NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ

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第133話

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 アサシンギルドのボス、ファングはフードを被って教会の中に入った。
 そして懺悔室に入ると、そこから別室に移動する。

 まったく、手間がかかって面倒だ。
 だが、デブはここまでしないと安心しない。
 
 教会ギルド長候補がアサシンギルドの俺とこそこそ隠れて会うとは、教会は腐っている。
 俺のようにアサシンギルドとして活動する方がよっぽどまともじゃないか?

 個室で待つと、デブが部屋に入って来る。

 俺は裏でデブと呼んでいるが、表では本名のデーブと呼ぶようにしている。
 怒らせると厄介だからな。
 デーブは左手に油で揚げたチキンが入った容器を持ち、右手と口を汚しながらむしゃむしゃとチキンを食べつつ部屋に入って来る。
 デーブは俺の対面に座り、そこには手や口を拭く為の湿った布と、数種類の飲物が置かれていた。
 俺の席には何も置かれていない。

 デーブは中年の男だが太っており、顔を見ると冷酷さと傲慢さを併せ持ったような顔をしていて、教会関係者とは思えない。

 末端の者はいかにも聖職者と思えるような顔をしているが、地位が上に行けば行くほどデーブと同じような顔になっていく。

 デーブは俺の事を気にせずチキンを貪る。
 ち、早くしろよ!
 俺は待たされるのが嫌いだ。

「デーブ、時間がかかるなら出直すぜ」
「まはぬか」

「何言ってるか分からねーよ」
「またんか、まったく、最近の若いもんは気が短くていかん」

 最近の若いもんは、か。
 こいつに『うるせえよ老害が!』と言えば怒るだろうな。

「それで?何の用だ?」
「今、盗賊ギルドが国に狙われている」

「どの盗賊ギルドだ?」

 盗賊ギルドはいくつかあり、俺のいるアサシンギルドとやっている事は変わらねえ。
 今は5つのギルドがお互いを飲み込み、力をつけようとしている。

「ダークの所だ」
「ダークか、そこそこでけえじゃねえか」

「うむ、今そこを取り込むのはやめておけ。今国は、斥候を使って調べているだけの状態だがそれが終われば奇襲されるかもしれん」

 今国は魔物を狩っている。
 だが、じきにダークの所は危なくなるか。

「分かった」

 俺は席を立つ。

「待て!まったく、最近お若いもんは、まだ話は終わっていない」
「なんだ?」
「教会ギルド長候補の暗殺だ。後1人倒せば我がギルド長だ」

「最後は難しいぜ。暗殺を警戒され、俺のギルドが目を付けられ始めた」

「ふん、そろそろ潮時か。ファングよ。我ら光と闇のアサシンギルドが組めば、この国の覇権を取ることは容易い。前のようにヒメを狙うのはやめておけ。時期を待てばいくらでも女で楽しめる」

「ち、分かっている。しつこいぜ」
「話は終わりだ」

 俺は部屋を出た。



【デーブ視点】

 くっくっく、駒として使われている事も分からんか、これだから学の無い者は使いやすい。
 我が教会ギルド長となり、覇権を取った暁には、ゴミであるアサシンギルドはぼろ雑巾のように使いつぶしてやろう。

 権力も、財産も、女もすべて我のものだ!




【ファング視点】

 ふ、俺を使いつぶそうと思ってやがるんだろうな。
 ブタ野郎が。
 思い通りになると思うなよ。

 俺はギルド長候補を何人も暗殺し、レベルも100を超えている。
 そこらへんにいるゴロツキと一緒にしてんじゃねーぞ!

 あの部屋でデーブの首をハネてやることも出来た。
 だが安心しろ。
 まだ殺さねえ。
 もっと金を手に入れて、俺達は最強の武装集団として裏で力をつけ続け、更に他の盗賊ギルドを飲み込んで更に力をつける。

 デーブが気付いた時には手遅れだ。
 奴は時代の変わり目が読めてねえ。

 ステータスの法則が変わって、【短剣】と【闇魔導士】は大幅に強化されている。
 実戦に出ていないブタにはそれが分からねえんだろう。

 しかも内輪もめでどんどん教会を抜ける奴が出てやがる。
 デーブのように権力争いをしている奴らは自分がてっぺんに上る方にしか目が行かねえ。

 そのせいで教会の力はがた落ちだ。
 力を持っていた教会は衰退し、裏では俺が力をつけて教会とアサシンギルドの力関係は逆転しつつあるんだよ馬鹿が!



 ヒメは俺が貰う。
 そして、デーブは俺が自ら殺してやるよ。

 もう少しだ。
 もう少しですべてを頂く。

 デーブが命乞いをする姿が目に浮かぶぜ。

 
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