才能オールF冒険者の俺は遭難してバリア魔法が覚醒した~胸糞NTRされたヒロインが嫁になった上、むかつくあいつはざまあされる~

ぐうのすけ

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第11話 操作修行

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 朝までヨウカと1つになった後布団で眠った。
 幸せだ。
 
 言葉では言い表せない感覚、いや、幸福か。
 これが幸福という事なのか?


 ◇



 俺が寝ていると物音で目が覚めた。
 ヨウカは起きて出かけて行った。
 ユキナが走って来る?


 ユキナが勢いよく扉を開いて中に入って来た。

「ユキナ、おはよう」

 ユキナは俺の両肩を掴んだ。
 後ろには村人が集まり、俺とユキナを見ている。
 村人は子供と若い女性だけが集まった。
 いや、若く見える女性か。


「ユウヤ!向こうの世界とこっちの世界がつながったのは本当なのよね!?」
「本当だぞ」
「5年前から両方の世界を自由に行き来できるのよね!?」
「そうだ」

「魔法陣がたくさん出てそこからモンスターがたくさん出てきたのよね!?」
「そうだ」

「何人いて何人死んだの!?」
「ちょ、話が掴めない!第一次モンスターパレードの話か?それとも俺がこの世界に来てからモンスターパレードが起きた話か?」

「全部よ!全部教えて欲しいの!」

 ユキナが焦っている。
 こんなユキナを見るのは初めてだ。

「分かった5年前にこの世界と俺達の世界がつながった。それと同時に第一次モンスターパレードが発生して日本の人口1憶2000万人の内4000万人が犠牲になった。その時は魔力で皆が覚醒したばかりでモンスターへの対抗策が分からなかったから最大の被害を出した」

 現代戦闘は魔力を持ったモンスターに通用しなかった。
 歩兵も対戦車砲も戦闘機も駄目、アメリカは戦術核まで使ったけど魔力を通していない攻撃はモンスターに通用しなかった。

 もっと言うと国の対応の遅れ、世界物流の停止、混乱による住民の暴動、政治家や官僚の暗殺で大混乱に陥った。
 1回目のモンスターパレードに日本はうまく対処できなかった。

「その1年後に第二次モンスターパレードが発生して人口の約2000万人が犠牲になったと推定されている。ここまでで日本の人口は6000万人ほどに減少したと推定されている」

 俺は教科書の内容を読み上げるように記憶をたどって出来るだけ正確に言った。

「で、俺がこの世界に来てからたくさんの魔法陣が発生してモンスターが大量に出てきた。その後に彷徨ってヨウカと会ったんだ」

「最後の魔法陣はいつ出て来たか分かるかしら?」
「魔道スマホが壊れてしまって、時間や日付が分からないんだ。俺は死にかけていたみたいで彷徨っていた時の記憶があまりない」

 美人のお姉さんたちが話を始めた。

「またセーフゾーンの結界が消えるの?」
「またたくさん死ぬのかな?」
「怖いよお!」

「セーフゾーンの結界が消えるのか?」
「消えるかもしれないわ。大体5年ほど前と4年前にセーフゾーンが消えているわ。正確な事は分からないのだけれど、モンスターパレードが起きてモンスターが多くなってからセーフゾーンの結界が消えていると思うわ」

「もし俺が見たモンスターの大量発生が第三次モンスターパレードだとしたら、またセーフゾーンが消えるのか?」
「正確に言うと結界が弱まってそこにモンスターの結界攻撃があって消されたが正しいわね。いつもなら魔法陣から大量のモンスターが出てくる事は無いのよ。間違いなくモンスターパレードね」

「もうすぐ、モンスターがここを襲撃してくるのか?」
「その可能性はあるのよ」

「ヨウカはどうして昨日皆に知らせなかったんだ?」
「その、ユウヤさんと、シタくて、つい、おかしくなっていました」

「ここに戦える人は何人いる?男はどこに行ったんだ?」
「男達はセーフゾーンが消えた時に戦って死んだのよ。今まともに戦えるのは私とヨウカだけね。他の子は1000年も生きていないから魔法は使えるのだけれど、能力値は低いわね」

 みんな未熟ではないと思う。
 少なくとも高校のクラスメートよりは熟練している。
 色々常識や感覚が噛み合っていない気がする。

「俺に出来る事はあるか?」
「セーフゾーンが消される前に近くにいるモンスターを出来るだけ倒せば、守りが楽になるわね」
「モンスターを倒してくる」

 モンスターを倒せばすべて解決じゃないか。
 やる事は簡単だ。
 モンスターパレードで結界が弱くなったらしい。
 勝手に結界が消える可能性も無くはないが襲って来るモンスターを倒しておけば楽になる。

「私も行きます!ユキナは村にいてください」

 いつセーフゾーンの結界が消えるか分からない。
 誰かが村に残る必要がある。

「ヨウカ!しばらく帰ってこないのは駄目よ!私が出かけて助けに行けないのだから」
「今日中には戻る感じでいいか?」

「分かったわ。ヨウカをお願いするわね」
「俺の力程度でどこまで付いていけるか分からないが、出来るだけの事をしよう」

「ユウヤはヨウカよりも私よりも強いのよ?」
「ん?」
「そうですよ!ユウヤさんはこの中で一番強いんです」

「えっと、あれだ。俺は未熟で2人にスキルを教えてもらっている」
「能力値はユウヤの方が高いわ」

「実感はないけど、行って来る」
「行きましょう」
「その前に食料と薬を渡しておくわ」

 俺とヨウカはアイテムと食料を貰って村の外に出た。


 奥に進むとすぐに10体以上のスライムが現れた。

「スライムです!スライムだけは倒しましょう!」

 ヨウカはスライムが一番強いと言っていた。
 スライムが合体してイエロースライムになるらしい。

「ヨウカ、怖くないか?」

 ヨウカはスライムにひどい目にあった。

「大丈夫です!行きますよ!」

 ヨウカの蹴りでスライムが黒い霧に変わって消えた。
 村人は精神力が強いのか?
 ……ヨウカの心が強いのかもしれない。

「ヨウカ!ホーミングの練習をする!ホーミング!」

 俺の両手から2つの球体が発生してスライムに飛んでいく。
 スライムを全滅させるとドロップ品が地面に落ちた。

 ホーミングは消えるまで一分ほど自動でモンスターを攻撃する。
 もっと早く動かせれば雑魚狩りには良いんだけど、速度が遅い。
 メインはショットか!

「スライムゼリーが2つと魔石が1つ、大漁ですね!」
「そうだな、どんどん行こう!」


 今度は100を超えるスライムがいた。

「どうする?俺は戦いたい」
「倒しましょう。合体されたら厄介です」

「ホーミング!ショット!」

 ホーミングを先行させてスライムを倒しつつ、ショットで範囲内のスライムを倒していく。

 ショットでスライムを貫通して後ろのスライムも倒していく。
 ショットの貫通効果で俺の戦闘力は確実に上昇している。
 この能力があればヨウカを嫌な目に合わせる事は無かっただろう。

「凄いです!こんなの初めてです!」

 ヨウカの言葉を聞いていると温泉の夜を思い出す。
 今は集中する!

「たくさんの気配を感じる!」

 俺は走って丘に登り下を見下ろした。
 1000を超えるスライムがうごめいていた。

「突っ込む!後ろから援護してくれ!」

 俺はスライムに飛び込んでホーミングとショットでスライムを倒していく。
 スライムが一か所に集まっていく。

「まずいです!合体してイエロースライムに進化しちゃいます!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 俺は集まろうとするスライムにショットを乱射した。
 スライムの生命力を吸収して俺の力が増していく。
 間に合え!

 進化する前に終わってくれ!
 スライムは倒される事を気にせず更に集まっていく。

 スライムが集まり、3体のスライムが光を放つ。

「はあ、はあ、間に合いませんでした」
「イエロースライムが、3体も!」

 イエロースライム3体がバウンドしながら俺達を見た。
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