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第34話 昇格試験
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「きゅう!」
きゅうの水攻撃でレッドゴブリンが黒い霧に変わった。
俺はヨウカときゅう、そして後ろからついていく村人とエレメントカワウソを遠くから見守った。
ゴブリン1体に魔法の総攻撃が放たれモンスターは全滅した。
俺は皆に近づいた。
「いい感じじゃないか」
「はい!これなら私達だけでも村を守れそうです!」
「きゅきゅう」
「サーモンが食べたいと言っています」
「サーモンはもう無いんだ」
「きゅう」
「サーモンが食べたいと言っています」
「マグロはどうだ?マグロならあるぞ?」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「分かった分かった!取って来る!」
きゅうを見ていると何食べたい?と聞かれてハンバーグしか言わなくなる子供を思い出した。
「「きゅきゅう!」」
「みんな喜んでいます」
村の防衛力は上がった。
村人もエレメントカワウソに護衛されつつモンスターを倒すようになった。
ヨウカ・あかり・ユキナの内誰か一人とエレメントカワウソがいればモンスター退治は安全だろう。
しばらくすればみんなの能力値は増していく……だが、サーモンのノルマが発生した。
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「すぐに行って来る」
大量に取ってこよう。
俺はその日から毎日漁に出かけた。
◇
「日本に買い出しに行って来る」
「私も連れて行って欲しいわ」
「そう言えばユキナはあまり日本に行っていないよな」
「そうね、まだ1回だけだわ」
買い出しに行くときはヨウカを連れて行く事が多い。
ヨウカは俺のカタパルトダッシュでも具合が悪くならないからだ。
「よし、今回はユキナと行こうか」
「私も行くよ!」
「きゅう!」
「ユキナ・あかり・きゅうを連れて行く」
「私はお留守番ですね」
「頼む」
俺は日本に向かった。
異界の魔法陣を抜けてギルドに着くと、受付のお姉さんにドロップ品を納品した。
「久しぶりですね」
「そうですね」
「昇格試験を受けませんか?」
「今度受けますね」
「今度とはいつですか?」
受付嬢から圧を感じる。
「今度ですよ」
「受ける受ける詐欺ですよね?」
「人を詐欺扱いは良くないですよ!」
「だって受けないじゃないですか」
「もうちょっと修行してから受けますね」
「修行のつもりで受けたらいいじゃないですか。大体、一人でパーティーを組まずに異界に出入り出来て、ダンジョン内のセーフゾーンに行く人間は仙道さんだけです。試験を受ければ私もしつこく言わなくて済みますよ?」
「お金がかかるから今度にします」
「持ってますよね?いっぱい持ってますよね?」
「これが終わったら買い物に行くんです。お世話になった亜人の方にお返しをしたいので」
「何カ月も前から同じことを聞いています」
「い、嫌だなあ、怖いですよ」
「仙道優也さん」
「何でしょう?」
「さっき魔道スマホの画面がちらっと見えちゃいました。たくさん持っているようですね」
「の、覗き見は良くないですよ!」
「どうした?恋人のじゃれ合いに見えるぞ」
「大河さん、久しぶりですね」
「仙道さんが酷いんですよ。昇格試験を受けてくれないんです」
「仙道、受けてくれ」
「大河さんまで!」
「まあ聞いてくれ。仙道はスーパーマーケットのレジを何十回も往復して大金を使ったり、一人で異界に行ったり速く走ったりと、要するに目立つ」
「え?手加減してますけど?」
「仙道の感覚がずれている。普通の人が見たらかなり早いぞ」
「そうですよ。他の冒険者の方から『なんであいつはFランクのままなんだ?』と、何度も聞かれるんです。毎回違う方から同じ質問を何度もされちゃいます」
「上げとけ」
「それにテイムまでしているとなればますます目立ちますよ」
「きゅう」
「テイムなんてしてないんですけど?」
そんなスキルは持っていない。
きゅうと俺は主従関係というより相棒に近い。
Eランクを受けてから帰ろう。
受付嬢さんに悪い事をしていたようだ。
「……受かるかどうかは分かりませんが、受けますね」
「受かるだろ!」
「受かりますよ!」
「東山さん、Cランクへの昇格試験を受けられませんか?今なら丁度試験官がいますのでお勧めですよ?」
「私は、いいです。お兄ちゃんの昇格試験を見学したいです」
「ユキナさんは時間がかかりますが、魔道スマホの契約と冒険者試験を受ける事が出来ますよ?異界の方でも受けられるようになったのでどうです?」
「私は後にするわ。それよりもユウヤの昇格試験を見たいわね」
2人は美人だから目立つんだよな。
「俺も見学する。すぐに出来るのか?」
「出来ますよ。カカシも空いています」
俺はギルド裏の訓練場に向かった。
きゅうの水攻撃でレッドゴブリンが黒い霧に変わった。
俺はヨウカときゅう、そして後ろからついていく村人とエレメントカワウソを遠くから見守った。
ゴブリン1体に魔法の総攻撃が放たれモンスターは全滅した。
俺は皆に近づいた。
「いい感じじゃないか」
「はい!これなら私達だけでも村を守れそうです!」
「きゅきゅう」
「サーモンが食べたいと言っています」
「サーモンはもう無いんだ」
「きゅう」
「サーモンが食べたいと言っています」
「マグロはどうだ?マグロならあるぞ?」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「分かった分かった!取って来る!」
きゅうを見ていると何食べたい?と聞かれてハンバーグしか言わなくなる子供を思い出した。
「「きゅきゅう!」」
「みんな喜んでいます」
村の防衛力は上がった。
村人もエレメントカワウソに護衛されつつモンスターを倒すようになった。
ヨウカ・あかり・ユキナの内誰か一人とエレメントカワウソがいればモンスター退治は安全だろう。
しばらくすればみんなの能力値は増していく……だが、サーモンのノルマが発生した。
「きゅう」
「サーモンと言っています」
「すぐに行って来る」
大量に取ってこよう。
俺はその日から毎日漁に出かけた。
◇
「日本に買い出しに行って来る」
「私も連れて行って欲しいわ」
「そう言えばユキナはあまり日本に行っていないよな」
「そうね、まだ1回だけだわ」
買い出しに行くときはヨウカを連れて行く事が多い。
ヨウカは俺のカタパルトダッシュでも具合が悪くならないからだ。
「よし、今回はユキナと行こうか」
「私も行くよ!」
「きゅう!」
「ユキナ・あかり・きゅうを連れて行く」
「私はお留守番ですね」
「頼む」
俺は日本に向かった。
異界の魔法陣を抜けてギルドに着くと、受付のお姉さんにドロップ品を納品した。
「久しぶりですね」
「そうですね」
「昇格試験を受けませんか?」
「今度受けますね」
「今度とはいつですか?」
受付嬢から圧を感じる。
「今度ですよ」
「受ける受ける詐欺ですよね?」
「人を詐欺扱いは良くないですよ!」
「だって受けないじゃないですか」
「もうちょっと修行してから受けますね」
「修行のつもりで受けたらいいじゃないですか。大体、一人でパーティーを組まずに異界に出入り出来て、ダンジョン内のセーフゾーンに行く人間は仙道さんだけです。試験を受ければ私もしつこく言わなくて済みますよ?」
「お金がかかるから今度にします」
「持ってますよね?いっぱい持ってますよね?」
「これが終わったら買い物に行くんです。お世話になった亜人の方にお返しをしたいので」
「何カ月も前から同じことを聞いています」
「い、嫌だなあ、怖いですよ」
「仙道優也さん」
「何でしょう?」
「さっき魔道スマホの画面がちらっと見えちゃいました。たくさん持っているようですね」
「の、覗き見は良くないですよ!」
「どうした?恋人のじゃれ合いに見えるぞ」
「大河さん、久しぶりですね」
「仙道さんが酷いんですよ。昇格試験を受けてくれないんです」
「仙道、受けてくれ」
「大河さんまで!」
「まあ聞いてくれ。仙道はスーパーマーケットのレジを何十回も往復して大金を使ったり、一人で異界に行ったり速く走ったりと、要するに目立つ」
「え?手加減してますけど?」
「仙道の感覚がずれている。普通の人が見たらかなり早いぞ」
「そうですよ。他の冒険者の方から『なんであいつはFランクのままなんだ?』と、何度も聞かれるんです。毎回違う方から同じ質問を何度もされちゃいます」
「上げとけ」
「それにテイムまでしているとなればますます目立ちますよ」
「きゅう」
「テイムなんてしてないんですけど?」
そんなスキルは持っていない。
きゅうと俺は主従関係というより相棒に近い。
Eランクを受けてから帰ろう。
受付嬢さんに悪い事をしていたようだ。
「……受かるかどうかは分かりませんが、受けますね」
「受かるだろ!」
「受かりますよ!」
「東山さん、Cランクへの昇格試験を受けられませんか?今なら丁度試験官がいますのでお勧めですよ?」
「私は、いいです。お兄ちゃんの昇格試験を見学したいです」
「ユキナさんは時間がかかりますが、魔道スマホの契約と冒険者試験を受ける事が出来ますよ?異界の方でも受けられるようになったのでどうです?」
「私は後にするわ。それよりもユウヤの昇格試験を見たいわね」
2人は美人だから目立つんだよな。
「俺も見学する。すぐに出来るのか?」
「出来ますよ。カカシも空いています」
俺はギルド裏の訓練場に向かった。
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