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第138話

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 セイコウコウボウは飛ぶように走る。
 俺は左わきに抱えられるが、これ前もあったやつ!

 酔って具合悪くなるやつ!

 昼食を摂ってすぐだから、う、吐きそうだ。

 俺はしばらくセイコウコウボウに抱えられて酔っていた。



「ついた!僕のおかげだね!」
「ついたのは良いんだけど、具合悪い。あれマジで酔うからやめてくれ!」

 セイコウコウボウのやってあげたよと言う態度がイラつく。

「僕がリザードマンを連れて来てあげよう!」

 セイコウコウボウは笑いながら走っていく。

「聞けって!」

 セイコウコウボウは無視してリザードマンをおびき寄せて俺にぶつける。
 リザードマンはトカゲ人間のような見た目で槍を持ち、素早くて固い魔物だが、攻撃はほぼ近接だ。
 たまに槍を投げてくるが、投げてしまうと自分の武器が無くなるのでそれはあまりやらない。

 槍はリーチが長く、近づいて攻撃を受けないとカウンターを使えない。
 カウンターより、ステップを上げていれば楽だったか。


 ハヤト 男
 レベル:22
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:50
 魔力:30
 敏捷:60  
 技量:30 
 魅力:50  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV0・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(8/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)



 俺は無意識にステータスを見ていた。
 レベルを上げればステップを使えるようになる!
 悪くはない!

 俺は迫って来るリザードマンの攻撃を躱して一歩踏み込んで刀で斬りつけた。
 リザードマンは槍を回転させて石突き部分で攻撃を当てようとしてくるが、そこでカウンターが発動する。

 リザードマンが倒れた。
 1撃で倒せなかったか。
 攻撃力アップの為に体力を上げなくなるけど、敏捷が無いとすぐに疲れるし、魅力が足りないから回復力も低い。

「どんどん行くよー!」

 17体のリザードマンがセイコウコウボウを追って走って来る。

「な、!多すぎる!」
「大丈夫大丈夫」

 俺は必至でリザードマンと闘った。
 何とか17体を倒しそうになると次々とリザードマンが補充され、終わりが見えない。
 


 俺は戦いながら意識を失った。



 目を覚ますと、学園でセイコウコウボウにおんぶされていた。

 セイコウコウボウはファルナに怒られる。

「あなたはやりすぎですわ!」

 俺はセイコウコウボウから降りる。
 まったくその通りだ。
 加減を知らない所があるからファルナに怒られて少しは反省して欲しい。
 
 さてっと、俺は食事にしよう。

「ハヤト!待つのですわ。あなたもセイコウコウボウと同レベルですわよ!」
「えええええ!俺!俺がセイコウコウボウと同レベル!おかしいだろ!」

 セイコウコウボウは手を叩いて笑う。

「ハヤトは子供っぽいなあ!自分だけはまともだと思っているんだね!」
「な、納得いかない!!」

「2人とも説教は終わっていませんわよ!」

 俺がダークフィールドに近づいて魔物狩りをした件で他の者がマネをしたらどうなるかを丁寧に説かれ、更に休むと言って不意打ちのようにレベル1の状態で一人ダンジョンに行った件も丁寧に説教された。そして俺がファルナの警告を何度無視したか、更に転生前の件も持ち出して俺のまずかった点を指摘された。

 言われてみればファルナの言う事を聞いていないような気もする。

「確かに悪い点はあるけど、セイコウコウボウと同レベルはひどいんじゃないか?」
「同レベルですわ」

「俺の言い分を聞いて」
「同レベルですわね」

「ちょ」
「同レベルですわね」


「……」
「……」

 何度言われても納得できない。
 俺はその日、納得できないまま就寝した。



【王国歴1000年春の月63日】 

 俺は午後になり、ダンジョンに向かう。
 
 今回は3人だ。

「この3人で組むのは初めてだねえ。ま、ハヤトのレベル上げなんだけど」
「セイコウコウボウ、今日は、無茶な訓練を、しない」

 セイコウコウボウとカムイだ。

「レベルだけなら、パーティーを組んでセイコウコウボウとカムイが戦うだけで上がるんだけどな」
「ハヤト、それでは、魂を、鍛えることは、出来ない」

「俺の考えだけど、苦しい状況に身を置いて戦う事で魂が磨かれる。そして魂は体を動かす能力だ。【魂】と【レベル】、この両輪で鍛える必要があるって感覚で合ってるか?」

「合っている」
「いいねえ。その通りだ!みんなそれが分からないんだよなあ。なんでだろ?あたりまえのことなんだけど」

「セイコウコウボウ、お前は、天才だからだ。普通、何度か死にかける経験をして、実感できる」

「お、それなら何度も危ない目に合って来たから経験済みだ」

「所で、今向かってるのって、ダンジョン2階のダークフィールドだよな?」
「そうだ、今回は、ダークフィールドに、入る」

「ファルナに怒られないか?」
「ハヤトが、怒られたのは、護衛無しで、危ない事をしたからだ」
「う、そうだな。その通りだ」


 俺はダークフィールドに入る前にステータスを開いた。


 ハヤト 男
 レベル:28
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:2
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:50
 魔力:30
 敏捷:80  
 技量:30 
 魅力:90  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV7・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(5/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)

 
 魅力を上げたのに昨日より体が疲れているし、弾数も不足している。
 やはりセイコウコウボウのスパルタ特訓はおかしかったんだ。

「訓練を、始める」

 俺達はダークフィールドに入った。



 レベルが上がり、カムイの指示は的確だった。
 セイコウコウボウは暇そうだったけど順調に訓練を終えた。

 この3人の中でカムイが1番大人だ。
 2番目が俺でセイコウコウボウは3番目だ。
 俺はセイコウコウボウよりは大人だと思う。

 ファルナは間違ってる。





 ハヤト 男
 レベル:33
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:50
 魔力:30
 敏捷:90  
 技量:30 
 魅力:130  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV10・シャドーLV0・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(0/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)

 


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