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第174話

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 ドリルは俺に突撃する途中で両手を更に合わせて捻った。
 さっきファングに使った攻撃はフェイクだ。
 真の最強攻撃はツインドリルによる攻撃か。

「ツインドリルクラッシュ!」

 両手にある左右のドリルはツインドリルとなって俺に襲い掛かって来る。
 ツインドリルもくるくると高速回転し、手が変形したドリルも高速回転している。
 当たったらまずい!

 俺は後ろに下がりながら刀で攻撃する。
 一気に刀の耐久力が削られていった。

 ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!

 何度も火花が散り、それでもドリルの攻撃を止める事が出来ない。
 ステップを踏んでも引き離す事も出来ない。

 ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!
 
 俺の刀が欠けはがボロボロになっていく。

 ドリルの動きが一瞬止まるが、その瞬間合わせていた両手が離れ、両手が鞭のようにしなりながら10メートルほど伸び、先端のドリルで執拗に俺を狙って連撃を繰り出す。
 腕は鞭のようにしなり、先端のドリルは攻撃の瞬間に高速で回転し、硬化している。
 俺は後ろの防壁に追い詰められ、躱したドリルが後ろの防壁を砕いていく。

「ぐらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 攻撃が止む瞬間俺の刀が折れた。
 最後の攻撃を刀の根元で防ぐ。

「ふー!ふー!これを凌いだか」

 俺は無言で回復弾丸を手の甲に押し付けた。
 刀が新品のように蘇る。

「刀が戻ったか!それがどうした!お前の攻撃で俺は倒せない!お前の攻撃は軽すぎる!攻撃すればするほど刀はボロボロになっていくのだ!」

「刀はまた直せばいい」
「そのたびに刀をへし折ってやる!刀は耐久力が低い特性があるのだ!それにその武具強化はいつまで持つ?俺の超攻撃と超防御の前にお前は破れる!アオイの処女を奪った罪を償い苦しみながら死ね!」

 そうして俺とドリルは打ち合い続けた。
 刀の耐久力が減る度に回復弾丸で耐久力を回復させていく。
 



 すべての回復弾丸を使い切ると、超強化弾丸の効果が切れた。

「武具の強化もが切れたか!もう終わりだな!」
「最大MPを消費してまだ生成できる!超強化弾丸!」

 俺は全MPを消費して超強化弾丸を発動させた。

「サミス!頼む!」

「きゅう!出番です!」
「きゅう!」

 きゅうが高速で走って俺の背中に飛び乗った。

「回復している?それだけか?」

「ヒメ!頼む!」
「カースウォー・ギフト!」

 俺を黒と白のオーラが包み、上に向けて交わるようにオーラが上がっていく。

 俺はバックステップを踏んで刀を消し、ツインハンドガンに切り替えた。

『ソウルスキルを取得しました』

『ツインハンドガンが弱体のツインハンドガンに進化しました』

 俺はソウルスキルの訓練をする中で気づいた。

 自分の容量といえばいいのか?
 魂にはにまだ余裕がある。

 自らの意思で望む力を手に入れる事が出来ると。

 勘の良いドリルに気づかれないようツインハンドガンの弱体攻撃は見せなかった。

 ドリルが疲れ、消耗するまで粘った。

 そして一気に開放する。

 俺は弱体のツインハンドガンをドリル何度もに撃ちこむ。

『ドリルの攻撃力・防御力・速度が20%低下しました』

 ドリルの攻撃力・防御力・速度を20%低下させ、ヒメのカースウォー・ギフトで俺の攻撃力・防御力・速度を40%上昇する。

 俺はドリルに刀の連撃を撃ちこむ。

 今までコンボを決められなかったが、一気に能力値を変え虚を突く。

 1撃目、2撃目と攻撃が重くなり、10撃目のコンボを決める頃にはドリルは防戦一方になっていた。

 ドリルを刀の強い衝撃が何度も何度も遅い、サミスの力で弾数が回復した回復弾丸を素早く手の甲に押し当てつつコンボの連撃を続ける。

 減るスタミナをきゅうと超強化弾丸の力で回復させながら全力で連撃を加え続けた。
 カースウォー・ギフトの効果が切れても連撃を加え続けた。

「ぐががががががががが!」

 ドリルが黒い霧になってドロップアイテムを吐き出す。

『レベルが300から400に上がりました』

 俺は片膝をついて地面に座り込む。
 遠くから高速でファングが近づいてくる。

「ぎゃはははははははは!ご苦労だったなあ!おいハヤト!地面に座り込んでどうした?もう立つことも出来ねえか!?あれだけ動いてりゃあ当然だ!他の奴らもボロボロじゃねえか!ぎゃははははははははははははは!」

 ファングは両手を広げてゲラゲラと笑う。

「俺よりレベルの低いドリルと闘ってそのざまだ!俺様と闘えばどうなるか分かるよなあ!俺に追いつく事すら出来なかったハヤトよおおおおおおおおおおお!」

 太陽が沈み、周りは暗くなっていた。
 視界が悪くなりファングのうるさい声が強調される。

「まずは俺を殺したハヤト!お前は最初に殺してやる!言っておくが俺の能力は【超速】そして【超スタミナ】だ!これがどういう事か分かるか!俺を捕えることは出来ねえ!そしてドリルのように、せこいスタミナ切れも狙う事は出来ねえんだよおお!ぎゃははははははは!!」

 俺は地面に座ったまま息を整えた。

「おいおい!まだあきらめてねえのか?お、武具を強化する効果は切れたようだな!俺が殺してやるよおおおおおおおお!」

 ファングが俺の周りを高速で走る。
 ファングの足は地面を蹴る瞬間にゴムのように伸び、それによりファングは速く動いている。

「ぎゃははは!立ち上がっても、反応出来ねえよなあ!悪あがきだぜ!死ね!」

 ファングが俺に飛び込む瞬間に超強化弾丸を手に押し当てる。
 ファングの両手がダガーの形に変わり、俺の刀と打ち合う。

 2撃目で刀をファングの太ももにヒットさせ、3撃目でファングの腕にヒットする。
 4撃目5撃目とコンボを決め、ファングに10回目のコンボをヒットさせた。

「動けなくなるまで連撃を続ける!ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
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