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第83話

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 リングの中央に封印球を置いてもらい、周りから囲むように騎士団で包囲した。

 そして、輪の中に三角形にエースが取り囲む。

 俺

 アオイ

 そしてファルナ・トレイン娘・エリス・ヒメ・シスターちゃん。

 この3つが三角形を作るように封印球を取り囲んだ。

 今回もアオイやファルナと話し合って決めた配置だ。
 エクスファックはステップは踏むけど、有利な位置に移動しない特徴がある。
 アオイの負担が大きい問題点はあるが、ファルナのグループからヒメをアオイと組ませようとしたらアオイが反対した。

『ファルナのパーティーから1人でも抜いたら回復役のシスターちゃんとヒメが狙われた場合対処できなくなるわ。他の者が体を張って2人を守りなさい』

 アオイの言葉を思い出す。
 アオイは、変わり始めているのか?

 ゲームでのバーティー戦のゴリ押し戦術だけど、包囲出来る内は包囲して攻撃する。

 封印球からエクスファックが現れる。

「くっくっく!我の封印を破るとは愚かな」
「月光!三日月!斬月!」

 俺は不意打ちをするようにエクスファックに攻撃を仕掛けた。
 アーツと通常攻撃のラッシュを食らわせる。

「貴様!聞けえええええええい!」

「ソニックタイム!ロングスティング!ショートスティング!」

 エクスファックの意識が俺を向いた瞬間にアオイが死角から攻撃する。

「舐めるなあああああ!!」

 エクスファックが鞭攻撃を繰り出す。
 アオイは後ろにステップを踏んで下がり、俺はカウンターで鞭を打ち落とすように攻撃した。

 エクスファックが俺を警戒して距離を取った瞬間にエリスとヒメが動く。

「紋章銃!」

 エリスが太ももを上げて、外太ももの紋章に手をかざすと銃が出現する。
 エリスが銃を乱射する。

「いけ!スライムたち!」

 エリスの銃が消える瞬間に入れ替わるようにスライム10体がエクスファックを攻撃する。

 この数秒の隙でポーションを飲んだり、クールタイムを回復出来る。
 俺達は、常にエクスファックを囲むように攻撃を続けた。
 エクスファックの攻撃のターゲットはエースに絞られていた。

 俺がたくさんダメージを与えて、インフィニティウィップとインフィニティウイップ改を俺に使わせる作戦でもある。

 エクスファックから黒いオーラが発生する。
 HPが半分になり、攻撃パターンが変わった。

「男は死ね!インフィニティウィップ!」

 俺を狙ってくれて助かる!

 ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!

 俺はインフィニティウィップをすべてカウンターで返した。

「インフィニティウィップ改!」

  ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!

 これもすべてカウンターで返す。

「やはり効かんか」

 エクスファックの言葉に試すようなニュアンスを感じた。
 俺を分析しているのか?
 いや、今は全力で倒すだけだ!

 エクスファックは俺の連撃に押されていた。
 そして気を抜けばアオイや他の者の攻撃を受けるのだ。

 だが、エクスファックは急にアオイの方を向く。

「インフィニティウィップ改!」

 アオイがターゲットにされた!
 アオイはアーツをカウンターやステップでしのぐが、途中から鞭で攻撃を受けるようになり、消耗していった。
 
「こっちを向け!」
 
 エクスファックは俺の言葉を無視してアオイを集中攻撃する。
 俺はエクスファックに切り札を使った。

「デスモード!カースウォー!月光!魔眼開放!」

 俺の体を光と闇のオーラが混ざり合うように覆った。

「三日月!斬月!」

 後ろからエクスファックを攻撃した。
 だがエクスファックは俺に攻撃を受けながら俺を無視してアオイを狙い続けた。

 俺は何度も通常攻撃を繰り出す。
 それでもエクスファックは俺に斬られながら無視してアオイを攻撃し続けた。
 
「三日月!斬月!」
「インフィニティウィップ!」

 俺はエクスファックを攻撃する。
 エクスファックはアオイを攻撃する。

『月光の効果が切れました』

 アオイは後ろから回復支援を受けるが、回復が間に合わない。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 俺はデスモードで強化されたカースウォーでエクスファックを攻撃し続けた。

『デスモードの効果が切れました。呪いLV5を受けました』
『カースウォーの効果が切れました』

 俺の攻撃力と防御力、速度が180%から50%に減少する。
 あと少しなんだ!
 倒れてくれ!

 エクスファックの横からファルナとトレイン娘、エリスとヒメのスライムが総攻撃を仕掛けた。

 シスターちゃんが俺を回復する。

「リカバリー!リカバリー!リカバリー!リカバリー!」

 トレイン娘が死角からエクスファックを攻撃する。
 エクスファックが倒れ、アオイも倒れた。

「シスターちゃん!ヒメ!すぐにアオイを回復してくれ!」

 2人がアオイに駆け寄る。

「アオイは無事なのです!でも、血を流しすぎて絶対安静なのです!」
「分かった」

「は、ハヤトさん!私、私がエクスファックを倒してしまって!」
「トレイン娘、気にしないでくれ!あの判断は良かった!むしろよくやってくれた!」

「ねえ!早くどきなさいよ!ねえ!」

 アルナが大声を出す。
 俺達はリングから観客席に戻る。

 今回の戦いで騎士団の多くは無傷だった。
 でもエースは全員疲弊した。
 特に、アオイは意識を失っている。

 元々アオイにだけ負担がかかる陣形だったのだ。
 でも、3方向から包囲する作戦に決めた。

 アサヒを見ると、また観客席にいた。
 リングに上がらない!
 間違いない!
 何かしてくる気だ!

 俺は、アサヒをエクスファック戦に備えて温存している可能性も考えた。
 でも違う。

 アサヒは、いや、アルナは何を考えているんだ?

「ファルナ、アサヒが出てこない。アルナが何を考えているか分かるか?」
「分かりませんが、この後のうさぎ亭の奇襲や、こちらのエースの襲撃、色々ありすぎて絞れませんわ」

 俺はすぐに魔力ポーションを飲んだ。
 少し、頭痛がする。
 魔力ポーションの飲みすぎだ。

 アオイは目を覚ましたが、今日は戦えない。
 アルナ、アサヒ、何を考えている?

 アルナの騎士団とエクスファックの戦いが始まるが、アルナはエクスファックではなくこちらを見て不気味な笑みを浮かべていた。
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