転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第112話 最高の攻撃

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 アリーチェに背負われたバンパイアの女性が魔法を使った。

「メギド!」

 黒い炎がジョーカーに向かって行く。

「甘い!」

 ジョーカーはメギドを躱した。

 だがメギドは方向を変えてジョーカーにぶつかる、その瞬間にメギドの炎がジョーカーを覆った。

「言い忘れていたね。メギドは誘導魔法だ」
「大したことは、ない」

「そしてその炎はしばらく消えないよ。ジョーカー、君をじわじわと焼いていく」

 アリーチェがバンパイアの女性を背負ったまま走り去った。

 むくり!

「年寄りにはさすがに堪えるわい」
「おさわりじじい! なぜ死なない!」

 おさわりじじい、ナイスだ!
 死なないと信じていた!

「ひゃっひゃっひゃっひゃ! 焦るでないわ!」
「所でジョーカー、俺の固有スキルなんだけど、今使えると思うか? それともまだ使えないと思うか?」

 ジョーカーが焦る。

 メギドで体が焼かれ、おさわりじじいが起き上がり、俺が脅しをかけている。

「続きを始めようか。 アタックダイス! ナイフ!」

 ジョーカーが走って逃げていく。

 そうなるよな。

 表門に向かって走るジョーカーを俺は追いかけた。

「総員! 矢の雨を放つのですわ!」

 表門に近づいたジョーカーに矢の雨が降り注いだ。
 矢の雨に混じってサーラの強力な矢が放たれる。

 ジョーカーは燃えながら矢の雨を浴びて、サーラの矢を受けた。

 防壁の真下に逃げ込もうとしたジョーカーに待ち構えていたレオナルドさんが斬りかかった。

「ぎいいいいいい! ナイフ! アタックダイス! 邪魔するなあああああああああああああああああああああ!」
「逃げるな! 戦え! 獅子の牙!」
「ぐぼおお!」

 ジョーカーが壁に叩きつけられるがそれでも防壁の門を突破した。

 防壁の上から矢の雨とサーラの矢が襲い掛かる。

 矢を受けながらも速度を上げて逃げようとする。

 俺はジョーカーを追いかけた。

「ダイスレイン! マジックハンド!」

 マジックハンドでジョーカーを捕まえた。
 ジョーカーは必死になりながらステッキでマジックハンドを壊していく。
 
 だがその間にダイスは6の目を出した。

「最高の目が出た!」
「ユウタああああああああああああああああああああああ! 僕をハメたなあああ! お前の狙いは僕を!」

 ダイスレインがジョーカーに降り注いだ。

 ドドドドドドドドドドドドドドドチュドドーン!

 地面がえぐれ、ジョーカーが黒い炎で燃えながらアタックダイスの爆発で体が崩れていく。
 ジョーカーが黒い霧に変って魔石を落とした。

「ラッパ!」

 俺はラッパを吹いた。

 歓声は無かった。

 エルフのみんなは防壁の上で座り込む。

 表門を通るとレオナルドさんも座っていた。

「無理をさせました」
「いや、ユウタ程無理はしていない」
「良かったです」
「ん?」

「今回は、レオアルドさんが傷だらけじゃないですから」
「はははは、そう言えばそうだな」

「ユウタ! すぐに金貨を渡すんじゃ! ワシは無理に無理を重ねて奇跡の足止めを成功させた! 成し遂げた! ある分全部よこすんじゃ!」
「……分かった」

 俺は金貨をすべて出した。

「金貨5328枚だ」

 テンションが下がる。

「ははは、終わった後もユウタは苦労するようだな」

 レオナルドさんの視線の先を見ると、メギドを使ったバンパイアの女性が日傘をさしながら優雅に歩いて来た。

「無事に終わったようだ」

 防壁の下で日傘を閉じて俺に優雅な壁ドンをした。

「血を吸わせてもらう契約は覚えているね?」
「……はい、初期復興が終わってからでもいいですか?」
「仕方がない。君たちの都合は汲もう。だが、7日以内に来るんだ」
「……分かりました」

 バンパイアの女性が帰って行くと同時にサーラがすれ違うように歩いて来た。

「ユウタ、色々大変ですわね」
「そうだな」
「ですが、戦いが終わった後、わたくしと遊んで下さるお話は覚えていますの?」

「そ、それは、覚えているけど」
「大丈夫ですわ。復興の為には食料と木材が必要ですわ。久しぶりに食料都市マリンに行きつつ物資を調達をしてその間に遊ぶことが出来ますわ」

「ユウタ、王には言っておく。物資は必要だ。何をするかで文官が揉める前に早く動いた方が良いだろう」
「そ、そう、ですね。サーラ、行こうか」

 俺はサーラの手を取った。

「馬車!」

 サーラをエスコートして馬車にのせた。
 2人で食料都市マリンに向かって行く。

 横で座るサーラは俺にもたれかかって眠り始めた。

「サーラ、お疲れ様」

 俺はアリーチェと巫女のスキルをして、激戦が終わった後なのに、

 サーラのぬくもりに触れて、

 無防備なサーラの寝顔を見て、

 興奮していた。
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