上 下
124 / 179

第124話

しおりを挟む
 休日は寝て起きて食事を摂り、カートリッジの紋章をで魔力弾丸を作って過ごした。
 最近みんなは新兵教育の為に皆休日でも働いている。
 ヒメも駆り出されて働いているらしい。

 皆と少しでも話をしようと思っていたけど、うまくいかないもんだな。


 ……そうだ、カムイと話をしてみよう。

 俺はカムイの部屋に向かった。

 コンコン!

「空いている」

 入ると、魔女ヒロインと忍者ヒロインがカムイの腕に絡みついていた。

「あ、すまない。大した用は無いから帰る」

 俺は扉を閉めた。

 カムイが部屋から出てくる。

「気を、使わなくていい。丁度俺も、話をしたいと、思っていた」
「そうか、最近魔物狩りはどうなんだ?」

「今、エクスファックを狩っている」

 おう、先に進んでいるな。
 今エクスファックと闘えば、俺は勝てないだろう。

「まだまだ道は険しいようだな。いつそうなれるか分からない」
「今新兵の訓練が落ち着き、トレインクエストを、行う事になっている。出発は、明日だ」

「あー、ホバークラフトみたいに浮く列車に乗って国の周りを移動して魔物をおびき寄せて一網打尽にする奴か」

 魔女ヒロインがフェロモンポーションを被って外に出て魔物をおびき寄せるんだったな。
 カムイたちエースは先の危機を潰そうとしている。

「そうだ、やはり、知っているのか」
「ああ、さっき隣に居た魔導士がフェロモンポーションを被るんだろ」
「……知っているのか」

 自分たちのエロシーンとかがゲームとして発売されてるって知ったら嫌だよな。

「ハヤトは、どういうクエストを、受けていたんだ?」

 露骨に話を逸らした!

「俺は、ガードスライムを狩って、アサシンゴブリンを狩って、ガードオークの野営地を潰していた」
「ダンジョンの外でも、大活躍している」
「大きなことは何も出来ていない」

 俺が進めているのは低ランクのクエストだ。

「どのクエストも、大事だ。放置すれば、魔物が、成長してしまう」

 カムイは気を使っているんだろう。
 でも、低ランククエでも、やらないよりはやった方がマシだとは思う。

「話は変わるけど今、魔導士が多すぎて、魔物がそれを対策するように進化している気がする」
「俺も、そう思う。新兵も、魔導士が、多いらしい。それに、教会も、魔導士が多い」

「教会は元々魔導士が多いけど、そういえばギルド長を決める件ってどうなったんだ?」
「4人居る候補の中で、1人は暗殺され、敗者復活戦の方法で、揉めている」

 教会ギルド長か。
 候補者は全員癖が強くて一筋縄じゃ行かないように見えた。
 暗殺は普通にするし、次の勝負方法でも揉める。
 こうやって内輪もめしている内に魔物狩りが遅れ皆が不幸になっていく。

「ん?エクスファックはいないから魔物狩りとかでいいんじゃないか?なんで揉めるのか分からない」
「ファルナは、盗賊ギルドと、暗殺ギルドの取り締まりも、得点に入れたいと、言っているが、教会側は、反対している」

「あー。もしかして、盗賊ギルドを潰そうとして、ミスって犯罪者じゃない人間が死んだら教会の評判が落ちるから、リスクを取りたくないのか?」
「そうだと、思う」

「一番力を持っている教会が動かないで、ファルナ側が動くとなれば被害が多くなる。そして、ミスがあれば執拗に責めたてて来そうだな。自分では責任を取らずに人のミスを責めるのが教会だ」
「何か、良い手は無いか?盗賊ギルドや、暗殺ギルドは、襲撃をかけたが、多くの者に逃げられた」

「教会側は、自分が損をする事はひたすら避けて、人のせいにするからなあ。俺ならバレないように教会の資産がある場所の情報を盗賊ギルドや暗殺ギルドに流して教会と犯罪者を敵対させるけど、ファルナが認めないだろうな」

「そうだな」
「なら、こっちで盗賊ギルドや暗殺ギルドと対応する事になる。
 犯罪者は治安維持の兵がいなくなれば暴れ出すと思う。
 偽情報を流して犯罪を起こさせた瞬間に奇襲をかけるのが効果的だと思うけど、引っかかってくれるか分からないし、犠牲者が出るかもしれない」

「倒すには、リスクが、必要か」
「そうなる、ファルナもそれが分かっているから、魔物を優先して狩っているんだろう。大分話がそれてしまったな。明日はトレインクエストだろう?ゆっくり休んでくれ」

「まだ、話は出来る」
「カムイがゆっくり休めず何かあったらと考えてしまう。俺が落ち着かないんだ」
「そうか、また、後で話をしよう」

 俺はカムイと別れた。
 明日は学園の登校日だけど、強い者はトレインクエストに参加する。
 俺は最近ダンジョンではなく、下水や国の外で魔物を狩って思ったことがある。
 国周辺は、魔物の勢いが増している。
 ゲームの時より明らかに魔物が多いのだ。

 カムイがトレインクエストに行くのはそう言った理由もあるんだろう。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...