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第85話 エルフ

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 大量の食料と丸太を持ち帰ると王と大臣が笑顔で出迎えた。

「一カ月も経たずに鉄鉱石・木材・食料問題が解決した。礼を言うぞ」

 正確に言えば木はまだまだ足りない。
 今でも木は切り続けられているし、兵士が工兵として作業をこなしている。
 解決の見込みが立ったが正確なところだろう。

「生産力は元々あったので、物流をやっただけですよ。それにみんなも頑張りました」

「残るは、治安問題と少数部族との協力強化です。治安問題は盗賊の討伐ですが、盗賊はスカウトが多く、良く逃げられ、拠点も良く変わるので対処が難しい、ですが少数部族との協力なら、ユウタ殿の出番かと」

「交渉は得意ではありませんよ?」
「実を言うと、兵士をエルフの元に向かわせましたが、交渉を失敗しました。そこでユウタ殿に行っていただきたい」
「い、いやいやいや! 兵士が行って駄目だったんですよね?」

「いやいやいやいや! ユウタ殿なら行ける可能性もあると考えます! 王と私は期待しています」
「交渉の条件は?」
「協力条件はオークの討伐、王都への出入り自由、その2点が達成された場合協力するが戦闘中に危なくなったら逃げるとのことでした。前回はオークを討伐する余裕が無く諦めました。交渉内容はユウタ殿の判断に任せます。もちろんセリアにも行ってもらいます」
「オークか」

 交渉力じゃなくて、オークを倒せる戦力の方が大事で、今は軍を動かしたくないんだろう。

「オークは体力が高く、エルフが得意とする矢が効きにくいのだ。しかもエルフの女を襲い死ぬまで子を産ませる」
「オークの討伐は必須ですね。すぐに向かいます」

 4人でエルフの里に向かった。
 里は遠く、向かう途中でアリーチェと1つになり巫女の固有スキルを発動させた。


 エルフの里に入ると普通に中に入る事が出来た。

「ようこそエルフの里へ! 歓迎します!」

 エルフのお姉さんが出迎えると大きな木に作られた家に案内された。
 美男美女が揃っており、皆フレンドリーだ。

「アクア王国とエルフの協力関係を結びたく、交渉に来ました。ユウタと言います」

 俺はすっと頭を下げた。

「ご丁寧にどうも。私はエルフのまとめ役、ナナヤです」

 女性エルフが頭を下げると他のエルフも頭を下げた。

「条件はオークの討伐、王都への出入り自由の2つが満たされた場合協力出来て、危なくなったら撤退すると、その条件で良いでしょうか?」
「ええ、いいですよ。オークを倒してくださるなら、結果によっては条件を甘く出来ます」

「オーク討伐が必須と、そういう事ですね?」
「はい、オークだけは本当に無理なので、オークはエルフの敵ですから」

「場所の探索から始めようと思います」
「場所は分かりますよ」

 エルフのお姉さんが地図を持って来た。

「この5点です。案内も出来ます。倒してくださるなら食事や物資の用意から案内まで全部出来ます」
「今から行きましょう」
「今からですか、いいですね! ぜひぜひ!」

 案内を受けつつエルフのお姉さんが話しかけてくる。

「オークが1238体いますが、作戦はあるんですか?」
「サーラが逆サイドから攻撃を開始して、サーラに注意が向いた所でセリアが大魔法を使って混乱した所に僕とアリーチェが突撃します」
「わあ、無謀ですね。木に登って隠れてますね」

 エルフのお姉さんが笑顔で言った。

「それで大丈夫ですよ」

 サーラが逆サイドから攻撃を開始し、オークが叫んでサーラに注意が向いた。

「行ってきますね」
「はいはい! 気をつけてください!」

 セリアが前に出た。

「サイクロン! サイクロン!」

 拠点のテントが吹き飛ばされ、オークの陣形が乱れた。

「行くぞ! ダイスレイン!」
 
 5の目が出た!
 当たりだ!
 500の小さいダイスがバウンドしてオークに向かって降り注ぐ。

 チュドドドドドドドドドーン!

 ダイスが爆発してオークが倒れていく。
 これで完全に流れを制した。
 4人の攻撃でオークが倒れていく。


 オークを全滅させるとエルフのお姉さんが俺に抱き着いた。

「凄い凄い! 良いですよ! 次も行けますか!?」
「僕は、1時間休んでから行けますが」

 ただ、セリアは大魔法を2回も使った。

「ここより弱い所なら行けます」
「ここが一番弱い所です」
「セリア、マッサージをしていいか?」
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