ領の代官を通じて、領内からの募集を進めています」
そうそう、色々話し合った結果、結局のところ領内出身の人はいた方がいい……というか、いないといけないということで代官さんに募集をお願いすることになった。
なんせその代官さん自体が、ユニさんちから借りている人なんだから、他に後々代官になってもらう領地に詳しい人を探さない訳にはいかない。
これは僕が男爵を続けようが、エミールくんに譲ろうが同じ話だ。
「本日、依頼は出しましたのであとは向こうでの選考を待つことになります。
結果が出るのは大分先のこととなりますが、主さま自ら最終選考を行うか、主さまが領地に赴くか、選考者を王都に呼ぶか等考えておいていただければと思います」
了解、分かりました。
「それと、もうしばらく先……そうですね、学園に入って落ち着いた頃にでも直接サクラハラ領に出向いて代官に挨拶をするつもりです。
その際に主さまもご同行いただくか、考えておいてください」
僕の領地かぁ……エミールくんを引き受けた時に、少なくともエミールくんに譲るまでは男爵でいることには覚悟を決めたけど領地に顔を出すかまでは少し考えてみないとなぁ。
領地には顔を出さない貴族様とかもいるみたいだし、今後のことを考えるとエミールくんを前面に押し出したほうがいいのかもしれない。
ここらへんはエミールくんの様子も見ながら、相談してみよう。
「うん、分かった。考えてみるね」
「よろしくお願いいたします」
うなずく僕に一礼を返して、メファートくんが椅子に座る。
「では、続いて、普請について、ムーサ」
「はい」
さて、ムーサくんの方はどんな感じかな?
ミゲルくんに呼ばれ立ち上がったムーサくんを見る。
ムーサくんは普請……要するにサクラハラ家でやる仕事関係のことをやってくれている。
後々、本格的な領地経営に乗り出すようになったら、街並みの計画や、道路を作る作業なんかの公共事業の話が出てくるらしいけど、今のサクラハラ家の仕事と言ったら寮の話だ。
サクラハラ寮、紛らわしいけどこっちは学園生の住む寮の話。
寮の家具の入れ替えとかの入寮のための準備を全てムーサくんが担当してくれている。
さて、順調に進んでいるといいけど。
「寮についてですが、現在のところなにも問題ありません」
……。
「……え?それだけ?」
「え、あ、はい。
現在、学生寮の整備については全て計画通り順調に進んでいまして、特にご報告に上げることはありません」
お、おおう。
家具の入れ替えの他にも掃除やら改装やらでいろんな業者さんに頼まなきゃいけないって話を聞いてたけど、全部問題なく進んでいるのか。
ほんと、有能だなぁ、この子達。
「……あっ、あえて言えばひとつ。
バナとエミール様についてはいかが致しましょうか?」
バナくんとエミールくん?
バナくんは懐いているヴィンターさんと同室にして、まあちょっとした『お手伝い』でもやっててもらおうかって話だったけど。
「バナですが、当初の計画では名目上だけの『使用人』として入寮させる予定でしたが、今の様子を見る限り想像以上にきちんと働いてくれています。
礼儀作法の面で難がありますので一人前、とまでは行きませんが主さまの生活のお手伝いに限ればある程度任せられるかと思います」
ムーサくんの話を聞いて、壁際で待機しているヴィンターさんを見ると、ちょっと小首を傾げたあと頷いていた。
あれは……『ちょっと不安はあるけど、まあ及第点』って感じかな?
「え?それじゃ、バナくんも戦力に数えちゃっていいってこと?」
「主さまのお手伝いと限定させていただければ、可能だと思います」
おおう。たしかに色々僕の世話焼いてくれてたけど、想像以上に頑張っていたみたいだバナくん。
「えっと、それじゃ、その件は僕の方からバナくんに話してみるね」
「お願いいたします。
その結果次第で、使用人のシフトを少しイジりたいと思います」
どうなるかは聞いてみないと分からないけど、『これからも僕のお世話焼いてくれない?』って話ならバナくん喜んて頷いてくれそうな気はする。
……ちょっとプロポーズっぽいから言い方は気をつけよう。
「それと、エミール様の件ですが……」
エミールくんはとりあえず一人で部屋に入ってもらって、状況を見て僕やもう一人入るって人と二人部屋にするかどうするかって話だったと思ったけど……。
「今日の主さまの話を聞いて、ただの『客人』として入寮させるより、バナと同じく多少の『お手伝い』をしてもらうのも良いのではと少し思いました」
……なるほど、色々体動かしていたほうが気が紛れるっていうのもあるかもしれないしな。
状況的に学園に素直に通いやすいとは言えない状況だし、それはそれでありかもなぁ。
とはいえ。
「それに関しては、もうちょっと状況を見てからにしよう。
寮の場合だと他の人の目もあるし」
僕のお世話に関しては今は少し楽しそうに見えるけど、これから先どうなるか分からない。
それになにより、寮にはまだ詳細不明の外部の人がひとり入る予定だ。
それ以外にも学園の中の寮ってことでユニさんのお屋敷と違って人目がまったくないとはいえないからなぁ。
ちょっと、この件に関しては状況を見極めてからだ。
「承知いたしました」
「ごめんね。
みんなも、この件についてはどうしたほうが良さそうかエミールくんの様子見て考えてくれると助かります」
参加者を見回して頭を下げると、みんなうなずき返してくれた。
「それと、それ聞いてて思い出したんだけど、ユニさん、謎の外部の人ってまだ公表できないの?」
寮の話が出た時に『入るかもしれない』とだけ言われてそのままなんだけど……。
「すみません、まだ未定です。
声はかけているんですが、なかなか良い返事がもらえなくて。
下手に強要して話がこじれると面倒なことになるので慎重にならざるを得なくて」
苦笑いしているし結構面倒な話なのかもしれない。
というか、こっちから呼び寄せてる形だったのか。
本当にどういう人なんだろう?
「そういうことなら仕方ないね。
でも、話が決まったらできるだけ早く教えてください」
「すみません、分かりました」
ユニさんも申し訳無さそうにしてるけど、これはちゃんと釘刺しておかないとな。
入寮者1人不明のままじゃ準備も大変だろうし。
1
お気に入りに追加
1,085
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる