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第97話 更にギャンブル

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「ギャンブルの内容を教えてください」
「うん、俺はセリアをマッサージする。マッサージは嫌じゃないんだよな?」
「はい?」
「で、セリアが最後までシテ下さいというまで2人が1つにならないようにする。でも、我慢できるかどうか分からない」

「ユウタの好きにしていいので私に今そう言わせればいいじゃないですか」
「う~ん、違うんだ。セリアって優等生というか、いい子ちゃんみたいな感じだろ? 2人に流されてないか気になるわけですよ。マッサージは好き、でも1つになるのが好きかどうかは分からないだろ?」

「シタ事がありませんから、やってみない事には、どんな感じかは分かりません」
「……やっぱりか」

「……私がシテ下さいと言ったら私の負け、ユウタが我慢できなくなってシテしまったらユウタの負けでいいですか?」
「そうなんだけど、そこまで堅苦しくしなくて大丈夫だ。どうなっても罰とかはないし。でも、心からセリアには俺を求めて欲しいのはあるかな。俺のすべてを求めて欲しい、的な」

「何となく、分かります。私がユウタに来て欲しいと思っているのと似ていますね」
「そうだな。でも俺はリードされたいんじゃなくて、求めて欲しい感じだからちょっと違うかな」

「ええ、いいですよ。私も、ユウタが我慢できなくなるところを見たいです」
「時間はどうする?」
「明日の夜明け、朝日が出たら終わりにしましょう」
「分かった、今から始めよう」

 ベッドの横に水差しとコップを置いた。

 俺はセリアの服を脱がせて下着だけにした。



【セリア視点】

 私はうつ伏せに寝てユウタのマッサージを受けた。

 私の熱がどんどん上がり汗ばんでいく。

 ユウタは私を起こしてユウタを背もたれにするように座った。

 ユウタのマッサージで私は弓のように体をしならせた。

 まるで天国へと昇るような気持ちよさが体中を駆け巡った。

 私はまた操られる、操られ続けるんだ。

 でも、今日のマッサージはいつもと違った。
 私が天国に昇ろうとするとユウタが手加減をした。

「ふぇ?」
「どうした?」
「な、何でもありません」

 ユウタは私が天国に昇ろうとするたびに手の動きを止めた。
 何度も、何度も何度も私が操られる前に手を止める。

「どうして? ですか?」
「何がだ?」
「……いえ、なんでも、ありません」
「そっか」

 私の体はユウタの本気を求めるようになっていた。

 ユウタに本気で来て欲しい。

 ユウタ、手加減しないで!

 ユウタ、もっとおかしくして!

 気持ちいいのに欲求が募っていく。

「はあ、はあ、はあ、はあ」
「セリア、最後までシテ下さいって言って欲しいな」
「ふ! 負け、あ! ません」
「だよなあ。セリアって結構負けず嫌いだよな」

 ユウタが私の頭を撫でる。

 それが気持ちいい。

 でも、最後までいけない。

 意識を失う事が出来れば楽だった。

 私の本能が感じた。

 私は操られていないんじゃない。

 私がユウタに求めるように、

 ユウタに操られようとしている。

 最後まで昇る前の段階でとどまる、とどめられ続けた。


 ◇


 もう、おかしくなる。

 負けたくない、なんで?

 何で負けたくないの?

 ユウタに、負けそう……負けたい。

「セリア、朝日が出てきた。セリアの最後までシテ下さいが聞けなかったか。ショックだな」

 勝った?

 たえ、きった。

 耐えることが、出来た。

 でも、苦しい。

 ユウタがベッドから降りようとした瞬間に私はユウタの腕を両手で掴んでいた。


「セリア?」
「え、あれ? なんで私、手を、掴んで」

「コーヒーを淹れよう」
「……はい」
「……セリア、手を離さないとコーヒーを淹れられない」

「……さい」
「え?」

「……テ下さい」

「はあ、はあ、最後まで。テ下さい」

 私は生まれたままの姿になり、土下座をしていた。

「はあ、はあ、ユウタ、最後までシテ下さい。お願いします! 最後までシテ下さい!」
「はあ、はあ、もう、我慢できないから」
「来て、下さい、最後、まで」

 私はユウタの女になった。


 私はユウタの上に乗って揺れながら女になり続けた。

「ユウタ、最後、まで、シテ、くだ、さい」
「3回連続で言って、セリア、頑張って」

「はひ! さ、い、ご、まで、シテ」

 私は一瞬意識を失った。

 3回連続で言う事が出来ない。

 何度も意識を失った。

 1回負けてから、数えきれないほどユウタに負け続けた。

 調教された。

 操られた。

 半分意識を失う無防備な夢の世界。

 私は何度も屈した。

 ユウタの前で、私は賢者でいられない。

 私は、ユウタの……
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