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第135話 トリックスター
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「おさわりじじい、今忙しい!」
「それがダメじゃ。こんな奴に負けるお前ではない! 喝じゃ喝!」
「こんな奴ううううううう!?」
パフォームがおさわりじじいを牙で突き刺した。
「ぐっぼおおおおお!」
「なんだ、弱い! 弱すぎるね!」
パフォームが串刺しにした牙を横に振るとおさわりじじいが壁に激突した。
「あっけな! もう倒れ、起き上がった! 串刺しにしたのにいい!」
「今ワシは固有スキルを使っておる! 1つは亀の甲、普段使っておるパラソル、それを応用して常に体にバリアを張る固有スキル」
串刺しにされた体にバリアが張られて出血を防いでいる。
「ユウタ! 今のお前なら出来るはずじゃ!」
常にパラソルを体に張るようなイメージ。
『亀の甲を取得しました』
「そしてもう1つが絶倫じゃ! 出来るだけ動かず、大気から吸収した魔力をマッサージの魔力に変えて体中に循環させるんじゃ! 治癒力を爆上げするワシのスペシャルなスキルじゃ!」
俺は棒立ちになり、全力で大気中の魔力を吸収して体に循環させた。
『絶倫を取得しました』
「もう、大丈夫じゃな、ワシの3つあるスペシャルなスキルの内2つを取得した。ユウタならもう、大丈夫じゃ、ガクリ」
おさわりじじいが倒れて地面に転がった。
そして、起き上がる事が無い。
あの、あのおさわりじじいが無理をしてスキルを教えてくれたのか!
あんな、クズだと思っていたおさわりじじいが!
今はおさわりじじいの想いを受け継ぐ!
「体が、温かい。いつまででも動けるような錯覚さえ覚える」
「なああんだあ! やせ我慢か! ユウタ! 次はおまえだあああああ!」
俺はステッキを縦に構えて最低限の力で横に飛んだ。
牙の強力な突きをギリギリでいなした。
後ろに軽く吹き飛ばされるがそれでいい、吹き飛ぶ数秒で大気の魔力を吸収する。
受け身を取りつつ着地するとパフォームが飛び込んできた。
ナイフも、アタックダイスも、使い続けるだけの選択肢では駄目だ。
今はどっちも使わない。
ただ魔力を吸収して、最低限の力で自分を癒す!
きれいに避けなくていい。
吹き飛ばされてもいい。
治癒力を高めて維持する。
能力値がどんどん上昇していく、それさえ気に留めず、今は長く、いつまでも立っていよう。
空いた時間はただ魔力を吸収する、自然の力を取り込む。
「急にしぶとくなった! そうか、その力は成長力をあげる力か!」
「……」
蹴りをいなし、パンチをいなし、腕の牙もいなす。
相手に隙が出来れば地道にステッキで叩き続ける。
景色が色を失い、時間がゆっくりと流れる。
パフォームの攻撃が、怖さが薄れていく。
今は、俺とパフォームだけが戦っている。
これでいい。
無理に倒そうとしなくていい、それは焦りに繋がる。
いつまでも長く、立っていよう。
パフォームがマジックハンドとミサイル手裏剣を攻撃しだした。
壊されてもいい。
俺は、戦い続けた。
◇
成長のカード、その効果が消えた。
他の固有スキルが復活していく。
「ミサイル手裏剣! マジックハンド!」
「前より威力が上がっているううう!」
ミサイル手裏剣とマジックハンドが能力値の上昇で強化された。
他のスキルも同じだ。
「ダイスレイン! ユーフォーキャッチャー!」
限界を超えたアタックダイスがパフォームにぶつかり爆発し、ユーフォーキャッチャーがパフォームの体を捕えた。
ユーフォーキャッチャーがパフォームを砕くと、パフォームの体が人間と同じサイズに変った。
俺はステッキで連撃を繰り出した。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!
パフォームの体が小さくなり、子供サイズに変わると傷が再生しなくなった。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!
パフォームの体が黒い霧に変り、魔石に変った。
周りを見渡すと、王都は火事が発生し煙が上がっている。
兵士は傷つき、力が残っていないようだ。
パフォーム、最初のインパクトは凄かった。
でも、戦えば戦うほど小さくなっていった。
奥の手も、必殺技も何も無い相手。
強いけど子供のような部分があった。
周りにいたみんなが俺に拍手をした、その後歓声が起きた。
そうだ、おさわりじじいは生きているのか?
「おさわりじじいはどうなったんだ!」
看病をしていた男が暗い顔をした。
まさか!
死んだ!
あのおさわりじじいが!
無敵のジークが!
「残念ながら」
「そ、そうか」
「残念ながら生きています」
「ん? ん?」
「倒れた原因は、ヤリすぎです。娼館に通いすぎたのでしょう。しばらく安静にすれば、また復活してしまいます」
「……」
やりすぎかよ!
「それがダメじゃ。こんな奴に負けるお前ではない! 喝じゃ喝!」
「こんな奴ううううううう!?」
パフォームがおさわりじじいを牙で突き刺した。
「ぐっぼおおおおお!」
「なんだ、弱い! 弱すぎるね!」
パフォームが串刺しにした牙を横に振るとおさわりじじいが壁に激突した。
「あっけな! もう倒れ、起き上がった! 串刺しにしたのにいい!」
「今ワシは固有スキルを使っておる! 1つは亀の甲、普段使っておるパラソル、それを応用して常に体にバリアを張る固有スキル」
串刺しにされた体にバリアが張られて出血を防いでいる。
「ユウタ! 今のお前なら出来るはずじゃ!」
常にパラソルを体に張るようなイメージ。
『亀の甲を取得しました』
「そしてもう1つが絶倫じゃ! 出来るだけ動かず、大気から吸収した魔力をマッサージの魔力に変えて体中に循環させるんじゃ! 治癒力を爆上げするワシのスペシャルなスキルじゃ!」
俺は棒立ちになり、全力で大気中の魔力を吸収して体に循環させた。
『絶倫を取得しました』
「もう、大丈夫じゃな、ワシの3つあるスペシャルなスキルの内2つを取得した。ユウタならもう、大丈夫じゃ、ガクリ」
おさわりじじいが倒れて地面に転がった。
そして、起き上がる事が無い。
あの、あのおさわりじじいが無理をしてスキルを教えてくれたのか!
あんな、クズだと思っていたおさわりじじいが!
今はおさわりじじいの想いを受け継ぐ!
「体が、温かい。いつまででも動けるような錯覚さえ覚える」
「なああんだあ! やせ我慢か! ユウタ! 次はおまえだあああああ!」
俺はステッキを縦に構えて最低限の力で横に飛んだ。
牙の強力な突きをギリギリでいなした。
後ろに軽く吹き飛ばされるがそれでいい、吹き飛ぶ数秒で大気の魔力を吸収する。
受け身を取りつつ着地するとパフォームが飛び込んできた。
ナイフも、アタックダイスも、使い続けるだけの選択肢では駄目だ。
今はどっちも使わない。
ただ魔力を吸収して、最低限の力で自分を癒す!
きれいに避けなくていい。
吹き飛ばされてもいい。
治癒力を高めて維持する。
能力値がどんどん上昇していく、それさえ気に留めず、今は長く、いつまでも立っていよう。
空いた時間はただ魔力を吸収する、自然の力を取り込む。
「急にしぶとくなった! そうか、その力は成長力をあげる力か!」
「……」
蹴りをいなし、パンチをいなし、腕の牙もいなす。
相手に隙が出来れば地道にステッキで叩き続ける。
景色が色を失い、時間がゆっくりと流れる。
パフォームの攻撃が、怖さが薄れていく。
今は、俺とパフォームだけが戦っている。
これでいい。
無理に倒そうとしなくていい、それは焦りに繋がる。
いつまでも長く、立っていよう。
パフォームがマジックハンドとミサイル手裏剣を攻撃しだした。
壊されてもいい。
俺は、戦い続けた。
◇
成長のカード、その効果が消えた。
他の固有スキルが復活していく。
「ミサイル手裏剣! マジックハンド!」
「前より威力が上がっているううう!」
ミサイル手裏剣とマジックハンドが能力値の上昇で強化された。
他のスキルも同じだ。
「ダイスレイン! ユーフォーキャッチャー!」
限界を超えたアタックダイスがパフォームにぶつかり爆発し、ユーフォーキャッチャーがパフォームの体を捕えた。
ユーフォーキャッチャーがパフォームを砕くと、パフォームの体が人間と同じサイズに変った。
俺はステッキで連撃を繰り出した。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!
パフォームの体が小さくなり、子供サイズに変わると傷が再生しなくなった。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!
パフォームの体が黒い霧に変り、魔石に変った。
周りを見渡すと、王都は火事が発生し煙が上がっている。
兵士は傷つき、力が残っていないようだ。
パフォーム、最初のインパクトは凄かった。
でも、戦えば戦うほど小さくなっていった。
奥の手も、必殺技も何も無い相手。
強いけど子供のような部分があった。
周りにいたみんなが俺に拍手をした、その後歓声が起きた。
そうだ、おさわりじじいは生きているのか?
「おさわりじじいはどうなったんだ!」
看病をしていた男が暗い顔をした。
まさか!
死んだ!
あのおさわりじじいが!
無敵のジークが!
「残念ながら」
「そ、そうか」
「残念ながら生きています」
「ん? ん?」
「倒れた原因は、ヤリすぎです。娼館に通いすぎたのでしょう。しばらく安静にすれば、また復活してしまいます」
「……」
やりすぎかよ!
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