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【勇者視点】落ちる勇者パーティー②
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ガタガタガタドト!
物音で目を覚ます。
目を開けると青空が広がる。
「ここ、は、荷車で運ばれているのか?」
横にはガーディーが居る。
馬に引かれた荷車に乗って俺は移動していた。
数十人の兵士時間の無駄だ
「ここは?どこに向かっている?」
「目覚めたか?今からデイブックに向かう」
俺はなぜ運ばれている?
記憶が、俺は、ウインに負けた?
いや、ありえない!
俺が無能に負けるはずがないんだ!
「ウイン殿に手も足も出ず負けた感想はどうだい?」
「違う!」
「はあ!?負けたじゃないか」
「俺は負けない!」
「いやいや!あんた」
「やめとけ!言っても無駄だ!俺達はこの2人をデイブックに送り届け、帰還する。それだけだ。まともに話をしても時間の無駄だ」
「それに、2人を刺激しないよう命令があった」
「……そうだな」
体が痛い。
「ハイヒール!」
自分の傷を治す。
ブレイブタイムは使えない。
まだ24時間経過していない。
戦いが終わってすぐ運ばれたのか?
俺は、そうだ!薬を盛られて力が出なかった!
そうに違いない!
おかしいと思っていた。
あの国は無能のクズばかりだ。
だが、帰れば俺は英雄。
ゴブリンの危機から救った英雄だ。
数日の旅を楽しもう。
だが、こいつらが何か言って来たら斬り殺してやる。
◇
俺は数日まずい食事を摂り、古いテントを使ってデイブックへと帰還した。
勇者である俺にまずい食い物を渡すとは。
テントもぼろい。
ま、奴らがテントを張っているのを見て斬り殺すのは思い直してやった。
無能の貧乏人には精一杯のもてなしだったんだろう。
目覚めたガーディーとは一言も言葉を交わさなかった。
デイブックに戻るとアーサー王国の兵はすぐ引き上げていった。
デイブックの兵が俺を讃えるように並んだ。
くっくっく、やはり俺は英雄になったか。
だがおかしい。パレードではなく俺を取り囲むようにも見える。
ファンが集まって来たか。
人気者はつらいぜ。
「ガーディー殿、お疲れ様です。勇者ブレイブ、いや、テロリストブレイブ。お前を処刑する!」
「……は!?何を言っている」
「確認する。ブレイブはテロリストで処刑対象だな?」
「ガーディー殿、その通りです!」
俺はテロリスト扱いした兵士を睨みつける。
「俺を、この俺をテロリスト扱いしたのか!」
その瞬間、俺は後ろから斬られた。
「ぐ!ガーディー!何をする!」
「テロリストを処刑する。何をやったか分からんが、裏で悪事を働いたんだろう」
「ブレイブタイム!」
俺は前にいる兵士を3人斬り倒してその場を逃げた。
「ヒール!くそ!どうなっている!訳が分からん!」
俺は全力で走った。
善良なこの俺をテロリスト扱いするのか!
勇者であるこの俺を殺すのか!
選ばれたこの俺を!
息が切れ止まって休むとすぐに追っ手が向かってくる。
「くそがああああ!」
俺はその日からテロリスト扱いされ、逃亡生活が始まった。
毎日居場所を転々とする。
俺の顔を見たものは全員殺し、新聞で情報を集めた。
ありもしない事が載っている。
ベリー後援会の告発。
俺の嘘の悪行。
全部嘘だ!
俺は新聞をびりびりと引き裂いた。
「しかも俺がアーサー王国を滅亡させようとしただと!アオール、あいつか!」
殺す。
ベリー後援会
ガーディー
アオール
ウイン
全部殺す!
その時、ブレイブは真の意味でテロリストになった。
物音で目を覚ます。
目を開けると青空が広がる。
「ここ、は、荷車で運ばれているのか?」
横にはガーディーが居る。
馬に引かれた荷車に乗って俺は移動していた。
数十人の兵士時間の無駄だ
「ここは?どこに向かっている?」
「目覚めたか?今からデイブックに向かう」
俺はなぜ運ばれている?
記憶が、俺は、ウインに負けた?
いや、ありえない!
俺が無能に負けるはずがないんだ!
「ウイン殿に手も足も出ず負けた感想はどうだい?」
「違う!」
「はあ!?負けたじゃないか」
「俺は負けない!」
「いやいや!あんた」
「やめとけ!言っても無駄だ!俺達はこの2人をデイブックに送り届け、帰還する。それだけだ。まともに話をしても時間の無駄だ」
「それに、2人を刺激しないよう命令があった」
「……そうだな」
体が痛い。
「ハイヒール!」
自分の傷を治す。
ブレイブタイムは使えない。
まだ24時間経過していない。
戦いが終わってすぐ運ばれたのか?
俺は、そうだ!薬を盛られて力が出なかった!
そうに違いない!
おかしいと思っていた。
あの国は無能のクズばかりだ。
だが、帰れば俺は英雄。
ゴブリンの危機から救った英雄だ。
数日の旅を楽しもう。
だが、こいつらが何か言って来たら斬り殺してやる。
◇
俺は数日まずい食事を摂り、古いテントを使ってデイブックへと帰還した。
勇者である俺にまずい食い物を渡すとは。
テントもぼろい。
ま、奴らがテントを張っているのを見て斬り殺すのは思い直してやった。
無能の貧乏人には精一杯のもてなしだったんだろう。
目覚めたガーディーとは一言も言葉を交わさなかった。
デイブックに戻るとアーサー王国の兵はすぐ引き上げていった。
デイブックの兵が俺を讃えるように並んだ。
くっくっく、やはり俺は英雄になったか。
だがおかしい。パレードではなく俺を取り囲むようにも見える。
ファンが集まって来たか。
人気者はつらいぜ。
「ガーディー殿、お疲れ様です。勇者ブレイブ、いや、テロリストブレイブ。お前を処刑する!」
「……は!?何を言っている」
「確認する。ブレイブはテロリストで処刑対象だな?」
「ガーディー殿、その通りです!」
俺はテロリスト扱いした兵士を睨みつける。
「俺を、この俺をテロリスト扱いしたのか!」
その瞬間、俺は後ろから斬られた。
「ぐ!ガーディー!何をする!」
「テロリストを処刑する。何をやったか分からんが、裏で悪事を働いたんだろう」
「ブレイブタイム!」
俺は前にいる兵士を3人斬り倒してその場を逃げた。
「ヒール!くそ!どうなっている!訳が分からん!」
俺は全力で走った。
善良なこの俺をテロリスト扱いするのか!
勇者であるこの俺を殺すのか!
選ばれたこの俺を!
息が切れ止まって休むとすぐに追っ手が向かってくる。
「くそがああああ!」
俺はその日からテロリスト扱いされ、逃亡生活が始まった。
毎日居場所を転々とする。
俺の顔を見たものは全員殺し、新聞で情報を集めた。
ありもしない事が載っている。
ベリー後援会の告発。
俺の嘘の悪行。
全部嘘だ!
俺は新聞をびりびりと引き裂いた。
「しかも俺がアーサー王国を滅亡させようとしただと!アオール、あいつか!」
殺す。
ベリー後援会
ガーディー
アオール
ウイン
全部殺す!
その時、ブレイブは真の意味でテロリストになった。
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