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第179話
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青い空、大きな白いベッドの上でティアに話しかける。
「世界を見てみたいんだ」
「そうですね。2人の愛の祝福を見守りましょう」
エロスティアが座る俺の前に座った。
そして俺をジト目で見る。
「抱いていてください」
俺はエロスティアを後ろから抱いて、2人の目に同じ世界を見る。
【王国歴1001年春の月01日】
ダンジョンの11階を眺めるとカムイパーティーの姿が見える。
カムイがキングドラゴンを剣で斬り倒した。
「カムイ~、そろそろセーフゾーンで休みましょう~」
エロい悪戯を仕掛けてくる教会ローブを着たヒロイン、アリスがカムイの右腕に抱きつく。
戦士のシノンは無言で反対側に抱きついた。
「そう、だな。少し休もう」
セーフゾーンに3人が入った瞬間にアリスが装備を解除した。
ちょちょ!
「映像を変える」
「なぜですか?3人は気づいていないのですから恥ずかしい思いはしません。それに恥ずかしかったとしても生命の誕生や魂の輪廻に比べれば大した問題ではありませんよ」
「そうだけど変えよう」
エロスティアは浮世離れしている。
大体、日本でカムイ達のエロゲを発売してエロイベントを拡散するようなところがある女神だ。
人の常識は通用しないだろう。
「次は教会を見る」
「私はエチエチシーンに興味があるのですが」
「教会だ」
俺は映を教会に切り替えた。
教会も健全化されていた。
皆いつもより笑顔で、司祭クラスでも人の為に動いているように見える。
前の教会は末端は善良でも、偉くなるほど性格が悪くなっていくイメージだった。
「ヒール!」
ヒメが教会に来た人にヒールをかける。
「ありがとうございます」
かけられた者は1000魔石を渡す。
かなり安い価格で治療を行っているようだ。
「たった1000魔石で治療して貰えて感謝しています」
「今は緊急復興中なので気にしないでください」
ヒメが笑顔で言った。
治療を受けた者は礼をして教会を出た。
「ダンジョンに行って来るのです」
「シルビア、気を付けてね」
後ろには新人と思われる魔導士を連れていた。
「大丈夫なのです。魔物は一瞬で蹴散らすのです」
「そうじゃなくてね、アーツで飛び散った石が人に当たるから気を付けてね」
「……大丈夫なのです。多分」
そう言って出かけて行った。
本当に大丈夫か?
シルビアは柴犬みたいに元気よく走って周りにけがをさせそうだ。
でも、シルビアもヒメも人を助けつつ慕われているようだ。
次はアオイとファルナだな。
アオイとファルナは兵士を連れて強盗を行った犯罪者の隠れ家を取り囲む。
「突撃ですわ!」
ファルナの合図で兵士が家に突入する。
犯罪者4人が取り押さえられ、アオイの前に連れてこられる。
「4人とも、アウトね」
アオイの言葉で犯罪者は悲鳴のような声を上げる。
「そんな!アオイにアウトと言われたら俺達は強制労働行きだ!」
「あたいは悪くないよ!こいつにそそのかされたんだよ!」
「皆アウトよ。連れて行きなさい!」
兵士が犯罪者を連行する。
犯罪者が居なくなると民が出て来てアオイとファルナにお礼を言う。
「連絡してからすぐ対応していただき、感謝します」
「いえ、皆真面目に働いているおかげで少ない犯罪者に目が行くようになっていますわ。真面目に働いてくれる多くの民に感謝しますわ」
民はファルナに礼をした。
今まで犯罪者だらけで捕まえてもきりがなかった状況は完全に変わった。
犯罪者が少なくなれば、少しの犯罪者に多くの兵を使うことが出来るようになる。
1年も経っていないけど、ファルナの統治は大きな効果を上げているようだ。
サミスとエリスも見てみよう。
新兵を引き連れてサミスとエリスがダンジョンで訓練を行っている。
チキンの中ボスが仲間を呼び、乱戦状態になっても2人は慌てない。
サミスとエリスは危なくなると銃でチキンを間引きする。
それでも傷を受けた兵にはサミスの回復弾丸で傷を回復させながら戦いを見守る。
新兵は戦士・魔導士・錬金術師・ハイブリッドとバランスよく組まれ、4人組で行動している。
不足していた兵士問題も、解決していくだろう。
映像を見終わると、エロスティアが上目遣いで俺を見ていた。
「みんなが気になりますか?」
「そう、だな。気になる」
俺はエロスティアの頭を撫でた。
【サミス視点】
仕事が終わり夜になると、みんなで集まります。
カムイも誘うと『3人だけで、過ごしたいんだ』と言われて断られました。
きっとシノンとアリスがそうしたいんでしょう。
うさぎ亭に入るとみんなが揃っていた。
「あら、サミスは1番早く来ると思っていたのだけれど予想が外れたわね」
「あははは、ちょっと兵士の相談を聞いていたんですよ」
「サミス、座ろう。もうシチューは出来ているんだ」
「いい匂い、後、懐かしい匂いです」
そう言いながら席に座った。
ヒメが私にシチューを盛りつける。
「ありがとうございます」
シルビアはフライングしてシチューを食べ始めていましたが誰も何も言いません。
みんなが少し笑ってそれを見る。
「おほん、難しい話は無しにしますわ。今日はたくさん食べて飲みますわよ!」
皆がグラスを上に持ち上げて飲む。
みんな笑顔です。
でも、アオイも、エリスも、ヒメも、シルビアも、ファルナも、少し寂しそう。
私もさみしいです。
ハヤトさんがいないから。
店の扉が開いて、2人が中に入ってきた。
「今は貸し切りで……」
私の目には涙があふれて、グラスを床に落とした。
そして、私は飛び込むように抱きついた。
「お帰りなさい!」
あとがき
この作品はこれで完結となります。
フォロワー数が伸び悩む中、大きく伸びるきっかけになる作品でした。
僕にとっても想い入れのある作品です。
とはいっても反省点もあります。
ファンタジーという嘘の作品を描写し、更に嘘の描写を重ねると薄っぺらくなるかと思いながら描写した結果、リアルで厳しいストーリーとなってしまいました。
今新作を構想中ですが、明るく都合のいい物語にすると薄っぺらくなる問題を解決する決定打は見つかっておりませんが、最近考えて思うのです。
『薄っぺらくてもスカッとする方が良くね?』と。
リアルに考えれば、この設定だと成功するにはこれを積み上げて努力する必要があるとか、殺される時は急に唐突に暗殺されて犯人は分からないのが実はリアルだよね?とかそう言う論理より、皆嘘のファンタジーが見たように思います。
色々考えて【勢い】【気持ちのいい展開】【論理より感情重視】で良くね?と思いました。
もっとご都合主義でも、主人公優遇でも、いいじゃない。
だってファンタジーだもの!
その結果『ここの部分の描写が矛盾してますよね?』とか『薄っぺらい』とか出てくると思いますが、何やっても批判は出てきます。
話は逸れましたが、今まで最後までご覧いただき、ありがとうございます!
「世界を見てみたいんだ」
「そうですね。2人の愛の祝福を見守りましょう」
エロスティアが座る俺の前に座った。
そして俺をジト目で見る。
「抱いていてください」
俺はエロスティアを後ろから抱いて、2人の目に同じ世界を見る。
【王国歴1001年春の月01日】
ダンジョンの11階を眺めるとカムイパーティーの姿が見える。
カムイがキングドラゴンを剣で斬り倒した。
「カムイ~、そろそろセーフゾーンで休みましょう~」
エロい悪戯を仕掛けてくる教会ローブを着たヒロイン、アリスがカムイの右腕に抱きつく。
戦士のシノンは無言で反対側に抱きついた。
「そう、だな。少し休もう」
セーフゾーンに3人が入った瞬間にアリスが装備を解除した。
ちょちょ!
「映像を変える」
「なぜですか?3人は気づいていないのですから恥ずかしい思いはしません。それに恥ずかしかったとしても生命の誕生や魂の輪廻に比べれば大した問題ではありませんよ」
「そうだけど変えよう」
エロスティアは浮世離れしている。
大体、日本でカムイ達のエロゲを発売してエロイベントを拡散するようなところがある女神だ。
人の常識は通用しないだろう。
「次は教会を見る」
「私はエチエチシーンに興味があるのですが」
「教会だ」
俺は映を教会に切り替えた。
教会も健全化されていた。
皆いつもより笑顔で、司祭クラスでも人の為に動いているように見える。
前の教会は末端は善良でも、偉くなるほど性格が悪くなっていくイメージだった。
「ヒール!」
ヒメが教会に来た人にヒールをかける。
「ありがとうございます」
かけられた者は1000魔石を渡す。
かなり安い価格で治療を行っているようだ。
「たった1000魔石で治療して貰えて感謝しています」
「今は緊急復興中なので気にしないでください」
ヒメが笑顔で言った。
治療を受けた者は礼をして教会を出た。
「ダンジョンに行って来るのです」
「シルビア、気を付けてね」
後ろには新人と思われる魔導士を連れていた。
「大丈夫なのです。魔物は一瞬で蹴散らすのです」
「そうじゃなくてね、アーツで飛び散った石が人に当たるから気を付けてね」
「……大丈夫なのです。多分」
そう言って出かけて行った。
本当に大丈夫か?
シルビアは柴犬みたいに元気よく走って周りにけがをさせそうだ。
でも、シルビアもヒメも人を助けつつ慕われているようだ。
次はアオイとファルナだな。
アオイとファルナは兵士を連れて強盗を行った犯罪者の隠れ家を取り囲む。
「突撃ですわ!」
ファルナの合図で兵士が家に突入する。
犯罪者4人が取り押さえられ、アオイの前に連れてこられる。
「4人とも、アウトね」
アオイの言葉で犯罪者は悲鳴のような声を上げる。
「そんな!アオイにアウトと言われたら俺達は強制労働行きだ!」
「あたいは悪くないよ!こいつにそそのかされたんだよ!」
「皆アウトよ。連れて行きなさい!」
兵士が犯罪者を連行する。
犯罪者が居なくなると民が出て来てアオイとファルナにお礼を言う。
「連絡してからすぐ対応していただき、感謝します」
「いえ、皆真面目に働いているおかげで少ない犯罪者に目が行くようになっていますわ。真面目に働いてくれる多くの民に感謝しますわ」
民はファルナに礼をした。
今まで犯罪者だらけで捕まえてもきりがなかった状況は完全に変わった。
犯罪者が少なくなれば、少しの犯罪者に多くの兵を使うことが出来るようになる。
1年も経っていないけど、ファルナの統治は大きな効果を上げているようだ。
サミスとエリスも見てみよう。
新兵を引き連れてサミスとエリスがダンジョンで訓練を行っている。
チキンの中ボスが仲間を呼び、乱戦状態になっても2人は慌てない。
サミスとエリスは危なくなると銃でチキンを間引きする。
それでも傷を受けた兵にはサミスの回復弾丸で傷を回復させながら戦いを見守る。
新兵は戦士・魔導士・錬金術師・ハイブリッドとバランスよく組まれ、4人組で行動している。
不足していた兵士問題も、解決していくだろう。
映像を見終わると、エロスティアが上目遣いで俺を見ていた。
「みんなが気になりますか?」
「そう、だな。気になる」
俺はエロスティアの頭を撫でた。
【サミス視点】
仕事が終わり夜になると、みんなで集まります。
カムイも誘うと『3人だけで、過ごしたいんだ』と言われて断られました。
きっとシノンとアリスがそうしたいんでしょう。
うさぎ亭に入るとみんなが揃っていた。
「あら、サミスは1番早く来ると思っていたのだけれど予想が外れたわね」
「あははは、ちょっと兵士の相談を聞いていたんですよ」
「サミス、座ろう。もうシチューは出来ているんだ」
「いい匂い、後、懐かしい匂いです」
そう言いながら席に座った。
ヒメが私にシチューを盛りつける。
「ありがとうございます」
シルビアはフライングしてシチューを食べ始めていましたが誰も何も言いません。
みんなが少し笑ってそれを見る。
「おほん、難しい話は無しにしますわ。今日はたくさん食べて飲みますわよ!」
皆がグラスを上に持ち上げて飲む。
みんな笑顔です。
でも、アオイも、エリスも、ヒメも、シルビアも、ファルナも、少し寂しそう。
私もさみしいです。
ハヤトさんがいないから。
店の扉が開いて、2人が中に入ってきた。
「今は貸し切りで……」
私の目には涙があふれて、グラスを床に落とした。
そして、私は飛び込むように抱きついた。
「お帰りなさい!」
あとがき
この作品はこれで完結となります。
フォロワー数が伸び悩む中、大きく伸びるきっかけになる作品でした。
僕にとっても想い入れのある作品です。
とはいっても反省点もあります。
ファンタジーという嘘の作品を描写し、更に嘘の描写を重ねると薄っぺらくなるかと思いながら描写した結果、リアルで厳しいストーリーとなってしまいました。
今新作を構想中ですが、明るく都合のいい物語にすると薄っぺらくなる問題を解決する決定打は見つかっておりませんが、最近考えて思うのです。
『薄っぺらくてもスカッとする方が良くね?』と。
リアルに考えれば、この設定だと成功するにはこれを積み上げて努力する必要があるとか、殺される時は急に唐突に暗殺されて犯人は分からないのが実はリアルだよね?とかそう言う論理より、皆嘘のファンタジーが見たように思います。
色々考えて【勢い】【気持ちのいい展開】【論理より感情重視】で良くね?と思いました。
もっとご都合主義でも、主人公優遇でも、いいじゃない。
だってファンタジーだもの!
その結果『ここの部分の描写が矛盾してますよね?』とか『薄っぺらい』とか出てくると思いますが、何やっても批判は出てきます。
話は逸れましたが、今まで最後までご覧いただき、ありがとうございます!
応援ありがとうございます!
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タイトルから予想はできたが、品の無さが逆に癖になるwww
ちゃんと綺麗に最後も〆られてるように思えるし、中々エロ楽しかった。
ただ、性交硬棒♂️さん(悪意の変換)に行為(好意)が持てるようになってきたところで死んじゃったのが悲しくて股間から涙ががか。彼には大怪我を負って生き延び、後進を育成する立場とかを与えて欲しかったと個人的に思ってしまった( T∀T)
とても面白く読ませて頂きました。
次回作も楽しみです(^^)
アサヒがしつこい