NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ

文字の大きさ
上 下
172 / 179

第172話

しおりを挟む
【王国歴1000年夏の月60日】 

 俺達は10日間ソウルスキルの訓練を続けていた。
 10日経ち、それでもカムイパーティーは目覚めなかった。
 カムイの腕を見ると痩せて細くなっていて、目覚めたとしても戦う事は難しいだろう。
 今日のカムイ参戦は絶望的な事が分かった。


 夕日で防壁が照らされ、日が沈みそうになる頃。

 西のドリルが歩いて防壁に近づいてくる。
 アオイがドリルの能力をみんなに教えあわただしくファルナが声を上げる。
 たった一人だが、まとうオーラと堂々と、じわじわゆっくりと歩くその姿で防壁の外で隊列を組む兵士の顔が引きつる。

 ドリルには邪神と似た威圧感があった。

「アオイ!久しぶりだな!俺に犯されるために出て来たか!手間が省ける!」


 アオイはドリルを無視するように叫ぶ。

「ドリルは強いわ!でも邪神ほどの力は持っていないのよ!」

 ドリルが走りながら叫ぶ。
 まるで怪獣が叫んだような叫び声で兵士の体が固まる。

「「アオイいいいいいいいいいいい!やっとお前を犯せるううううううううううううううう!」」

 ファルナが叫ぶ。

「カースウォー発動!」

「「カースウォー!」」

 魔導士が一斉にカースウォーを発動させる。

「魔法射撃!開始!」

 一斉にドリルに向けて魔法攻撃が開始された。

「ファルナ!攻撃をやめさせろ!ドリルの気配が、地中に移動した!」
「攻撃中止ですわ!!」

「ドリルは腕をドリルに変えて地中を進むことが出来るわ!兵を散開させなさい!地中から飛び出してくるわ!」
「散開陣を取るのですわ!」

 地面が震え、音がする。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 地中からドリルが両手をドリルに変えて地面に飛び出し、勢い余って空高く飛び上がった。

「魔法攻撃を再開しなさい!」

 的になったドリルを魔法攻撃とエリス、サミスの銃で攻撃する。
 並みの敵ならここで終わる。

 だが、地上に轟音と共に着地したドリルを見ると、健在で、血を流してもいない。

「痛えじゃねえか。だが、陣の中央で魔法を撃てば、味方に当たるぜ?どうするよ?なあ、アオイ!」

「まさか、これほど攻撃が通らないとは、苦しい戦いになりますわね」
「ドリルの能力は【超攻撃】と【超防御】よ!エースだけで戦うしかないわ!」

「兵士は下がるのですわ!」

 俺・アオイ・ヒメ・サミス・ファルナ・シルビア・エリスだけがドリルの近くに残った。

 その時、防壁の上から兵士の女性が叫ぶ。

「報告します!東から北のファングが現れ、魔石を強奪しています!」
「東のアサヒではなく、北のファングですのね!?」
「はい!北のファングが東から現れました!」

「ハイエナが!逆方向から回り込んで攻めてきたか!」
「おいおい!どうするよ?アオイがここに残るなら、10分だけ待ってやる。行ってきても良いぜ!」

 ドリルがアオイの体を見ながら不気味に笑った。

「ハヤト、ヒメ、行きなさい」
「く、分かった」

 俺はヒメをおんぶして防壁にジャンプして壁を蹴って防壁を乗り越えつつ真っすぐ東を目指した。
 ファングは動きが早い。
 アオイの話では対抗できるのは俺だけらしい。




【アオイ視点】

 残ったのは私と、サミス・ファルナ・シルビア・エリスだけね。
 カースウォー&攻撃魔法も通用しない事が分かった。
 恐らく、倒す事は出来ない。

 ドリルは直感で動く、その時の直感で行動を決める分私の目で見ても、行動が読みにくい。
 有効な攻撃はシルビアのファイナルスラッシュなのだけど、1撃しか撃てないあのソウルスキルだけでは決定打にはならない。

 サミスとエリスの銃は遠距離攻撃なぶん攻撃力は弱く、ファルナもタンクタイプで攻撃力は控えめ、3人も決定打にはならない。

 攻撃が通りそうなのは私とシルビアだけになるわね。
 それも決定打にはならない。
 恐らく通用せずやられる。

「アオイ、良い顔だな!お前が犯される顔を見ているようだ!時間稼ぎをしたいんだろ?少しだけ話をしてやるよ!」

「あら、乗ってくれるのかしら。いいわね。話をしましょう。所で、あなたが勝ったとして、その後はどうするのかしら?ファングがあなたを殺すと思うのだけれど?」

「ああ、その話か。まずお前らを倒してファング達の元に向かう。そして勝った方を倒してアオイで楽しむ。簡単な話だ」

「そう簡単に行くのかしら?ファングはあなたと同じ魔石を食らって強くなる能力を持っているわ」
「俺が勝つが、そうだな。予定変更だ。最期はアオイだけじゃなく、ファルナも貰う。お前だけじゃ壊れちまうだろ?交代で楽しんでやるよ!」

 スティンガーとそっくりね。
 でもそれを言ったらドリルはすぐに攻撃を始める。
 それだけは避けたい。

「ずいぶん余裕なのね」
「この中で。いや、ファングの所に行ったハヤトが一番強いんだろ?ファングに目を向けさせたいのは分かるが、ファングとハヤトが戦えば勝った方は無事では済まないはずだ」

 ドリルは厄介ね。
 勘がいい。
 自信家ではあるけれど、ハヤトが強い事を分かっていて、私の思惑も直感で見抜いてくる。

 アサヒやファングより厄介だわ。

「時間稼ぎには乗ってやった。そろそろ始める!」

 ドリルの右腕と左腕がドリルの形に変わり、腕がぎゅるぎゅると回転しピタッと止まった。

 その動きを見て全員が構える。

「俺のドリルはすべてを貫く」

 そう言いながらドリルは前に出た。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...