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第82話 ボスゴーレムに向けて

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 セイテーツに戻って来るとみんなの対応が異様に良くなった。
 みんな、お腹がいっぱいになってゆとりが出たんだろうな。
 良かった。

 俺は一番立派な建物に案内されて眠った。


 朝日で目覚めると食堂に向かう。
 何も言っていないのに豪華な食事が出てきた。
 めっちゃうまい!

 4人で合流すると、ゴーレムの話になった。

「このゴーレムの出かたは、ボスがいますわね。場所は大体、特定しましたわ」
「今から倒しに行こうか」
「そうですね」

「……明日にしましょう」
「アリーチェ、どうしましたの?」
「一番前に出そうなアリーチェが後回しにするのはおかしいです」

「今日の夜に、巫女のスキルが使える、しぃ」
「……そういう事ですか」
「疲れが、たまってるし」
「疲れはしましたが、まだまだ行けますよね?」

「俺のマッサージで、皆を回復させて午後から出発しないか?」
「そうしますわ」
「分かったわ」
「セリア、マッサージはやめておくか?」

「私も受けます。万全の状態で挑みます!」
「セリアは、マッサージを受けた事がありますの?」
「ありませんよ? え? なんです?」
「いえ、ここで言うのは、人の耳もありますし」

 セリアが目を向けるとサーラとアリーチェが目を逸らした。

「なん、ですか?」
「時間的に1人1時間くらいか」
「そう、ですわね」
「セリアが最初で良いわよ」
「分かりました。疲れがたまっていたので先に休みますね」

 4人で部屋に向かった。

 私はベッドに横になった。
 サーラとアリーチェは横のベッドに座って私を見ていた。

「何です?」
「気持ちよすぎて、我慢できないかもしれませんわ」
「なんだか、皆のマッサージを見るだけなのにドキドキするわね」
「私の魔力は300越えですよ? 魔法には強いです」

「そうかも、しれませんわね」
「確かに、私とサーラは魔力が低いわ」
「魔力を流し込むから、あまり抵抗しないで欲しい。抵抗されるとマッサージの効果が落ちるから」

「分かりました。それでも効果は半減すると思いますよ?」
「かもな。時間が無いから、本気でマッサージする」
「はい、本気でお願いします」

 俺は魔力を流し込んだ。


 ◇


【セリア視点】

「ンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン! んんんおおおおおおおおお!」

 出してはいけない声を出した。

 何度も体が仰け反った。

 魔力で防いでいるはずなのに防げない!

 何度も意識が飛んで、気持ちよさでまた目が覚める。
 それを繰り返した。

 こんなの、耐えられるわけがない。

 耐えられなくてシーツを強く掴み、そして私は気を失った。



 目が覚めるとアリーチェも同じように、ユウタのマッサージを受けていた。
 ぼーっとしながらアリーチェを見ると、アリーチェが意識を失って別のベッドに運ばれた。
 サーラも同じ、すぐに肌が赤く染まり、汗をダラダラとかきながら操られる。

 ユウタの顔を見て分かった。
 ああ、私達が気持ちよくなるのが嬉しいんだ。
 耐えるしかない私達と、楽しそうなユウタ。
 ユウタはいつまででもマッサージが出来る。

 楽しんで勝負を仕掛けてくるユウタ。
 反対に私は、耐えても耐えても熱を上げられていく、自分の体なのに操られるように熱が上がっていき、ユウタのマッサージに屈していく。

 私は、眠りに落ちた。


 ユウタがぺちぺちと優しく頬を叩いた。

「ごめんな、ゆすっても起きなかったから」
「おはよう、ござい、ます」

 ユウタの触れた頬に触れると、肌の調子がいい。
 サーラも、アリーチェも、調子がよさそうだ。

「さあ! ゴーレム狩りに行こう!」

 私達はゴーレムの住処に向かった。
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