転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第126話 狙われたブラウ

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 周りにいたオオカミ族が怒りだした。

「あんたああ! 人の心は無いのかよおおおお!」
「おさわりじじいにブラウを差し出すって言うのか! おかしいだろうが!」
「ブラウは悪くねえよ! あんたが責任を取る必要は無い!」

 オオカミ族がブラウを庇いだした。

「ブラウ、悪かったよ。つい、気が大きくなってボコッちまった。俺達が鉱山でも、バンパイアの献血要員でもやって罰を受けるからよお」
「そうだぜ、庇う事はねえって。俺達の問題は俺達が片を付ける」

 ブラウが罪を被る→他のオオカミ族がブチ切れる

 オオカミ族が普通に罰を受ける→他のオオカミ族がブチ切れる

 罪を無しにする→他の種族がずるいと反発する

 何をやってもうまくは行かない。
 いや、1つ方法がある。

「お金で、解決できませんか?」
「1人金貨5000枚、8人で4万枚で罰を回避できますなあ」
「ぐ! ……でも出せない額じゃないです」

 この国の法律は重罪でなければお金で解決できる。
 金貨4万枚=日本円にして4億円相当だ。

「じゃあ、僕が金貨を出しますね。帰ります」

 俺は4万枚の金貨を出した。
 クルシュタと方向転換して俺は素早くこの場を離れていく。
 こうする事で意味不明な雰囲気が漂い、怒りは沈静化するはずだ。


「待ちな! なんでウチを助けたんだ!」
「今日はいい天気だよな」
「え? え?」

 俺は意味が分からない事を言って困惑させつつ帰った。
 普通に受け答えをすれば話が終わらない。
 まともに答えない、それが正解だ。



【次の日】

 玄関を開けるとブラウが立っていた。

「昨日の今日はいい天気だよなの意味が分からなかった。教えてくれ」
「ただ、意味不明な事を言って喧嘩にならない空気を作っただけだ。じゃあな」

「待て! 借りを返す必要がある。このままじゃ帰れない」
「……じゃあ、ナナヤを守って欲しい。今おさわりじじいに狙われるかもしれないからな」

「ウチがナナヤの部下になって守ればいいのか?」
「うん、まあ、部下じゃなくてもいいけど守って欲しい」
「分かった、案内してくれ」

「ブラウ、俺の事が嫌いじゃないのか? ワルブの件があっただろ?」
「嫌いだけど、義理は守る」
「兵士の仕事はいいのか?」
「辞めてきた」
「はあ!」
「私が辞めて、少しでも責任を取る事にしたから」
「……ブラウ、いい奴だな」
「べ、べつに」

 俺はナナヤの所にブラウを紹介しに行った。

「……というわけで一緒に行動して欲しい」
「ウチが守ってやる!」
「おお! 心強いです! いいですね! いいですよ!」

「この前は、悪かったな。多分、おさわりじじいに見つかればまた追われるぞ」
「噂をすれば、来ましたよ」

「見つけたわい! ナナヤ! ワシが揉んでやるでのう! きえええええええい!」

「ウチがやる!」
「ブラウか! 聞いておるわい! 軍を辞めたようじゃのう! じゅるり! レオナルドの管理を外れた今、ブラウは揉み放題じゃあああ!」

「追尾の矢! ツタの矢! 分身の矢! 衝撃の矢!」
「ナナヤの固有スキルはもう見たわい!」

 おさわりじじいがすべての矢を避けていく。

「ウチもいるんだ!」

 ブラウが蹴りを連続で放った。

「ぐべええ! ぐふううう!」

 ブラウの蹴りが連続でヒットした。

 おさわりじじいはゾンビのように蹴られながらもブラウの足を掴んだ。

「ひゃっひゃっひゃ! 捕まえたわい!」
「やめ!」
「遅いのう! むっちりな太もも、じゅるり! おさわり!」

 おさわりじじいの手がブラウの太ももを捕えた。

「んおん! ぎいいいいいいいい!」

 俺は後ろからおさわりじじいの腕を殴るが、木に張り付いたカブトムシのように手を離さない。
 俺はステッキの連撃を繰り出した。

 おさわりじじいが倒れようとして、ゾンビのように起き上がろうとする。

「ミサイル手裏剣!」

 俺はミサイルナイフから進化した固有スキルを使った。
 ナイフの刃が4つ繋がった手裏剣が1つ出現し高速で回転する。

 キュイイイイイイイイイイイイイイイイイン!

 ミサイルナイフは10本だったがミサイル手裏剣は1つしか出せない。
 でもその分威力と耐久力は大幅に上昇した。
 ミサイル手裏剣がおさわりじじいをどこまでも追いかける。

「やめ! これはやば! やばいやつじゃ!」
「手裏剣の耐久力が無くなれば消える! 頑張ってくれ!」
「きえええええええええい! ぐっふぉおおお!」

 おさわりじじいが逃げ出すが、どこまでも追いかけていった。


 ナナヤだけじゃなく、ブラウも狙われたか。
 ナナヤとブラウは、美人だ。
 おさわりじじいに狙われるのも分かる。
 サーラの所に連れて行かないと危ないかもしれない。

 俺は2人をサーラのいる食料都市マリンに送った。



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