いつの間にか異世界転移してイケメンに囲まれていましたが頑張って生きていきます。

アメショもどき

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第1章 異世界で暮らそう

22話 夢

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 目を覚ましたら隣で寝てるユニさんが僕の頭を優しく撫でてくれてた。

「おはようございます、ハル」

 僕と目が合ったユニさんは、とても優しい顔で微笑んでくれる。

 その笑顔を見たら、なんか愛おしさとか幸福感とかちょっと申し訳無さとかで胸が一杯になっちゃって……ユニさんにむしゃぶりついてキスをした。



「落ち着きましたか?」

 ようやく唇を離した僕のおでこにキスをするユニさん。

 恥ずかしい……。

 結局目を覚ましたあと2、30分は無我夢中でユニさんとベロを絡め合ってたと思う。

 はじめはちょっと驚いていたユニさんだったけど、ずっと優しい顔で僕に付き合ってくれた。

 今も優しく……なんていうか……愛おしそうに見てくれているのが恥ずかしくて、まともに顔を見れない。

 なんだろうこの包容力。
 
 とても年下には見えない。

 甘えているときはあんなに可愛くなるのに……。

 もう今日はこのまま寝ちゃおうか。

 そう考えたところで、そうはいかないことを思い出してのぼせてた頭から血の気が引く。

 急に頭の冷えた僕は、掛け布団から出ると、横になって不思議そうな顔をしているユニさんの前で正座する。

 僕はこれから、ユニさんに浮気……かもしれないことの告白をしなきゃいけない。



「ていうことが、ミゲルくんとの間にありました」

 脱衣所でミゲルくんとの間にあった、浮気?……準浮気?……ちょっと浮気?……まあ、そういう事を包み隠さずユニさんに告白した。

 僕、土下座である。

 今までも土下座をしようと思ったことはあったけど、幸いというか本当にする機会はなかった。

 しかし、ここでとうとうマジ土下座だ。

 もうユニさんに合わせる顔がない。

「ハル、顔を上げてください」

 ユニさんの声に怒気はない。

 それどころかどこか苦笑い気味の響きもある。

 それでも、雰囲気……と性欲に流されてしまったことが申し訳なさすぎて頭が上げられない。

「まったく、ハルは本当に私のことが大好きなんですから」

「え?」

 あまりに意外なことを言われて、つい頭を上げてユニさんの顔を見てしまう。

 確かに僕がユニさんのことを大好きなのはそのとおりだけど、今この流れでそんな言葉が出てくるとは思わなかった。

 ユニさんも布団から出て僕の正面に正座していた。

「なに意外そうな顔をしているんですか。
 だって、今も私が大好きだから許してほしくて、嫌われたくなくて素直に話しているんでしょ?」

 そう……なのかな?

「自分で分かってなかったんですか?
 ハルはもし別の人が好きになって、私のことなんてどうでも良くなってしまったら、申し訳なさすぎてどっかに消えちゃうタイプの人だと思いますよ」

 そんなことはないと思うけど……。

 あー、でも、今ですら会わす顔がないと思ってるのに、本当に心移りしてしまったら……たしかにユニさんの影も形もない所に行っちゃいそう……。

「それに、今回のことは可愛らしすぎて浮気というのはちょっと……。
 せいぜい可愛らしいエッチなお遊びってところですね。
 もっとすごいことやってきたのかと思ってました」

 い、いや、僕的には結構すごいことやっちゃった気がするんだけど……。

 ユニさんは何だそんなことだったのかって言うような顔してる。

 靄も出てないし本気でそう思ってるみたいだ。

 貴族って怖い……。

「…………ん?っていうことはユニさんも……?」

 ユニさんも『この程度』のことはやっちゃっているんだろうか?

「ああ、私は好きでもない人とそんな事をする気はありませんよ」

 その言葉を聞いてちょっと安心する。

 ……そして、僕はあんなことをしておいてユニさんがそういう事をするのを嫌がっている僕に失望する。

「そんな顔しないでください、ハル。
 私はハルが嫉妬してくれて嬉しいんですから」

 おでこに優しくキスしてくれるユニさん。

「それにハルもミゲルのことが好きだからそういう事になったのでしょう?
 もし好きでもないのにそういう事をやったのなら………………それはそれで興奮しますね……」

 後半部分は聞き流すことにしよう。

 ミゲルくんを好きかか……。

 そう聞かれたらうんと頷くしか無い。

 僕は、可愛くて健気で強いミゲルくんのことが好きになってしまっている。

「うん、僕はミゲルくんが好きなんだと思う。
 出会ったばかりでなに言ってるのかって言われるかもしれないけど……」

「そうですねー。
 私とも出会って間もないですし、ハルは少し惚れっぽいんでしょうか?
 そこは私心配です」

 冗談めかして言うユニさんだけど、耳が痛い。

 僕一途なつもりだったんだけどなぁ……。

「まあ、今は仕方ないのかもしれませんけどね……」

「え?」

「とにかく、前も言いましたけど、私はハルが浮気しても私のことを好きでいてくれる限りは怒りませんから安心してください」

 ユニさんは優しく笑ってくれているし、靄も全然出ていないけど、そんな事を言わせてしまった事自体が申し訳なくて仕方ない。
 
「もちろんっ!僕はユニさんが大好きだよっ!
 ユニさんが一番……むぐっ」

 言い終わる前にユニさんにキスで口をふさがれた。

 そのまま少し興奮してしまっていた僕をなだめるように優しいキスをし続けてくれるユニさん。

 僕より年下なのに完全に対応が大人だ。

「順番をつけるのは止めましょう。
 別に何番目でも私はハルが私のことを好きでいてくれたら満足です」

 なんかすごい僕に都合のいいことを言ってくれるユニさん。

 この子は天使だろうか?

 あるいは僕を堕落させようとする悪魔かもしれない。

 正面に座るユニさんの手を取って両手で包む。

 そしてユニさんの目をしっかりと見つめて、万感の思いを込めて口を開く。

「僕、絶対にユニさんを失望させたりしないようにするからね。
 僕、ユニさんのこと心の底から愛してるよ」

 僕にはもったいなさすぎる恋人を泣かしたりしないと誓う。

「はい。
 私も心からハルを愛してます」

 ユニさんは幸せそうに笑ってくれた。



 ――――――

 
 
「お風呂で寝ちゃったとき、そんな夢を見たんだ。
 我ながらなんて夢見てるんだって自分が心配になるよ」

 修羅場?を超えて、ひとしきり愛を確かめあったあと、寝物語の笑い話のつもりで、僕がお風呂で見た夢……淫夢の話をした。

 そしたらユニさんがなんかやたらと食いついて、事細かに聞いてきたので思い出せる範囲で答えた。

 なんか、ユニさんの目がギラギラしててちょっと怖い。

 確かに自分でもエロい夢見たなーとは思ったけど、所詮夢の話なんだからそんなに興奮しなくても……。

「あの子達、なかなかすごいことしますね……」

「え?」

「あ、いえ、ハルは、率直なところあの子達のことをどう思っているんですか?」

 そ、それ聞いちゃうかー。

 ちょっと迷うけど、下手にごまかすより正直に言う方がマシだと思った。

「そ、その……可愛い子たちだなー……とは思う……」

「夢みたいなことが実際に起ったら?」

「え?えー、ないないっ!無いってそんな事っ!」

 ユニさんにも言うのが恥ずかしかったくらいの夢なんだ、そんな事をあの子達がやるわけがない。

「仮に、仮にの話ですから気楽に答えてください。
 仮にあの子達がそういう事をやってきたらどうします?
 あ、当然私は怒ったりはしないって前提でです」

 ……あの子達が……本当に夢みたいなことを……。

 顔がとたんに熱くなる。

「ぼ、僕も男だし……喜んでやってもらうかな?
 で、でもっ、絶対にないってっ!あんな変態的なことっ!
 あそこまでエロい子は夢の中にしかいないって」

 僕の言葉になぜか苦笑を浮かべてるユニさん。

 ……『たしかにいるわけない』とか思ってるのかな?

「ユニさん?」

「あ、ああ、すみません。
 そういえば、ハルが舐めさせられたりとかの『夢』は無かったんですか?」

 ユニさんに言われるまで気づかなかったけど、全部僕がなにかしてもらうだけだったなぁ。

「うーん、覚えてないだけかもしれないけど、そういうのはなかったな。
 あえて言えば、キスくらい?それにしたってさせてもらったって感じだし。
 僕の趣味じゃないから……ってわけじゃないと思うんだけどなぁ」

 公言するのは恥ずかしいけど、僕はそっちも……まあ、その、好きだ。

 むしろ、してあげるほうが好きまである。

 結局、所詮は夢、色々整合性は取れないってことなんだろう。

「……ハルのに触るのもミゲルだけみたいですし、一応いろいろ考えてはいるみたいですね」

「え?なんのこと?」

「ハルは気にしなくて大丈夫ですよ」

 なんかごまかされた?

「それより……」

 なんかユニさんが真剣な顔で迫ってきた。

 な、なんだろう?

「ハルが夢の中でやったキスを私にもやって欲しいです」

 夢の中……キス大会のことかな?

 なぜか実際にやったみたいに覚えてるから別にかまわないけれど……。

 僕が頷くと、なんかユニさんはやけに喜んでいた。



 5れんしょー?

 キスのあとの2回戦は……凄かった。
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