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第137話

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 囲まれる!
 逃げられないか!

 俺は集まって来るスピードラビットにハンドガンを撃った。

 パンパンパンパンパンパンパンパン!

『レベルが13から15に上がりました』

「回復弾丸!」

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!

『レベルが15から16に上がりました』


「全部使い切る!回復弾丸!」

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!

『レベルが16から17に上がりました』


 ハヤト 男
 レベル:17
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:2
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:50
 魔力:10
 敏捷:60  
 技量:10 
 魅力:40  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV7・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(0/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)

 スピードラビット対策の為敏捷と体力を上げた。
 もう、ハンドガンは使えない。

 迫り来るスピードラビットをカウンターで倒していく。
 中ボスのスピードラビットは何度も仲間を呼び続けた。

 ギャアアアアアアアア!

 ギャアアアアアアアア!

『レベルが17から18に上がりました』

『レベルが18から19に上がりました』

『レベルが19から20に上がりました』



「はあ、はあ、雑魚は倒した!」
 
 俺が中ボスに歩いて近づくと、前足を振り下ろして来た。

 カウンターで返し、通常攻撃の連撃を浴びせる。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

『レベルが20から22に上がりました』

「はあ、はあ、終わった、いや、すぐにアイテムを回収してダンジョンを出る」

 俺は息を切らしながらダンジョンの外に向かう。



 ダンジョンの外に出ると、ベンチに座り込み、一息つく。


 ハヤト 男
 レベル:22
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:50
 魔力:30
 敏捷:60  
 技量:30 
 魅力:50  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・リジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・刀LV10・カウンターLV10・ステップLV0・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:300 
 ハンドガン:100(0/10発) 
 ミリタリージャケット:200
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)


 魔力と技量を30に上げて残りは魅力に振った。
 今は、回復力を上げておきたい。
 次はステップを選んだけど、まだLV0だ。

 ハンドガンも回復弾丸も使い切ったけど、強化弾丸は使わずに倒せたか。
 使ったとしても技量が10だったから10秒しか強化されないんだけどな。

 しかし、特化しにくいスキルになっているよな。
 出来れば最低限の能力値を振ったら体力・敏捷・魅力に特化して振りたいところだけどそれが出来ないようになっている。
 魔力を上げないと回復弾丸の性能が落ちて武具の耐久力が不足する。
 技量を上げないと切り札の強化弾丸がすぐに効果切れになってしまう。

 ふと我に返ると学園生からちらちらと見られていた。
 これは、ファルナ母さんに怒られるか。

 
 俺はその後ファルナに怒られた。



【王国歴1000年春の月62日】 

 だるい。
 朝になり目は覚めるが、体が回復しきっていない。

 昨日はファルナに怒られ、学園の講義に出る事になった。
 

 講義室に入ると、いつものように左右にシルビアとエリスが座る。
 
 講師と共にセイコウコウボウが入ってきた。

 なん、だと!
 なんで学園生になっているんだ!

「新入生を紹介します。知っている人の方が多いと思いますが、セイコウコウボウ君、自己紹介をお願いします」

「セイコウコウボウだ。よろしくね!」

 そう言って俺の隣にいるシルビアの背中を掴んでネコのように避けて俺の隣に座る。

「やあ!」
「色々ツッコミどころがあるけど、どこから話せばいいか迷う」
「セイコウコウボウは帰るのです!邪魔なのです!」

 シルビアが叫んでセイコウコウボウを叩こうとするが、セイコウコウボウはシルビアを見ずにすべてをいなす。

「ほらそこ!今は講義中ですよ!」

「2人がうるさくするから僕まで怒られたよ」

「えええ!お前が言うのか!」
「セイコウコウボウが全部悪いのです!」

「ほらそこ!いい加減にしてくださいね!」

 セイコウコウボウはにやにやしながら楽しんでいた。
 教会にいる時より機嫌がいいな。



 講義が終わると、シルビアが口を開いた。

「なんでセイコウコウボウがいるのです!?邪魔なのです!」

 セイコウコウボウは悪戯をしたりからかったりするのが好きで女性陣に嫌われている。
 カムイのパーティーヒロインもセイコウコウボウが嫌いだ。

「色々聞きたいことがあるんだけど、教会所属じゃなかったのか?」
「やめたよ。戦士特化になって光魔法を使えなくなったからね」

「何でここに来たんだ?」
「楽しそうだったからね」
「セイコウコウボウって与えられた名前だよな?元の名前に戻さないのか?」
「面倒だろ?所で、レベルが下がった?」

 セイコウコウボウは俺のレベルが下がった事を見抜いた。

「その件は人がいない時に話をしよう」

 セイコウコウボウが手加減をして俺を殴る。
 そこまでいたくはないけど、こいつのこういう所が怖いんだ。

「結界も消えたのかー。レベルは、20とか30ってとこかな」
「やめてくれないか?」

「秘密かーでも、簡単だ。すぐ強くなれば大丈夫。僕が強くしてあげよう」

 俺はだらだらと汗を掻く。
 記憶が無くなるまでスパルタ特訓を受けた記憶がフラッシュバックする。
 あれはトラウマだ。

「ソウルスキルを覚える為にはレベルを上げるのが早い。大丈夫、すぐにあげてあげるから。ハヤトならレベル50を超えれば覚える気がするよ」
「食事がまだだ。それにまだ本調子じゃない」

 レベルを早く上げるのは良いけどこいつのスパルタ特訓でレベル上げをするのはごめんだ。

「食事に行こうか。食べながら話をしよう」
「話を聞けって!」

 俺は首根っこを掴まれて食事に向かう。

 セイコウコウボウは嫌がるシルビアに「食べないから小さいんだよ」と言って口に食べ物を詰め込み笑い、エリスはセイコウコウボウと距離を取るように座って食事を摂っていた。
 俺が何度止めても言う事を聞かず、落ち着かない食事が終わった。

 前に強制クエストを言いに来た女性兵士が俺に寄ってきた。

「ハヤトさん、また強制クエストです」
「また?」
「理由を聞きます?聞いちゃいます?」

「いや、なんとなく分かるからいい」
「次はシルビアさんと一緒にリザードマン狩りです。今日と明日は絶対にシルビアさんと一緒に討伐に行ってくださいね」

「僕がハヤトを育ててあげるよ」
「わ、私がやるからいいのです」

「シルビア、教会にいた時おねしょをして」
「や、やめるのです!セイコウコウボウは黙るのです!」

「シルビア、僕はハヤトと一緒に2日間レベル上げをしたいけど、おとなしく引き下がるなら黙っていてあげよう。シルビアは他に2つほど事件を起こしていたけど、ハヤト聞かれたくないだろ?どう答えればいいか分かるよね?」

 セイコウコウボウはシルビアをからかって遊ぶようににやにやと企んだような笑みを浮かべる。

 シルビアがダラダラと汗を掻いて「今回は、やめておくのです」と言った。

「シルビア、それは僕に任せてくれると、そういう意味だよね?」
「そうなのですぅ、くうう~~!」

 シルビアは汗を掻きながら悔しそうにセイコウコウボウを睨んだ。
 同じ教会に所属していたから、お互いに知った仲なのだろう。

「これでハヤトのソウルスキル取得が出来るよ」

「え?ハヤトさんはもうソウルスキルを使えますよね?」

 女性兵士が言った。

「使えないぞ?」
「でも、4種の獣が攻めて来た時に、目が青く光って、絶対に避けられないような攻撃を避けて、普通じゃない動きをしていましたよ?」

 セイコウコウボウが口角を釣り上げた。

「その話、詳しく話すんだ」

 女性兵士の話によると、4種の大ボスと闘う途中で、俺の眼が青く光り、ありえないような動きで攻撃を避けるようになったらしい。
 目が光る前から俺の動きは凄かったけど、目が青く光ってからは、更に動きが捕らえられなくなったらしい。

「で、バーンって10メートルくらいあるアタックボアが倒れたんです。あれは絶対にソウルスキルですよ」
「俺は、ソウルスキルを使えないんだ」

 ただ、俺の中の燃える何かが、大きく燃えて俺の体に広がり、俺と動かしているような感覚はあった。
 
 セイコウコウボウが独り言のように言った。

「条件を超えて、ソウルスキルが表に出て来たか?ならレベルさえ上げれば」

 そう言ってセイコウコウボウは俺を見て口角を釣り上げ不気味に笑った。
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