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第82話

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 俺はすぐに能力値を振った。
 やっとステータスポイントを手に入れられる。



 ハヤト 男
 レベル:10 【UP!】
 固有スキル きゅう:LV10 【UP!】
 ジョブ:黒魔導士
 体力:1+100  
 魔力:1+250 
 敏捷:97+350 【UP!】
 技量:1+100  
 魅力:0+100 
 名声:0+100  
 スキル・闇魔法:LV10・刀剣術:LV10・聖魔法:LV10・斥候術:LV10・超人体:LV10・ステップ:LV10・カウンター:LV10・★魔眼:LV10・★スケルトンパレード:LV10・★デスモード:LV10
 武器 輪廻の刀:400 ・防具 輪廻の衣:300 
 斥候の紋章 ・耐性の紋章



 最初はすぐにレベルが上がる。
 多分、今の戦いはイベント戦の敵だから思ったより経験値が手に入らなかった。
 レベルアップは控えめか。

「寝転がっていないですぐにどきなさあい!」

 アルナが怒るように言った。
 俺は無視してファルナに言った。

「犠牲者はいるか?」
「犠牲者はいませんわ」
「良かった」

 トレイン娘が俺を背負って観客席に運ぶ。
 アルナの機嫌が悪いのは犠牲が出なかったからだろう。

「すまない。助かった」
「いいんですよ!マジックポーションです」
「助かる」

 俺はマジックポーションを飲んだ。
 皆も観客席に移動して座って休む。

 ファルナは皆への指示が終わると俺の隣に座った。
 リングにアルナや4昇天達が入っていくが、アサヒが動かない。
 俺は胸騒ぎがした。

「助かりましたわ」
「うまくいって良かった。所で、次のエクスファック戦だけど、それも俺が倒したい」

「レベルを上げられるようになった、という事ですわね?」

 ファルナが俺に耳打ちした。

「そうだ、今レベル10だ」
「分かりましたわ。ですが、疲れていますわね」
「終わったら眠る」
「分かりましたわ」

 俺とファルナが話をしている内にアルナとその騎士団が前に出た。
 4昇天とアルナがリングに立つが、アサヒはリングに入らず、観客席で見ていた。

 やはり……おかしい。
 なぜアサヒが入らない?
 アサヒのレベルは高い。
 普通ならブレイブアーツ抜きだとしてもリングに入れる。

 嫌な予感がする。

「ファルナ、エクスファックだけど、俺が絶対に倒したい。アルナに不穏な動きがある。アサヒがリングに入らず観客席にいるのはおかしい。今のアサヒのレベルはアオイより高いぞ」

 俺はファルナに耳打ちした。

「分かりましたわ。注意するよう伝えますわ」

 ファルナが動いた。
 さて、アルナの部隊が対峙する封印球が割れて、ダミーファック20体が現れた。
 これがハンデか。

 ファルナ騎士団の時は10体だったけど、アルナは20体のダミーファックと闘うか。

 騎士団に突撃させて、後ろから4昇天が孤立したダミーファックを倒していく。

 4昇天が強い。
 俺はダミーファックを5体倒したけど、4昇天が3~6体を1人で倒していた。
 俺は闇魔法で身を削って全力で5体倒したけど、4昇天の動きには余裕がある。
 団員をおとりにしている分を差し引いて考えても、奴らは強い。



 アルナ騎士団は20名ほどダミーファック戦で死んだけど、アルナは何も気にしていないどころか、人が苦しそうにしているのを嬉しそうに笑って眺め、自分は動かない。

 アルナは4昇天より強いけど、団員が死んでも気にしないのか。
 ゲームの性格と何も変わらない。
 今は人を駒のように使わなくていい状況なのに、まるで使い捨ての部品のように人を使っている。

 ダミーファックを倒すと、すぐにリングから出る。

「ねえ、次はあなたの番よ!」

 ファルナの顔が曇った。
 当然だ。
 皆さっき戦ったばかりだ。

 皆疲れている。
 連戦は避けたいのだ。

 教会騎士団の男が近づいてくる。

「すこし休憩とする」
「ねえ!どういう事よ!答えなさいよ!ねえ!」

 アルナの性格のせいだよ。

「今結界を張る者が疲れている。休ませる」
「余裕じゃない!すぐ始めなさいよ!」
「何かあってからでは遅い。結界を万全に張れるよう回復してから始める」

 アルナと教会騎士団はしばらく揉めていた。
 俺は横になって休んだ。

「ねえ!あなたなに休んでるのよ!」

 俺は無視して休んだ。
 俺はアルナに完全にマークされている。

 だが、教会騎士団から見れば、今最も注意しているのはアルナだろう。
 教会騎士団にとってアルナとファルナのどちらが王になった方がやりやすいか?
 ファルナの方がやりやすいだろう。
 
 そして、アルナとファルナの力関係で見るとアルナが強すぎる。
 教会騎士団にとって、アルナの戦力を削いだ方が組織として有利だ。

 決してファルナを助ける為にやっているのではなく、アルナの抵抗勢力としてファルナの力を温存したいのだ。

 20分ほど休んでから、俺達はリングに上がった。

 アルナを見ると、誰かが死ぬ事や追い詰められる事を期待したように邪悪な笑みを浮かべていた。

まだ


 
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