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第130話 非常なる決断
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俺はアクア王国に戻って王と大臣に話をする。
「……となりました」
「うむ、ご苦労だった。やっと消えたか、おさわりじじいめ」
王は今まで見た事が無いほどの深いため息をついた。
「ロック王国がユウタ殿を追い出したとなればこれは激おこですなあ。しばらくロック王国は無視するのがいいでしょう。ついでにおさわりじじいにはロック王国で骨をうずめて貰いましょう」
「うむ、その通りだ」
王と大臣はクールに即決した。
大臣は激おこどころか笑顔を浮かべている。
「僕はボランティアをしつつロック王国以外の国と交易を行います」
「ふふふ、ユウタ、分かっておるではないか。悪い奴め」
「くっくっく、悪ですなあ」
「いえいえ、お二人ほどではございません」
「「はははははははははは!」」
俺はしばらくの間落ち着いて過ごした。
出来るだけゴーレムのスキルを使ってスキルを上げる。
そして交易でお金を稼ぎバンパイアに血を供給して城に泊まる。
アリーチェと同じ夜を過ごし、サーラと温泉に入り、セリアが負けるゲームをした。
ナナヤとブラウに成長のカードを使って訓練を行い、たまに発生するトラブルを解決して回った。
◇
だが、放置していたロック王国が更にやばくなってきた。
難民が増え、放置できなくなった事で3国が協力してロック王国を援助する事が決まる。
レオナルドさんが軍を率いてロック王国に向かった。
俺はセリア、サーラ、アリーチェ、そしてサーラの作ったクランと一緒に遅れてロック王国を目指す。
レオナルドさんは真面目だな。
「サーラのクランは、凄いな。女性ばかりで、何百人いるんだ?」
「203人ですわ。ナナヤとブラウも所属していますのよ」
ブラウと目が合うとすっと目を逸らされた、まだ嫌われているのか。
ナナヤと目が合うと笑顔で近づいてきた。
「私の話ですか?」
ずい!
「サーラのクラン人数が増えた話をしていた」
「ナナヤとブラウが入ってくれたおかげでエルフとオオカミ族のメンバーが増えましたわ」
「サーラの管理が良いんだろ」
「私を褒めてもいいんですよ」
「ナナヤがおさわりじじいから逃げる任務についてくれたらたくさん褒めよう」
「嫌です嫌です!」
おさわりじじいとは、みんな相手をしたくないよな。
◇
【ロック王国王都】
俺達が到着するとみんなが整列していた。
レオナルドさんが大きな声で言った。
「俺達の軍は今からモンスターを討伐する! この国の民を守る為! モンスターを狩る必要がある!」
カイザー王国から来た援軍も叫んだ。
「我らカイザー王国軍も想いは同じ! この国の民を守る為! モンスターを狩る!」
リンク帝国の精鋭部隊長も叫んだ。
「俺もモンスターを狩る! 3国の軍は共同でモンスターを狩る」
「「ファンキー王とおさわりじじいの仲裁は英雄ユウタ殿に託そう!」」
「ちょ、ちょっと! その一糸乱れぬ合唱みたいなのは何なんだ!」
レオナルドさんが笑顔で俺の肩に手を置いた。
「俺は武人だ! ここにいるみんなも軍人で交渉には向かない! だがここにおさわりじじいを捌き続けた奇才、ユウタがいる!! みんな、そう思うよな!!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
「「ユウタ様ああああああああああああああああああああああああ!!」」
やられた!
策で敗北したのは俺だ!
レオナルドさんの出発がやたら早いと思っていた、他の国の軍も動きが早かった!
早くここに集まり、早めにポジションを決め、談合が重ねられ俺は今一番厄介な案件を押し付けられている!
みんなあれか、放送委員をやりたくないから図書委員に立候補しておこう的なやつだ。
俺はファンキー王とおさわりじじいの仲を仲裁する係が決まった。
「……となりました」
「うむ、ご苦労だった。やっと消えたか、おさわりじじいめ」
王は今まで見た事が無いほどの深いため息をついた。
「ロック王国がユウタ殿を追い出したとなればこれは激おこですなあ。しばらくロック王国は無視するのがいいでしょう。ついでにおさわりじじいにはロック王国で骨をうずめて貰いましょう」
「うむ、その通りだ」
王と大臣はクールに即決した。
大臣は激おこどころか笑顔を浮かべている。
「僕はボランティアをしつつロック王国以外の国と交易を行います」
「ふふふ、ユウタ、分かっておるではないか。悪い奴め」
「くっくっく、悪ですなあ」
「いえいえ、お二人ほどではございません」
「「はははははははははは!」」
俺はしばらくの間落ち着いて過ごした。
出来るだけゴーレムのスキルを使ってスキルを上げる。
そして交易でお金を稼ぎバンパイアに血を供給して城に泊まる。
アリーチェと同じ夜を過ごし、サーラと温泉に入り、セリアが負けるゲームをした。
ナナヤとブラウに成長のカードを使って訓練を行い、たまに発生するトラブルを解決して回った。
◇
だが、放置していたロック王国が更にやばくなってきた。
難民が増え、放置できなくなった事で3国が協力してロック王国を援助する事が決まる。
レオナルドさんが軍を率いてロック王国に向かった。
俺はセリア、サーラ、アリーチェ、そしてサーラの作ったクランと一緒に遅れてロック王国を目指す。
レオナルドさんは真面目だな。
「サーラのクランは、凄いな。女性ばかりで、何百人いるんだ?」
「203人ですわ。ナナヤとブラウも所属していますのよ」
ブラウと目が合うとすっと目を逸らされた、まだ嫌われているのか。
ナナヤと目が合うと笑顔で近づいてきた。
「私の話ですか?」
ずい!
「サーラのクラン人数が増えた話をしていた」
「ナナヤとブラウが入ってくれたおかげでエルフとオオカミ族のメンバーが増えましたわ」
「サーラの管理が良いんだろ」
「私を褒めてもいいんですよ」
「ナナヤがおさわりじじいから逃げる任務についてくれたらたくさん褒めよう」
「嫌です嫌です!」
おさわりじじいとは、みんな相手をしたくないよな。
◇
【ロック王国王都】
俺達が到着するとみんなが整列していた。
レオナルドさんが大きな声で言った。
「俺達の軍は今からモンスターを討伐する! この国の民を守る為! モンスターを狩る必要がある!」
カイザー王国から来た援軍も叫んだ。
「我らカイザー王国軍も想いは同じ! この国の民を守る為! モンスターを狩る!」
リンク帝国の精鋭部隊長も叫んだ。
「俺もモンスターを狩る! 3国の軍は共同でモンスターを狩る」
「「ファンキー王とおさわりじじいの仲裁は英雄ユウタ殿に託そう!」」
「ちょ、ちょっと! その一糸乱れぬ合唱みたいなのは何なんだ!」
レオナルドさんが笑顔で俺の肩に手を置いた。
「俺は武人だ! ここにいるみんなも軍人で交渉には向かない! だがここにおさわりじじいを捌き続けた奇才、ユウタがいる!! みんな、そう思うよな!!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
「「ユウタ様ああああああああああああああああああああああああ!!」」
やられた!
策で敗北したのは俺だ!
レオナルドさんの出発がやたら早いと思っていた、他の国の軍も動きが早かった!
早くここに集まり、早めにポジションを決め、談合が重ねられ俺は今一番厄介な案件を押し付けられている!
みんなあれか、放送委員をやりたくないから図書委員に立候補しておこう的なやつだ。
俺はファンキー王とおさわりじじいの仲を仲裁する係が決まった。
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