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第141話

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【王国歴1000年春の月68日】

 俺は66日、67日と魔物を狩って過ごしレベルを上げた。

「おりゃ!」

 アタックボアに刀を突き刺した。

『レベルが43から44に上がりました』

『シャドーのLVが10に上がりました』

『EXスキル取得モードに移行します』



 EXスキル?
 俺はステータスを開いた。



 ハヤト 男
 レベル:44
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:100
 魔力: 70
 敏捷:100  
 技量: 40 
 魅力:130  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV10・シャドーLV10・EXスキル(レベル55で解放)・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(0/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:1/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸:2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)


 レベル55でEXスキルが解放されるのか。
 楽しみになってきた。

 いや、それも楽しみだけど、シャドーのLVが10になった。
 試してみよう。

「シャドー!」

 俺の影から俺の姿と同じ黒い分身が出現した。
 そしてテクニカルチキンに斬りかかっていく。

 うん、俺より弱いのと、1秒ごとにMPが1ポイント減っていく。
 シャドーLV1の時にちょっとだけ使ってみたけど弱かった。
 闇魔法はLV10で急に強くなるから期待していたんだけど、使いにくいな。

 1秒でMPが1減っていくのが痛い。
 MPは回復弾丸を作る時にも使うから完全にバッティングする。
 
 シャドーが倒した魔物の経験値は入るけど俺より弱くて、俺のMPが減って消耗していくし、今はMPMAX状態で使用しても70秒しか持たない。
 
「シャドーの使いどころが……今は無いか」

 なら次の目標はレベル55のEXスキル解放だ!
 今日はへとへとになるまでレベル上げをする!




 ハヤト 男
 レベル:50
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:100
 魔力:100
 敏捷:100  
 技量: 70 
 魅力:130  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV10・シャドーLV10・EXスキル(レベル55で解放)・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(0/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸:2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)



 今は偏った能力値をオール100以上にするようにステータスポイントを振っている。
 今犯罪者ギルドがヒメを狙っているらしい。
 偏った能力値では対応しきれないのだ。

 スキルポイントは全部EXスキルに吸われているな。
 後5レベルでEXスキルが解放される。
 72日くらいには解放できるだろう。


 帰ったら休んで、休日は回復弾丸チャージだな。
 それと、ファルナにダンジョンの上に行かせてもらうよう話をしよう。
 その為もあって偏っていない能力値に上げているのだ。
 隠れて事を起こそうとすると強制クエストを浴びせられるのだ。



 学園に帰るとすぐファルナに呼ばれた。
 丁度いい、ダンジョンの話をしよう。

 あれ、カムイとファルナか、このパターンは重要案件だろ?
 カムイとファルナとで話をする時は大体そうだ。

「会議室に行きますわよ」
「大事な話か」
「そうですわね」

 会議室に入ると、3人で座る。

「犯罪者ギルドについてですわ。
 2つの犯罪者ギルドがヒメを狙っていますわ。

 それと、犯罪者ギルド闘争の為、わたくし達の部隊を、利用しようとしていると、情報が入っていますわね」

「それってどこ情報なんだ?」
「アオイですわ。アオイはよく見える目を持っていますわ」
「ソウルスキルか?」

「そうですわね。それで、ハヤトには何か良い案が無いか聞きたいのですわ」
「案か、前回全部の案を出したし、手口は晒してしまった。それと、どうやって部隊を利用してくるか分からない」

「そこから、考えて、見よう」
「ハヤトが犯罪者だとして、ヒメを手に入れたいと仮定しますわ。ハヤトならどんな方法を使いますの?人はいくら殺してもいい前提で考えて欲しいですわ」

「……陽動だな。シンプルなのが一番効果的だと思う」

 手の込んだ手ほど、相手が予想外の行動をとった際に脆い。
 俺なら精鋭部隊が動くしかない状況を作る。
 罠だと分かっていても動くしかない。
 そうやってこちらを追い詰めるのだ。

「具体的に、言って、くれないか?」

「色々パターンがありそうだけど、魔物を国の防壁におびき寄せたり、ライバルの犯罪者組織にエース部隊をぶつけたり、ライバルの犯罪者組織に襲撃させるように誘導する、後は王家に恨みを持つ者をたきつけて暴動を起こさせる、くらいかな」

「色々ありすぎて対処しきれませんわね」
「それだけじゃないぞ。教会とつながりがあれば教会が何か仕掛けてくる可能性もある」

「ハヤトなら、どう対応する?」
「ヒメをカムイやファルナの部隊に同行させる、でもそうすれば戦力が減ってしまうし、ヒメの体調が良くないからダメか。他だと……ヒメを守るための伏兵。でも、それをやっても攻めの戦力を削ることになる。すまない。いい案は無い」

「いえ、参考になりましたわ」

 魔物でも犯罪者でも暴れ回ってそれを鎮圧しに行くのは、罠だと分かっていても脅威を減らすチャンスでもある。
 うまく行けば危険勢力の芽を潰せる。

 それに、罠だと分かっていても被害が出ているのを放置して鎮圧しないとそれはそれで多くの被害が出る。
 問題が起きたら罠だと分かっていても行動しないわけにはいかないのだ。

 ファルナが動かなければ『王が私達を見捨てた』と騒ぎ出す奴が出てくる。
 問題が起きればファルナは動くしかない。

 王は権力を持ってはいても国民の奴隷や奉仕者という側面も持っているのだ。

「何も起きなければいいんだけどな」


 結局ダンジョンの上に行く話は出来なかった。
 『何も起きなければいい』そう思っていた俺が甘かった。
 俺が言った陽動と襲撃を食らう事になる。


 
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