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第78話
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【アサヒ視点】
4王女が闘技場でエクスファック戦を繰り広げた後の出来事になる。
僕はアルナの元を訪れた。
アルナは僕を招き入れ、丁重にもてなされた。
当然の対応だ。
僕は勇者だ。
ファルナと違ってアルナは礼儀を分かっているようだ。
僕を騎士団に入れれば、僕の素晴らしい能力で僕の力を見せつけることが出来る。
僕はコーヒーを優雅に飲みつつアルナを待った。
少し遅れてアルナが部屋に入って来る。
「待たせて悪かったわあ。貴方の能力の資料を見ていたのよお」
「僕の力を分かって貰えたかい?」
「ええ、よく分かったわああ」
くっくっく、そうだろう。
僕の能力を見れば、僕を欲しがるに違いない。
「確認するわあ。ブレイブアーツのクールタイムは24時間で、消費魔力無しで使えるのよねえ?」
「そうねるね。僕だけが使える強力なアーツだよ」
「そうねえ。今日の夜から4昇天と一緒にダンジョンに行って欲しいの。そして明後日は闘技場で試練を一緒に受けてもらうわあ」
「それが採用試験って事かい?」
「いいえ、明後日まで生き残ればいいわ。もう採用よお。でも、ブレイブアーツは闘技場で私の指示に従って使って欲しいのよ。明後日の闘技場では絶対にブレイブアーツを使える状態にして欲しいのよお」
「僕は闘技場での切り札って事かい?」
「う~ん、そうなるわねえ」
思った通りだ。
僕は勇者だ。
僕を採用するのが当然だ。
ファルナと違ってアルナは頭が柔らかいようだね。
「そうだわあ。闘技場での試練の内容は渡しておくわあ」
「助かるよ」
「私は用事があるから失礼するわねえ。今日の夜までゆっくり休みなさあい」
アルナが出て行く。
資料を見ると、エクスファックか、僕のブレイブアーツで追い詰めた相手、レベルが上がった今なら余裕で倒せるだろう。
そしてエクスファックの下位互換のダミーファック、僕はエクスファックを超える力を持っているんだ。
余裕で倒せるね。
今はコーヒーを楽しもう。
【アルナ視点】
夜になり、4昇天を呼び出す。
「今からアサヒとダンジョンに向かってもらうわあ。アサヒの危険を損ねないように5人でパーティーを組んでアサヒのレベルを上げないさあい」
4昇天の一人が手を上げた。
「アルナ様のお考えを宜しければ聞かせて頂きたいのです」
「そうねえ、アサヒは闘技場で捨て駒にするわあ。もうすぐ転移者の代償が起きるわあ。それまでに有効に使うのよお。
私も4昇天もレベルが上がりにくくなったわよねえ?
だから、捨て駒のレベルを上げて有効活用するわあ」
「分かりました。アサヒをおだてて、闘技場までに仕上げます」
「くっくっく、死ぬ前に気持ちよくもてなして、死んでもらいます」
「そうよお。それでいいわあ」
4昇天は上機嫌でアサヒをもてなしつつダンジョンに向かった。
「アサヒねえ。ブレイブアーツの強襲だけが取り柄の器用貧乏、死ぬ前に私の為に働けて良かったわねえ」
アルナは口角を釣り上げて5人を見送った。
アルナの言葉は、まるですでに死んだ者への言葉のようだった。
【アサヒ視点】
僕はダンジョンの9階にいる。
4昇天は僕に丁寧に、そして笑顔で接した。
「アサヒ殿は大事なお客人です!魔物狩りは我らにお任せを!アサヒ殿は動かず、レベルだけを上げて欲しいのです」
「うむ、ご苦労だね」
4昇天がダミーファックを殴って倒す。
どんどんレベルが上がる。
「この階はダミーファックが多いのです!アサヒ殿が戦えば体が汚れてしまいます。ダミーファック狩りは我らにお任せを!」
「助かるよ」
4昇天がダミーファックを蹴り倒した。
また僕のレベルが上がった。
「アサヒ殿、仮眠をお取りください!アサヒ殿は闘技場での切り札です。何かあってはいけません!」
「僕は休ませてもらうよ」
寝て起きたらまたレベルが上がっていた。
『レベルが100になりました。勇者スキルのLVが10になりました』
「ははははははははははははは!」
僕は笑った。
簡単にレベル100を超えた!
勇者のLVがカンストした!
能力値が上がり、スキルを強化し、更に勇者の真の力すら解放した!
このペースだとさらにレベルが上がる!
僕は闘技場の試練の前までダンジョンの9階で過ごした。
闘技場の試練の前日の夜中に僕は帰還した。
夜中でもアルナが笑顔で出迎える。
「あらあら、お疲れ様だったわねえ。明日の闘技場の試練までゆっくり休みなさあい。それと、アサヒ用の新しい武具の紋章よ。私のコレクションの貴重な品でもあるわあ」
僕はすぐに紋章装備を張り替えてもらった。
僕は最強の装備を手に入れた!
勇者の真の力も解放した!
負ける気がしないよ!
僕最高級の食事、そして風呂を用意されて、豪華なベッドに横になる。
これが本当の僕の生活だよ。
明日の朝が楽しみだ。
僕の大活躍が始まるんだからね。
4王女が闘技場でエクスファック戦を繰り広げた後の出来事になる。
僕はアルナの元を訪れた。
アルナは僕を招き入れ、丁重にもてなされた。
当然の対応だ。
僕は勇者だ。
ファルナと違ってアルナは礼儀を分かっているようだ。
僕を騎士団に入れれば、僕の素晴らしい能力で僕の力を見せつけることが出来る。
僕はコーヒーを優雅に飲みつつアルナを待った。
少し遅れてアルナが部屋に入って来る。
「待たせて悪かったわあ。貴方の能力の資料を見ていたのよお」
「僕の力を分かって貰えたかい?」
「ええ、よく分かったわああ」
くっくっく、そうだろう。
僕の能力を見れば、僕を欲しがるに違いない。
「確認するわあ。ブレイブアーツのクールタイムは24時間で、消費魔力無しで使えるのよねえ?」
「そうねるね。僕だけが使える強力なアーツだよ」
「そうねえ。今日の夜から4昇天と一緒にダンジョンに行って欲しいの。そして明後日は闘技場で試練を一緒に受けてもらうわあ」
「それが採用試験って事かい?」
「いいえ、明後日まで生き残ればいいわ。もう採用よお。でも、ブレイブアーツは闘技場で私の指示に従って使って欲しいのよ。明後日の闘技場では絶対にブレイブアーツを使える状態にして欲しいのよお」
「僕は闘技場での切り札って事かい?」
「う~ん、そうなるわねえ」
思った通りだ。
僕は勇者だ。
僕を採用するのが当然だ。
ファルナと違ってアルナは頭が柔らかいようだね。
「そうだわあ。闘技場での試練の内容は渡しておくわあ」
「助かるよ」
「私は用事があるから失礼するわねえ。今日の夜までゆっくり休みなさあい」
アルナが出て行く。
資料を見ると、エクスファックか、僕のブレイブアーツで追い詰めた相手、レベルが上がった今なら余裕で倒せるだろう。
そしてエクスファックの下位互換のダミーファック、僕はエクスファックを超える力を持っているんだ。
余裕で倒せるね。
今はコーヒーを楽しもう。
【アルナ視点】
夜になり、4昇天を呼び出す。
「今からアサヒとダンジョンに向かってもらうわあ。アサヒの危険を損ねないように5人でパーティーを組んでアサヒのレベルを上げないさあい」
4昇天の一人が手を上げた。
「アルナ様のお考えを宜しければ聞かせて頂きたいのです」
「そうねえ、アサヒは闘技場で捨て駒にするわあ。もうすぐ転移者の代償が起きるわあ。それまでに有効に使うのよお。
私も4昇天もレベルが上がりにくくなったわよねえ?
だから、捨て駒のレベルを上げて有効活用するわあ」
「分かりました。アサヒをおだてて、闘技場までに仕上げます」
「くっくっく、死ぬ前に気持ちよくもてなして、死んでもらいます」
「そうよお。それでいいわあ」
4昇天は上機嫌でアサヒをもてなしつつダンジョンに向かった。
「アサヒねえ。ブレイブアーツの強襲だけが取り柄の器用貧乏、死ぬ前に私の為に働けて良かったわねえ」
アルナは口角を釣り上げて5人を見送った。
アルナの言葉は、まるですでに死んだ者への言葉のようだった。
【アサヒ視点】
僕はダンジョンの9階にいる。
4昇天は僕に丁寧に、そして笑顔で接した。
「アサヒ殿は大事なお客人です!魔物狩りは我らにお任せを!アサヒ殿は動かず、レベルだけを上げて欲しいのです」
「うむ、ご苦労だね」
4昇天がダミーファックを殴って倒す。
どんどんレベルが上がる。
「この階はダミーファックが多いのです!アサヒ殿が戦えば体が汚れてしまいます。ダミーファック狩りは我らにお任せを!」
「助かるよ」
4昇天がダミーファックを蹴り倒した。
また僕のレベルが上がった。
「アサヒ殿、仮眠をお取りください!アサヒ殿は闘技場での切り札です。何かあってはいけません!」
「僕は休ませてもらうよ」
寝て起きたらまたレベルが上がっていた。
『レベルが100になりました。勇者スキルのLVが10になりました』
「ははははははははははははは!」
僕は笑った。
簡単にレベル100を超えた!
勇者のLVがカンストした!
能力値が上がり、スキルを強化し、更に勇者の真の力すら解放した!
このペースだとさらにレベルが上がる!
僕は闘技場の試練の前までダンジョンの9階で過ごした。
闘技場の試練の前日の夜中に僕は帰還した。
夜中でもアルナが笑顔で出迎える。
「あらあら、お疲れ様だったわねえ。明日の闘技場の試練までゆっくり休みなさあい。それと、アサヒ用の新しい武具の紋章よ。私のコレクションの貴重な品でもあるわあ」
僕はすぐに紋章装備を張り替えてもらった。
僕は最強の装備を手に入れた!
勇者の真の力も解放した!
負ける気がしないよ!
僕最高級の食事、そして風呂を用意されて、豪華なベッドに横になる。
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明日の朝が楽しみだ。
僕の大活躍が始まるんだからね。
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