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第164話

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【アオイ視点】

 ファングは無言でヒメを入れた布袋を下ろした。

「邪魔すんなよ!」

 ファングはハヤトに向かって走り、短剣を投てきした。
 ハヤトは難なくかわしつつ門に群がる犯罪者を斬り殺していった。

 ファングが斬りつけるが、いなして犯罪者を斬り殺し続けた。
 その後ファングは数回斬りつけるがすべて最小限の動きでハヤトは避け続けた。



 そして、ファング以外のすべてを殺した。

「ファング、お前しか残っていない」
「おいおい!おいおいおいおい!まさか俺の攻撃を躱した程度でいい気になってるんじゃねーだろうなあ!お前より俺の方が速い!ちょこまかと避けるだけのせこいソウルスキルを持っているようだが、俺のレベルは190だ!レベルの低いお前には負けねー!俺はもっと速くなれるんだよ!ソウルスキル・スピードギア!」

 ファングの方が明らかに速い、それでも、斬りかかるファングの攻撃をすべてカウンターと回避、そしてステップで完封しつつ、右腕・右肩・右太ももを刀で斬りつけていた。

「調子に乗るなああ!ギア2!」

 ファングのスピードが更に速くなる。

 それでもハヤトに斬られ、ファングは叫ぶ。

「く!ギア3、ぐあはあ!」

 ハヤトは連続でファングを斬りつけた。
 刀コンボ、1撃目、2撃目と威力は増していき、10連撃を決める頃にはファングは血だらけになっていた。

 ファングは失敗した。
 分析スキルを持っていなかったせいで、急速に成長していたハヤトのレベルに気づかなかった。
 レベルの情報を更新できなかったのだ。

 ハヤトのソウルスキルはすべて、魔導士対策をした魔物をさらに対策するように進化してきた。

 超強化弾丸=継続戦闘に重きを置き、ハイリジェネの効果により回復しながら戦える。

 刀・極=刀を使えば常時発動状態となり、アーツに比べれば一見地味に見えるが、明らかに継続戦闘能力を意識したソウルスキルになっている。

 未来を掴む者=『超回避』と『超命中』によって最小限の動き有利に立ち回る。対人戦ではあまり動かず戦っているように見えるが、能力が強化され、長時間回避能力と命中率を上げ続ける強スキルだ。

 この3つのシナジー効果により、ハヤトは力を手にしている。
 『刀・極』による強力な刀攻撃を『超強化弾丸』によってさらにブーストし、回復しつつ戦い、更に『未来を掴む者』の超回避・超命中の力で引き上げていく。

 ファング、あなたは強かったわ。
 でも、ハヤトはファングのような魔導士殺しのあなたを潰す力を持っているのよ。
 対魔導士のカウンターとして斥候の能力を手に入れたファング。
 でもそのファングのカウンターとしての能力をハヤトは持っているのよ。

 ファングは戦わずにソウルスキルを使って逃げるべきだったわね。

 ファングが死に、倒れると、3体の魔物が近づいてくる。

『ダミーファック改!』

 2体はファングを回収し、1体が腕を短剣に変えてハヤトに斬りかかる。
 ファングを回収するのが目的?
 でも、ファングはもう死んでいる。

 ダミーファック改が、ファングの口に黒い球を入れた。
 何?ファングを魔物に変えようとしている!
 魂が体から抜ける前なら死んでいても良いと言う事ね!

 ハヤトがダミーファック改1体を倒す内に、ダミーファック改2体はファングを連れ去った。



 戦いは終わった。
 ヒメは川で体を洗われ、ベッドに運ばれ、カムイパーティーもベッド行きとなった。
 セイコウコウボウの葬儀は三日後に決まり、それまでは休息日となった。

 私と、ハヤト・サミス・ヒメは一緒のベッドで過ごした。

 ヒメが目を覚ます。

「ここ、は?」
「ハヤトさんのベッドですよ。顔が赤いですよ!大丈夫ですか!?」
「サミス、ヒメは発情ポーションの効果で苦しいのよ。ハヤトがいるのだから楽になれるわ。健康体の力で発情の状態異常が薄まっても、健康体の力で体が元気になれば発情してしまうと思うわ。プラスとマイナスが相殺して発情し続けるわね」

「発情の状態が和らいでも、元気になればしたくなっちゃいますよね!」
「さあ、ヒメ、ハヤトに抱いてもらいなさい」

「アオイ、起きたばかりなんだ。からかわないで寝かせておけって」
「ハヤト、私はよく見える目を持っているわ。ヒメがどうされたいか分かるのよ。ヒメ、言うだけでいいのよ?無理は良くないわ」
「そうですよ!女であることを我慢しちゃ駄目です!女の本能に身をゆだねちゃいましょう!お願いするだけで楽になれるんですよ!」

「わ、わたしは、いいよ」
「ヒメ、その癖はやめなさい。反射的に断るのは良くないわ。自分の心の声を聞くのよ!」
「そうですよ、ヒメがハヤトさんを好きな事なんて皆分かっているんです!このままだと苦しいですよ!」
「サミス、説得は無駄ね。もういいわ。ヒメがされたい事を、ハヤトにさせてあげるわね」
「そうですね!少しでも味わえば、断れない体になっちゃいますよ!」



【ヒメ視点】

 アオイとサミスは紋章装備を解除してハヤト君の興奮の高めるように体を押し付けて、寝ている私の上にハヤト君を移動させた。

「さあ、ハヤト、まずは触って良くしてあげましょう」

 私は触って欲しい衝動を抑えられず、否定の言葉を言えなかった。



 ◇



 チュンチュンチュンチュン!

 私はハヤト君に女にしてもらった。
 ハヤト君が私を触るだけで、私の体が熱くなって、熱いのが全身に広がって、それでもハヤト君は私を触り続けた。

 更にアオイとサミスは私の弱い所を全部ハヤト君に教えて、私は徹底的に熱くさせられて、ハヤト君に頭を撫でられただけで顔がおかしくなっているのが自分で分かった。

 顔を隠そうとしても何度も反応して弓のように何度も体がのけぞってハヤト君に動きを操られちゃう。
 頑張って口を押えても声が抑えられなくて、ハヤト君は私の顔を何度も覗き込んだ。
 私はハヤト君に操られるように熱くなって、何度も反応して、何度も声を出して、ハヤト君に私の弱いところ全部知られちゃった。

 ハヤト君が目を覚ますと、私の体を触る。

「やっと、逃げなくなったな」
「え?私、え?え?」

「ハヤト、まだヒメは分かっていないわ。もっと抱きなさい。ヒメがハヤトに触って欲しくなるまでしましょう。触っても常に抵抗しなくなるまで分かってもらいましょう」
「私もう、分かったよ!ハヤト君とシテもう分かってるから!」

 私は最初、アオイの言っている意味が分からなかった。



 ◇



 もう私は、逃げない。
 逃げられない。 
 いつどこでハヤト君に触られても、触って欲しいと思ってしまう。

 ハヤト君の右にはアオイが寝て左には私が寝て、上にはサミスが寝るようになった。
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