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第35話
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ゆっくり寝て朝を迎えるとボロボロの斥候が帰って来る。
「大変です!クレア隊長が敵に捕らえられました!」
「ん?クレアがか?そんな簡単に捕まるか?」
「全部、話す。勇者が……」
俺と斥候の話に異様な雰囲気を感じ、皆が集まって来る。
斥候に勇者の行いでクレアが捕まった説明を受ける間に自然と作戦会議が始まっていた。
「勇者が水門の襲撃に失敗し、隠し階段の防御も厚くなっているという事ですのね。隠し階段の場所をよく分かりましたわね。巧妙に隠されていますのに」
斥候が発言する。
「勇者が、隠し階段で奇襲をかけようとした、と思う」
「俺もそう思う。勇者はそういう事をする奴だ」
ダストは自信過剰だ。
自信過剰で攻めて、奇襲に失敗すれば自分の命の為には何でもする。
自信過剰なら戦って死ぬ瞬間まで自信過剰でいてくれればいいが、自分が危なくなればすぐに逃げたり隠れたりする。
それが原因でクレアは捕まっている。
「勇者ダストか。戦うなら一人で奇襲をかけて死んでほしかった」
「ゲットがそういう事を言うのは珍しいにゃあ」
「ダストのせいでクレアが捕まっている。そしてダストのせいで城の攻略が難しくなった。愚痴も言いたくなる」
「そうですわね。無能な味方は時として敵よりも厄介ですわ。もっとも勇者ダストが味方と言えるかどうかは微妙ですわね」
無能な味方は敵よりも厄介か。
まったくその通りだと思う。
ダストがいなければ一気に水門を決壊させて城が水浸しになった瞬間に隠し階段から奇襲をかけ、速攻で城を制圧出来ただろう。
性格には戦闘能力はそこそこあるが、頭が悪い、か。
ゲームでは知略に優れるクグツを知略で倒すストーリーだったが、勇者ダストに全部潰された。
「所で、勇者ダストはどこにいるんだ?」
「今、不明。行方不明」
「逃げ切ったんだよな?」
「逃げ切ってた、と思う。でも、今どこにいるか不明」
「あいつ邪魔だな。また邪魔をされたらたまったもんじゃないぞ」
「ゲット、もしかして何か策がありますの?」
「策って程じゃないけど、攻める方法ならある」
周りから歓声が起きる。
「ぜひ、聞かせて欲しいのですわ」
「大したことじゃない、やる事は……」
俺は作戦を話した。
◇
「やってみる価値はありますわね。それ以前に他の案がありませんわ」
「俺もこういう方法は使いたくないんだ。だけど、それしか思いつかなかった」
「いえ、その方法なら相手の虚を突くことが出来るかもしれませんわ。ですがこの作戦はゲットがいなければ成立しませんわね。わたくしも回復魔法で皆をサポートしますわ」
「エステル、王女のお前が前線に出てもいいのか?」
「今更ですわね。王家は皆を守る為にありますのよ。それにわたくしがいればおとりになれますわ。その隙にクレアを救出するのですわ」
「無事だと良いにゃあ」
ゲームでクグツはクレアを奴隷にしたがっていた。
そして、奴隷にされるならすぐに死ぬことは無い。
だが、時間は無いだろう。
最悪操られているクレアと闘う事になる。
兵士が叫ぶ。
「クレア隊長は俺達が助ける!」
「私はクレア隊長に助けて貰いました。次は私が助けます!」
「俺の盾でおとりになる!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
歓声が巻き起こった。
クレアの誠実な性格が皆を奮い立たせている。
兵の士気は高い!
ダストのせいで水門の防衛は強固になっている。
そして隠し階段もがっちりと守りを固めている。
つまり水門と隠し階段の両方に兵力を裂き、守る必要があるのだ。
クグツがそう来るならこっちは更にその裏をかく。
俺達は戦場に向かって歩き出した。
「大変です!クレア隊長が敵に捕らえられました!」
「ん?クレアがか?そんな簡単に捕まるか?」
「全部、話す。勇者が……」
俺と斥候の話に異様な雰囲気を感じ、皆が集まって来る。
斥候に勇者の行いでクレアが捕まった説明を受ける間に自然と作戦会議が始まっていた。
「勇者が水門の襲撃に失敗し、隠し階段の防御も厚くなっているという事ですのね。隠し階段の場所をよく分かりましたわね。巧妙に隠されていますのに」
斥候が発言する。
「勇者が、隠し階段で奇襲をかけようとした、と思う」
「俺もそう思う。勇者はそういう事をする奴だ」
ダストは自信過剰だ。
自信過剰で攻めて、奇襲に失敗すれば自分の命の為には何でもする。
自信過剰なら戦って死ぬ瞬間まで自信過剰でいてくれればいいが、自分が危なくなればすぐに逃げたり隠れたりする。
それが原因でクレアは捕まっている。
「勇者ダストか。戦うなら一人で奇襲をかけて死んでほしかった」
「ゲットがそういう事を言うのは珍しいにゃあ」
「ダストのせいでクレアが捕まっている。そしてダストのせいで城の攻略が難しくなった。愚痴も言いたくなる」
「そうですわね。無能な味方は時として敵よりも厄介ですわ。もっとも勇者ダストが味方と言えるかどうかは微妙ですわね」
無能な味方は敵よりも厄介か。
まったくその通りだと思う。
ダストがいなければ一気に水門を決壊させて城が水浸しになった瞬間に隠し階段から奇襲をかけ、速攻で城を制圧出来ただろう。
性格には戦闘能力はそこそこあるが、頭が悪い、か。
ゲームでは知略に優れるクグツを知略で倒すストーリーだったが、勇者ダストに全部潰された。
「所で、勇者ダストはどこにいるんだ?」
「今、不明。行方不明」
「逃げ切ったんだよな?」
「逃げ切ってた、と思う。でも、今どこにいるか不明」
「あいつ邪魔だな。また邪魔をされたらたまったもんじゃないぞ」
「ゲット、もしかして何か策がありますの?」
「策って程じゃないけど、攻める方法ならある」
周りから歓声が起きる。
「ぜひ、聞かせて欲しいのですわ」
「大したことじゃない、やる事は……」
俺は作戦を話した。
◇
「やってみる価値はありますわね。それ以前に他の案がありませんわ」
「俺もこういう方法は使いたくないんだ。だけど、それしか思いつかなかった」
「いえ、その方法なら相手の虚を突くことが出来るかもしれませんわ。ですがこの作戦はゲットがいなければ成立しませんわね。わたくしも回復魔法で皆をサポートしますわ」
「エステル、王女のお前が前線に出てもいいのか?」
「今更ですわね。王家は皆を守る為にありますのよ。それにわたくしがいればおとりになれますわ。その隙にクレアを救出するのですわ」
「無事だと良いにゃあ」
ゲームでクグツはクレアを奴隷にしたがっていた。
そして、奴隷にされるならすぐに死ぬことは無い。
だが、時間は無いだろう。
最悪操られているクレアと闘う事になる。
兵士が叫ぶ。
「クレア隊長は俺達が助ける!」
「私はクレア隊長に助けて貰いました。次は私が助けます!」
「俺の盾でおとりになる!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
歓声が巻き起こった。
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兵の士気は高い!
ダストのせいで水門の防衛は強固になっている。
そして隠し階段もがっちりと守りを固めている。
つまり水門と隠し階段の両方に兵力を裂き、守る必要があるのだ。
クグツがそう来るならこっちは更にその裏をかく。
俺達は戦場に向かって歩き出した。
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