転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

第110話 策士の弱点

　俺は無心で攻撃を繰り出した。

　ジョーカーはおさわりじじいを警戒しながら俺を警戒して戦う。

「おさわりじじいは寝ている、いや、今この場で瞑想しているのか」
「おさわりじじいならこういう事を言うだろう。ジョーカー、お前はつまらんとな！」

「どういう事だ！」
「俺も分からない！　おさわりじじいを攻撃して叩き起こして直接聞くんだな！」

　俺は思わせぶりな言葉を何度も投げつけた。
　俺のステッキ攻撃が当たり始めた。

「ぐううう！　ナイフ！」
「ナイフ！」

　ナイフが交差して俺はすべてのナイフを避けるが、ジョーカーは2発食らった。

「アタックダイス！」
「アタックダイス！」

　アタックダイスが相殺する、と見せかけてダイスを方向転換した。
　俺は腰からサーカス団のみんなに貰ったナイフを取り出してジョーカーのアタックダイスに投げつけた。

　ジョーカーのアタックダイスは空中で爆発し、俺のアタックダイスはジョーカーにヒットした。
　爆発と共にジョーカーがバックステップを踏んだが俺はそれを追いかけた。

「どうした！　おさわりじじいから逃げたいか！　距離を取りたいか！」
「ぐううう！」
「固有スキルが回復するまで粘るつもりか！　お前の固有スキルは1時間で回復するんだよな！」

「……」
「お前は弱っている！　固有スキルを使うまで粘るしか道はない！　千変万化のおさわりじじいと違ってな！」

　俺はまた嘘をついた。
　おさわりじじいは千変万化というより変人だ。
　その瞬間にジョーカーはおさわりじじいがいる方を振り向いた。

「隙だらけだ！　戦いの中で目を逸らすなあああああ！」
「ぐべええええええ！」

　ステッキの連撃を叩きこんだ。

「ナイフ！」
「ナイフ！」

　8発のナイフがジョーカーに突き刺さった。

「アタックダイス！」
「アタックダイス！」

　お互いの目が出る瞬間に俺はジョーカーに急接近した。
　俺とジョーカーもろともアタックダイス同士の衝突爆撃を食らった。

　俺は普通ではない戦いを繰り返し、おさわりじじいの話を振り続けた。


　◇


「やっとだ。やっと回復した」
「固有スキルか」
「それだけじゃない。弱体状態も回復した」
「黒い笛でも使うか？」

　俺は構えた。

「使おうとした瞬間にナイフが飛んでくるのは分かっている。アタックダイスが飛び、お前は殴り掛かって来るだろう」
「さあ、どうだろうな」

「だから、ここで終わらせる」

　ジョーカーが使える固有スキルは兵士の情報によれば恐らく6つ

　復活
　カースウォー
　デスサイズ
　ゴブリンの笛
　バトルゴーレム
　黒い笛

　復活を1時間に1回使うの効果が高すぎる、恐らく再使用までの時間は長い。
　そしてゴブリンの笛はゴブリンを異空間に収納する前準備が必要だ、これも連続では使えない。
　警戒すべきは……

　自己強化のカースウォー
　斬撃のデスサイズ
　巨大なゴーレムを召喚するバトルゴーレム
　そして相手を弱体させる黒い笛

　この4つだ。

　出来れば固有スキルが復活する前に倒せればよかったが無理だった。
　俺もジョーカーもお互いに遊び人で攻撃を読み合い、攻撃は中々当たらない。
　そしてお互いに火力不足でしぶとい。

「バトルゴーレム！　デスサイズ！　カースウォー！」

　巨大なゴーレムがあらわれた。

　ジョーカーのステッキが黒いカマに変わり、ジョーカーを黒いオーラが覆った。

　これが強化＆斬撃、ジョーカーの最大攻撃か。

　俺はバックステップを踏んだ。

「逃がさない！」

　ジョーカーがカマを振ると黒い斬撃が発生した。