NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ

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第32話

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 クラスメートに危機が迫る前の話。

 勇者アサヒはダンジョン3階で休息する。
 勇者は特化できない器用貧乏。

 賢者のように魔法特化にすれば劣化魔導士になる。
 剣聖のように剣に特化すれば劣化剣士になる。

 勇者は色んな能力値に分散して振り、攻撃魔法も回復魔法も剣も斥候も何でも半端に出来るようにする事で運用する上級者向けのジョブだ。

 魔法の弱い敵には魔法を。
 物理の弱い敵には物理攻撃を。
 状況に応じて回復魔法を使いこなし、斥候の役割も果たす。
 パーティーに入る場合は隙間を埋める様な立ち回りが必要となる。

 そのような立ち回りは神経を削り、半端な魔力もスタミナも切れる。
 勇者アサヒはそのような高度な立ち回りは出来ないが、疲労は確実に蓄積していた。

 不良グループはアサヒの事をすぐ音を上げるヘタレだと思っている。
 だが勇者アサヒは確実に疲弊していた。

「アサヒー!早くいくぜー!」
「お前疲れすぎだろ!ヘタレか!」

「やってみなければ分からない!本当に、苦しいんだ」

「あんま起きねーと魔物をけしかけるぞ」
「でもアサヒが先頭を進まないとトラップがあるだろ」
「ま、しょうがないか。ヘタレのアサヒだからな」




「おいおい!もう1時間は経ってるだろ!?」
「俺らの御守りが無きゃ死んでるぞ」

「今日は帰るんだ」
「はあ?何言ってるんだ?俺達登っていくんだろ!!」
「成り上がっていこーぜ!」

「この世界は金さえあればいい思い出来るんだ」
「特に女だ」
「思い出してみろよ。いい女がいっぱいいるだろ?」

「そういう、問題じゃないんだ。僕のジョブは剣士も魔法攻撃も回復も斥候も全部こなす。賢者や剣聖のように特化した能力値に出来ないんだ。1人4役は無理があるんだよ」

「はあ~分かった分かった。次からもう少し負担を減らす。今日はこの階で軽く狩って終わらせてやるよ」
「甘すぎるだろ。こいつただのヘタレだぞ」

「そう言えばサムライマスターはまだ戻ってこないのか?」
「長いしょんべんだな」

 グオオオオオオオオオオオオオ!

「なん、だ?」

 10メートルを超える猪の牙にはパーティーのサムライマスターが刺さっていた。

 賢者と剣聖は逃げ出す。

 グオオオオオオオオオオオオオ!

「おいおいおい!あいつ!仲間を呼んだのか!!」

 賢者が囲まれる。
 魔法を撃って応戦するが多勢に無勢。
 賢者はアサルトボアに飲み込まれていく。

「うあああああああ!」

 剣聖が逃げ出す。

「僕を!僕を置いていくなあああ!」

 絶対に僕だけは逃げ切る!
 僕は悪くない!
 皆が無理をして僕を脅したからこうなった!
 絶対に逃げ切る!

 剣聖が集まって来るアサルトボアを剣で倒し道を作りながら逃げる。
 その後ろをついて行く。

 僕の道を作れ!

 剣聖が振り返ると表情が変わる。
 後ろを見ると、巨大なアサルトボアのボスが迫って来る。

 僕と剣聖は必至で逃げた。

「僕を置いていくな!」
「ふざけんな!てめー死んで時間を稼げよ!」

「死ぬのはお前だあああああ!!!!うおおおおおおお!」

 僕は全力で走る。
 剣聖の方が早い。

 魔力に少なめに振っている分俊敏の値が高いのだ。
 だが剣聖のおかげで道が出来る。

 振り返るとボスがすぐ近くに迫る。

「うああああああああああ!!!」

 必死で逃げた。




 剣聖の前にクラスメートの女子と兵士が居た。
 剣聖はみんなを突っ切るように逃げる。

 ターゲットを押し付ける気だ。
 僕は悪くない!
 悪いのは剣聖だ!


 ボスの声が小さくなり、僕と剣聖は2階に降りた。
 剣聖は血を流しながらも何故か走るのを辞めない。

 僕は剣聖から距離を取って後ろについて行く。
 剣聖が中ボス2体と他の魔物に囲まれた。

「アサヒ!どこだ!回復しろ!おい!どこだあああああ!」

 僕は道を横に逸れて一階を目指した。




「はあ!はあ!はあ!はあ!逃げ切った。ハハハハハ!逃げ切ったよ!」

 1階で寝ころびながら笑う。

「はははは、へへへへへへあいつら、みんな死んだか。日頃の行いのせいだ」

 僕への態度が悪すぎる。
 僕は息を整える。

 僕はゆっくりと街に帰り、風呂に入り、食事を済ませてぐっすり眠った。

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