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第125話 揉める兵士
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俺はナナヤを休ませてすぐに王に報告しに行った。
「……というわけです」
「おさわりじじい封印計画は失敗したか」
「はい」
おさわりじじいの封印計画として、ナナヤを鍛えて貰う案を出していたが失敗した。
「ナナヤなら、おさわりじじいをあしらえるかと期待していましたが、かわいそうな事をしてしまいましたな」
「ええ、ナナヤなら多少触られても適当にあしらうかと思っていましたが、意外とガードが堅いです」
「ユウタにだけ心を許していた、そういう事か」
「ですなあ」
「いえ、口では色々言っていますが、僕がナナヤを抱き着けば、何を言われるか分かりません」
「そうなのか? どう見てもユウタなら大丈夫に見えるが? まあいい、実はまた問題が起きてな。今丁度揉めているのだ」
「おさわりじじいではない問題ですよね?」
「ワルブのギャングを捕まえた際に罪人にしようとしましたが、他の冒険者や兵士のオオカミ族がいまして、反対されました」
「オオカミ族は種族のきずなが強いですからね」
「ええ、そこで兵士として部隊を分散させて管理してもらっていたのですが問題が起きました」
「たまたま任務の都合で部隊を合流させる事態に陥ってな。そこでオオカミ族8人が結束して兵士に暴行を加える事件が起きたのだ」
兵士の任務は不確実性の塊だ。
いつモンスターを倒し終わるか分からない、いつトラブルが起きるか分からない。
工兵の作業も思ったより土が堅かったり、モンスターが出てくれば期限が遅れる。
オオカミ族が群れになると問題を起こす可能性は上がるのは分かっていても部隊を合流させた方が良い場合もある。
オオカミ族をまとめたらまずい、は色々ある問題の1つに過ぎなかった。
今回は部隊を合流させてそれが悪く出たか。
「問題を起こしたオオカミ族に罰を与える、では駄目なんですね?」
100のギャングに重い罰を与えようとして他のオオカミ族が反対した経緯がある。
事はそう単純ではないのだろう。
「帰還した兵士が揉めています。様子を見に行った方が分かりやすいでしょう」
王と大臣に案内されて兵士の所に向かうとオオカミ族の女性が声を上げていた。
「ウチが責任を取るって言ってるだろうが!」
大臣が俺に耳打ちした。
「彼女の名前はブラウ、ワルブの従妹で、今は彼女がオオカミ族のリーダー的存在です」
ブラウを見るとブラウンのショートカットヘアとブラウンの目。
頭からはオオカミの耳とふさふさの尻尾が生えていた。
ぴっちりとしたショートTシャツとショートパンツを着ており上半身は細めだが胸はある。
お尻と太ももがかなりしっかりしている。
蹴りを主体で戦うタイプだろう。
レオナルドさんは困った顔をして諭すように言った。
「だがなあ、問題を起こしたなら、問題を起こした本人が罰を受けるのが普通だ。誰かが変わるとかそういうのじゃないんだ」
「じゃあウチが重い罰を受ける!」
「そういう事じゃないと言っている! ……王が来たようだ」
ブラウか。
同族を守ろうとしているのを見ると愛は深い。
でもその愛は、愛する者が殺されたりひどい目にあった場合、恨みに変わる。
オオカミ族の絆の強さが問題をややこしくしている。
今回の件も難しそうだ。
ブラウは俺を見た瞬間にキッ! と俺を睨みつけた。
ブラウはワルブの従妹だ。
俺はワルブを倒して奴隷にした。
ワルブ1人が罪を被る形になったわけだがその後ワルブが死んだ。
俺が捨て石のように使う事を決めた為だ。
「今回、僕は恨まれているようなので力に離れないと思います」
「待つのだ。案を出すだけでもいい」
「……案、ですか。ブラウは同族を守りたいんだよな?」
「そうだ! なにか文句あるのか!」
「いや、優しいんだなと思っただけだ。仮にだ。罰としておさわりじじいの相手をしろと言ったら受けるのか?」
「それで済むなら……受ける」
その瞬間に周りにいたオオカミ族が怒りだした。
「……というわけです」
「おさわりじじい封印計画は失敗したか」
「はい」
おさわりじじいの封印計画として、ナナヤを鍛えて貰う案を出していたが失敗した。
「ナナヤなら、おさわりじじいをあしらえるかと期待していましたが、かわいそうな事をしてしまいましたな」
「ええ、ナナヤなら多少触られても適当にあしらうかと思っていましたが、意外とガードが堅いです」
「ユウタにだけ心を許していた、そういう事か」
「ですなあ」
「いえ、口では色々言っていますが、僕がナナヤを抱き着けば、何を言われるか分かりません」
「そうなのか? どう見てもユウタなら大丈夫に見えるが? まあいい、実はまた問題が起きてな。今丁度揉めているのだ」
「おさわりじじいではない問題ですよね?」
「ワルブのギャングを捕まえた際に罪人にしようとしましたが、他の冒険者や兵士のオオカミ族がいまして、反対されました」
「オオカミ族は種族のきずなが強いですからね」
「ええ、そこで兵士として部隊を分散させて管理してもらっていたのですが問題が起きました」
「たまたま任務の都合で部隊を合流させる事態に陥ってな。そこでオオカミ族8人が結束して兵士に暴行を加える事件が起きたのだ」
兵士の任務は不確実性の塊だ。
いつモンスターを倒し終わるか分からない、いつトラブルが起きるか分からない。
工兵の作業も思ったより土が堅かったり、モンスターが出てくれば期限が遅れる。
オオカミ族が群れになると問題を起こす可能性は上がるのは分かっていても部隊を合流させた方が良い場合もある。
オオカミ族をまとめたらまずい、は色々ある問題の1つに過ぎなかった。
今回は部隊を合流させてそれが悪く出たか。
「問題を起こしたオオカミ族に罰を与える、では駄目なんですね?」
100のギャングに重い罰を与えようとして他のオオカミ族が反対した経緯がある。
事はそう単純ではないのだろう。
「帰還した兵士が揉めています。様子を見に行った方が分かりやすいでしょう」
王と大臣に案内されて兵士の所に向かうとオオカミ族の女性が声を上げていた。
「ウチが責任を取るって言ってるだろうが!」
大臣が俺に耳打ちした。
「彼女の名前はブラウ、ワルブの従妹で、今は彼女がオオカミ族のリーダー的存在です」
ブラウを見るとブラウンのショートカットヘアとブラウンの目。
頭からはオオカミの耳とふさふさの尻尾が生えていた。
ぴっちりとしたショートTシャツとショートパンツを着ており上半身は細めだが胸はある。
お尻と太ももがかなりしっかりしている。
蹴りを主体で戦うタイプだろう。
レオナルドさんは困った顔をして諭すように言った。
「だがなあ、問題を起こしたなら、問題を起こした本人が罰を受けるのが普通だ。誰かが変わるとかそういうのじゃないんだ」
「じゃあウチが重い罰を受ける!」
「そういう事じゃないと言っている! ……王が来たようだ」
ブラウか。
同族を守ろうとしているのを見ると愛は深い。
でもその愛は、愛する者が殺されたりひどい目にあった場合、恨みに変わる。
オオカミ族の絆の強さが問題をややこしくしている。
今回の件も難しそうだ。
ブラウは俺を見た瞬間にキッ! と俺を睨みつけた。
ブラウはワルブの従妹だ。
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「……案、ですか。ブラウは同族を守りたいんだよな?」
「そうだ! なにか文句あるのか!」
「いや、優しいんだなと思っただけだ。仮にだ。罰としておさわりじじいの相手をしろと言ったら受けるのか?」
「それで済むなら……受ける」
その瞬間に周りにいたオオカミ族が怒りだした。
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