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第96話 3人のダイス

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 王都に入ると家を目指した。

「皆、お疲れ様。今日は休もう」

 俺は家に、マイホームに戻るのだ。
 俺の後ろをサーラ・アリーチェ・セリアがついて来た。

「あれ? 何かあるのか?」
「気にしなくて大丈夫ですわ」
「暗くなって来たわ。食事にしましょう、ユウタの家で」

「ん? うん、そうしよう。最近ゴーレムをあまり使っていなかったから、ゴーレムに料理を作って貰おう」
「いいですね。ゆっくりとお話が出来ます」

 家に帰るとみんながお風呂を済ませる。
 その間にゴーレムが食事を作った。

 4人でテーブルを囲んで食事を摂り、ゴーレムが皿を片付ける。

「ノミモノデス」
「ありがとう」

「ユウタ、ゲーム、いえ、ギャンブルをしません?」
「私とサーラ、アリーチェでギャンブルをして負けた2人はすぐに帰ります」

 なんだろう?
 残った誰かと朝までいるみたいに聞こえる。
 エロい妄想が広がってしまって

「あれ、疲れているのかエロい妄想をしてしまう」
「合っています。残った誰かと朝まで過ごしますのよ?」

「ベッドの上で?」
「それでもいいですし、お風呂でも、ユウタの好きなようにしてください」
「好きなようにと言われると、本当に好きなようにしてしまうから」

「私はそれで大丈夫よ」
「わたくしもそれで大丈夫ですわ」
「私も大丈夫です」
「ユウタ、わたくし達は全員、避妊の魔法をかけています。何をしても大丈夫ですわ」

 興奮して来た。
 どれが出てもスル事が出来る。

 奇跡じゃないか!

「3人の意見がまとまりすぎている気がする」
「話をしましたよ。アリーチェだけずるいって」
「巫女のスキルがあるから、仕方がないのよ」
「ずるくないわ」
「ずるいですわ」
「ずるいです」
「ずるくない」

「というわけで、結果ギャンブルで決める事にしましたわ。ダイスで勝負、1か2が出ればわたくしの勝ち、3か4はアリーチェの勝ち、5か6ならセリアの勝ちですわ」
「はあ、はあ、分かった。ダイスを振るぞ。ダイス!」

 テーブルの上でダイスが踊る。

 どの目が出る?

 分からない。

 でもそれが興奮する!

 ダイスの動きが穏やかになっていく。

「6、私の勝ちですね」
「セリアの勝ち、ですのね。今日は帰りますわね」
「私も帰るわ」

 サーラとアリーチェが帰って行った。

「二人きりですね」
「はあ、はあ、そうだな」

「謝りたいことがあります」
「ん?」
「私はユウタにきつく当たっていました」
「いつの事だ?」
「ゴーレム狩りの後です」

「あー、機嫌が悪そうな時はあったな」
「私は、ユウタからマッサージをしに来て欲しいと思っていました。でも、向こうの世界でそれをすれば犯罪者になるんですよね? ただお尻を触っただけで、胸を触っただけで」

「そう、なったりもする」
「サーラから言われました。ユウタは私が嫌がっていると、そう思っていると」
「うん、もしかしたら、セリアは触られたくないから怒ったのかと思っていた」

「違います。私はユウタに、ユウタのリードで来て欲しかったんです。でも、それは私のわがままです」
「気にしてないから大丈夫だ、安心した」

「安心、ですか?」
「嫌われてないんだろ?」
「嫌うわけ、無いです」

「……」
「……今思った」

「何です?」
「賭けをしないか?」
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