NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ

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第85話

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 アサヒは開始と同時に武器をしまった。
 やると思った!
 素手になった勇者がやる事は1つだ。

「ブレイブボム!」

 広範囲の爆発を避けきれず、俺は態勢を崩した。

「無様だね!これで終わりだと思わない方がいいよ!ブレイブクロス!」

 俺は態勢を立て直しつつ、十字に飛んでくる斬撃を避けようとして太ももを浅く切った。
 太ももから血が出る。

「ブレイブショット!はははははははは!逃げ回る事しか出来ていないじゃないか!僕に近づく事さえ出来ない!」

 アサヒの両手から魔法弾が連射される。
 1発の威力は強くないが、連射性能が高い。
 俺はアサヒのブレイブショットを10発以上浴びた。
 致命傷にはならないが、小さく傷を負い、血が出てくる。

 俺は3つのブレイブアーツが放たれた瞬間にアサヒに近づく。

「ファイア!ファイア!!」

 アサヒは焦ってファイアを2連射するが全て避けた。
 中距離に近づき、アサヒが双剣を出現させた瞬間に俺はスキルを使う。

「三日月!斬月!」

 アサヒを十字に切り裂く。
 そしていつものように通常攻撃の連撃を食らわせ、アサヒの攻撃はカウンターで返す。

「ぎゃあああああ!ぎ!ギブアップだあああ!」
「……はあ?」
「ハヤト!やめるのですわ!この試合はアサヒがギブアップしましたわ!命をかけた決闘のルールを破ったアルナ側の落ち度ですのよ!この決闘は無効ですわああああ!!!」

 そういう事か!
 この闘いは試合ではなく命をかけた決闘だ。
 殺し合いの勝ち抜き戦でギブアップは無い。
 俺はすぐにマジックポーションを飲んだ。

 アルナが叫ぶ。

「ホースパワー!アサヒを殺しなさあああい!決闘は続行よおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 アルナの声に恐怖と狂気を感じた。

「うあああああああああああ!!!!」

 アサヒが逃げる。
 アサヒの逃げる能力が高い。
 逃げる経路の選び方が天才的だ。

 ブレイブアーツをぶっ放して逃げるなら、アサヒは侮れない力を持っている。
 ゲームと違ってこの世界は奇襲して逃げてもいいんだ。

 アサヒの奇襲と逃げのプレイヤースキルは高い。

 アサヒはここぞという時になるまで隠れている。
 人が嫌がるタイミングで出て来て、万全の状態でブレイブアーツを放つ。
 そして斥候スキルだけじゃなく、回復魔法や双剣、攻撃魔法などを巧みに使って逃げ切る。

 アサヒと勇者のジョブはハマっているのかもしれない。
 勇者というより殺し屋とかシーフみたいな戦闘スタイルだな。

 でも、ブレイブアーツのクールタイム1時間は俺ならごめんだ。

「アサヒが逃げましたわ!この決闘は不成立ですのよ!!」

 ファルナも大声を出した。

 セイコウコウボウがリングに飛び出す。

「アルナあ、つまらないことしてくれたねえ!どうすんだよ殺すぞ!」

 バトルマニアのセイコウコウボウが決闘を中断されたら怒るよな。

「今からアサヒの首を持ってホースパワーが戻ってくるわあ!続行よお!」

「ふ~ん、ま、2回戦目は続行するよ。所でハヤト、疲れたかい?」
「疲れて血が出ている」
「うんうん、そうかそうか。審判、ハヤトの後ろに強い選手はいるのかな?」

「いえ、ハヤトが最強戦力です!2番目に強いアオイはケガでまともに戦えないでしょう。戦えたとしても4昇天に対抗できません!」
「分かったよ」

 セイコウコウボウがジャンプして観客席に戻る。
 だが、着地の時に席を蹴って壊していた。

 セイコウコウボウがまだ怒っているぞ。
 アルナを殺してくれないかな?

「アルナ!!次の選手ううううううう!出せえええええ!!」

 セイコウコウボウが叫んだ。

「フィンガークエイク!行きなさあい!」

 フィンガークエイクが前に出た。
 アルナ4昇天は全員格闘家の男だ。
 こいつはスティンガーより強い。
 エクスファックやダミーファック戦の動きを見てそれを確信した。

「それでは位置について構えろ!」
「おっと、その前にハヤト、お前のその肩の後ろにしがみついているそれは何だ?」
「これは俺の固有スキルのきゅうだ。気になるなら消す」

「いや、それならいい。おいらの事を舐めてかかるなら、なぶり殺しにしようと思ってたんだよ」
「まさか、全力で後先考えずに行くに決まっているだろ」

「殺し甲斐がありそうだ。必死な目がいい。もっともおいらは女と相手をしたかった」
「俺はお前と闘いたくない!」

「審判、おいらの用は終わった」

「それでは決闘開始!」

 普通では駄目だ。

「デスモード!」

 普通では追い付けない!

「カースウォー!」

 狂気が必要だ。

「魔眼開放!月光!」

 俺は飛び込む。
 時間の流れが遅くなっていく。
 目に見える景色が白黒に変わる。
 俺はフィンガークエイクを殺す者になりきる。

 最初に三日月と斬月を使う戦法は読まれている。
 俺は、三日月を使うと見せかけて、間合いをそのまま詰める。
 更に、間合いに入る寸前まで意図的に近づく速度を押さえ、間合いに入る瞬間に一気に全力で動いて攻撃する。

 フィンガークエイクの攻撃を縫うように横なぎの攻撃を食らわせた事で敵が硬直した。
 今ならアーツを当てられる!
 
「三日月!斬月!」

 フィンガークエイクが十字の傷を受けて逃げるように後ろに飛んだ。
 逃がしたら俺は死ぬ。
 デスモードが解けたら俺は死ぬ。

 更に時間が遅くなる。
 フィンガークエイクとその周りの景色以外目に映らなくなった。

「ごおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 俺の雄たけびで空気の振動が大地に伝わる。

 斬るたびに反動で骨がきしむ。

 斬るたびに空気が震えるように振動した。

 体に負担がかかる。
 デスモードを一日に3回も使うのは良くないのだろう。
 だが、死にたくない!

 俺は全力でフィンガークエイクを何度も斬りつけた。

『レベルが10から30に上がりました』

 フィンガークエイクが倒れ、動かなくなる。

 俺はすぐにマジックポーションを飲んだ。
 頭痛が酷くなってきた。

 手が震えてくる。

 体が熱い。



 すぐにステータスを開いてスキルを振った。


 ハヤト 男
 レベル:30
 固有スキル きゅう:LV10
 ジョブ:黒魔導士
 体力:100+100  
 魔力:1+250 
 敏捷:100+350  
 技量:99+100  
 魅力:0+100 
 名声:0+100  
 スキル・闇魔法:LV10・刀剣術:LV10・聖魔法:LV10・斥候術:LV10・超人体:LV10・ステップ:LV10・カウンター:LV10・★魔眼:LV10・★スケルトンパレード:LV10・★デスモード:LV10
 武器 輪廻の刀:400 ・防具 輪廻の衣:300
 斥候の紋章 ・耐性の紋章
 
 

 MPは完全回復できるかどうかわからない。
 俺はそれ以外の体力・敏捷・技量に振った。

 能力値の差を100を超えて伸ばすことは出来ない。
 そういう仕組みだ。
 能力値を100を超えて伸ばすには魅力と名声を上げる必要がある。
 でも、今はその段階ではない。

 やはりイベントボスのダミーファックは経験値が少なかったか。
 4昇天の方が経験値が多い。

 周りの景色が色を取り戻し、時間がいつもと同じように流れ出す。

 集中力が、途切れてきた。

 静寂の後、歓声が聞こえた。
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