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第136話 戦いの処理

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 モンスターを狩り尽くした軍は逃げるように去って行った。
 みんながジョーカー(おさわりじじいとファンキー王)のカードを引くリスクを恐れていた。

 ジョーカーは今元気にナナヤを追い回している。

「無理です無理です! もう無理ですうううううう!」
「ひゃっひゃっひゃ! 成長のカードが切れるまでの1時間! 触り放題じゃわい!」

 ナナヤ、前より余裕が出てきたな。
 もう大丈夫だろう。

「ちょ! ちょっとおおお! ユウタさん! 見守りはいいんですか!」

 ナナヤが必死で逃げる。

 ブラウもいるし、大丈夫だろ。

 おさわりじじいは娼館に通い詰めた後、ナナヤとブラウを追い回した。
 矢を受けても蹴られても生き生きとしている。

「アリーチェ、巫女のスキルを使って欲しい」
「わ、分かったわ」

 2人でたっぷりと抱き合った。


 ◇


「こうして、ゆっくり1つになるのもいいわね」
「そうだな。今おさわりじじいはナナヤとブラウを狙っている。弱いからチャンスがあると思ったんだろう」

「ふふふ、ナナヤは本気で嫌がっていたわよ」
「そうだけど、前より慣れてきているのもある」
「……ねえ、ユウタが転生してきた時の事を覚えてる?」
「温泉に落ちた時か」

「うん、あの時は、こんなふうに抱き合う事になるとは思わなかったわ」
「俺もだよ。アリーチェを抱けるとは、思わなかった」
「最初から、私を抱きたいと思ってたの?」
「温泉を出て、案内をしてくれただろ? その時にアリーチェが優しいのが分かってそれからかな」

「結構最初から、そ、そう、でも私は、優しいわけじゃないわ。普通だと思うけど」
「かなり、優しい」

 俺は、アリーチェの顔を引き寄せて、キスをした。


 朝起きるとおさわりじじいとすれ違った。

「待つんじゃ」
「今忙しいから」
「待たんかい! 次はブラウを追い回すんじゃろ! アリーチェで成長のカードは回復したはずじゃ!」

「それよりも復興だ。ファンキー王をおさわりじじいが助ければいいんじゃないか?」

 2度と帰ってこないで欲しい。
 この地に永住して骨を埋めろ。

「しばらくはここにおるつもりじゃ」
「しばらくとは言わず一生ここにいればいい」
「ワシは国に収まるような生きかたはせんわい。グローバルに活動の場を広めていくんじゃ」
「な、なん、だと!」

 この大陸におさわりじじいを解き放つって事じゃないか!

 いつ現れるか読めない妖怪を解き放つ恐怖!

「お、おさわりじじいもギターを貰ったんだろ? ギターでモンスターを集めて娼館にお金を落とす、このサイクルでモンスターをどんどん狩って欲しい」
「むろんじゃ、モンスターを狩ってグローバルに活躍するんじゃ」

 無理だ。

 制御できない。

 おさわりじじいは言う事を聞かないし餌をあげてもすぐ飽きる。

「……おさわりじじい、この前は世話になったな」
「急にどうしたんじゃ」
「いや、助けてもらった分は返しておく。金貨1万枚だ。もし良ければ娼館で英気を養って欲しい」
「久しぶりにカジノにでも行ってみるかのう」

 娼館じゃなくてカジノかよ!
 本当に思い通りにならないな。

 おさわりじじいがカジノに入った瞬間にナナヤに声をかけた。

「ナナヤ! こっちに来てくれ」
「何です何です? 夜のお誘いですか?」
「みんなをすぐに集めて欲しい。すぐにここから出る。おさわりじじいがカジノに入った! 今がチャンスだ!」

「分かりました!!」

 シュン!

 ナナヤが素早く走って行った。


 サーラとサーラのクラン、アリーチェ、セリア、ナナヤ、ブラウが集まった。

「すぐに国を出よう。おさわりじじいを国に引きこんでしまったらまずい! 最悪俺達が悪者になる」

 みんなで国を出た。

 道中ナナヤとブラウが楽しそうに抱き合ってはしゃぐ。
 でも、俺が話しかけるとブラウの笑顔が消えるんだよなあ。

「ユウタはこれからどうするの?」
「帰って、それからしばらく交易かな」
「さみしくなるわね」

「何度も会いに行くから」
「うん、そうね。別れじゃないもの」
「でも、ロック王国だけはしばらく行かないでおこう」

 優しい風が吹いた。

 ナナヤの髪がなびいて、腰布が舞い上がった。
 ナナヤのきれいな髪と腰布の中に目が行ってしまう。

 ブラウが俺の視線に気づいてプイッと顔を背けた。
 でもその顔も可愛く感じる。

「ブラウには嫌われっぱなしか」
「ふふふ、気にしなくても大丈夫ですわ」
「そうだな、まずは交易を頑張る!」

「そういう意味では、今後のユウタの動きで、きっと解決しますわよ」
「サーラ、ありがとう。帰ろう、アクア王国に」

 終わり



 あとがき
 今作は感情の描写が軽め・設定説明はかなり省略・負荷が無いあっさり味の作品にしました。
 最後までお読みいただきありがとうございました!

 お話はこれで終わりですが、カクヨムの方でサポーター限定の、夜のナナヤ編と夜のブラウ編を近況ノートに投稿します。
 こっちはヒロイン視点で感情描写多めになっております。

 ではまた!
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みんなの感想(23件)

A・l・m
2024.01.29 A・l・m

奥義、棒立ち無双!

カクヨムは知ってたけどサポーター限定とかあるんだねー。
(アプデとか読まない)

解除
A・l・m
2024.01.22 A・l・m

……まあ、人望無いもんなファンキー。

この国、全遊び人が迫害されてるみたいだけど、やはりジーク派と見られてるのかな。
遊び人村の遊び道場とかありそう。

解除
A・l・m
2024.01.15 A・l・m

ジョーカー達とかが生きてたらナイフマッサージとかミサイルおさわりとかステッキマッサージとかあったのだろうか……。

……いや、対人戦闘のほうがやりやすいか。
(回復スキルだし)

解除

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