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第80話 鉱山の村セイテーツ
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「村の様子がおかしいです。活気が無いというか、みんな元気がありません」
「長老の所に行こう」
木で出来た長屋が並んでいて、2カ所火事で倒壊している。
セリアに案内されて長老の家に向かうと40才ほどに見える体格のいい男が出てきた。
「セリアさんか、入ってくれ」
全員で椅子に座った。
長老の奥さんが水を出してくれて、飲みながら話を聞く。
「見ての通りみんな痩せている。食糧庫がゴーレムに襲撃されてな」
「食糧庫は3つに分散されていたはずですよね?」
「3つの内2つがゴーレムに襲われて、その2つが火事で燃えた」
火事が起きたらすぐに燃え広がりそうな家が並んでいる。
問題の根本は襲撃して来たゴーレムか。
「残念だが、ご馳走は期待しないでくれ。今は兵士以外一日1食の状況だ。なあ、食料を運んでくることは出来ないか?」
「ユウタ、食料を貯めこんでいましたよね?」
「うん、そうだけど、全部出しても村人全員分とはいかない、けど一旦全部出す」
アイテムボックスから食料を出した。
「おおおお! ありがたい!」
「お父さん、パンが食べたい」
「我慢しなさい、皆で分けるから」
「お腹空いた! お腹空いたよおお! えーん!」
子供が泣きだして、長老が悲しそうな顔をした。
親が子供に食べさせることが出来ない状況。
本当ならお腹いっぱいパンを食べさせたいはずだ。
でも、長老は皆を守る役目がある。
『我慢しなさい、皆で分けるから』
そんな言葉を言わせたくない。
この世界は、余裕が無いんだ。
俺が転生した食料都市が、一番余裕がある街だった。
食べ物の事は気にしなくていい。
今出来る事がある。
出来る事は全部やる!
「みんな、俺は1人で食料都市マリンに行って来る。鉄鉱石をあるだけ王都に運びたい。これは王からの手紙だ」
「ここにある鉄鉱石は全部持って行ってくれ! だから頼む、食料を持って来てくれ!」
「分かりました。鉄鉱石を持てるだけ持ってすぐに出発します!」
俺は鉄鉱石をアイテムボックスに入れて走った。
山を下りると馬車に乗って走る。
馬車の耐久力が切れてもいい!
壊れたらまた次の馬車を出す!
その馬車が壊れたら走る!
「うおおおおおおおおおおおおお!」
【王都グラスヒル】
表門の前で止まると兵士が近づいて来た。
「な、何かありましたか!」
「ああ、緊急事態だ! セイテーツが火事で食糧危機だ! すまないがセリアの手紙と鉄鉱石だ!」
俺は表門の前に鉄鉱石を出し、手紙を渡した。
「え? ちょ!」
「悪い! 本当に時間が無いんだ!」
俺は兵士に鉄鉱石と手紙を押し付けるように渡して食料都市マリンを目指した。
オークの群れが見えた。
「邪魔だああ! ダイスレイン!」
チュドーン! ドゴドドドドドドドーン!
俺は急いだ。
【食料都市マリン】
店を巡り、農家を巡って食料を買い占めた。
そして最後にアリーチェの父さんの店に向かった。
「ど、そうしたんだい? そんなに急いで」
「はあ、はあ、このお金で今ある食料を全部下さい!」
俺は金貨をすべて出した。
「こ、こんなに!」
「余った分で、食料を全部ためておいて欲しいです! それでも余れば丸太を買ってください!」
「何があったのかな?」
「セイテーツの村で火事があり、食糧庫が燃えました。村のみんなは1日一食しか食べられず、王都の食料も足りません!」
「分かった。出来るだけの事はしよう」
「ありがとうございます!」
俺は食料を補充してセイテーツに向かった。
「長老の所に行こう」
木で出来た長屋が並んでいて、2カ所火事で倒壊している。
セリアに案内されて長老の家に向かうと40才ほどに見える体格のいい男が出てきた。
「セリアさんか、入ってくれ」
全員で椅子に座った。
長老の奥さんが水を出してくれて、飲みながら話を聞く。
「見ての通りみんな痩せている。食糧庫がゴーレムに襲撃されてな」
「食糧庫は3つに分散されていたはずですよね?」
「3つの内2つがゴーレムに襲われて、その2つが火事で燃えた」
火事が起きたらすぐに燃え広がりそうな家が並んでいる。
問題の根本は襲撃して来たゴーレムか。
「残念だが、ご馳走は期待しないでくれ。今は兵士以外一日1食の状況だ。なあ、食料を運んでくることは出来ないか?」
「ユウタ、食料を貯めこんでいましたよね?」
「うん、そうだけど、全部出しても村人全員分とはいかない、けど一旦全部出す」
アイテムボックスから食料を出した。
「おおおお! ありがたい!」
「お父さん、パンが食べたい」
「我慢しなさい、皆で分けるから」
「お腹空いた! お腹空いたよおお! えーん!」
子供が泣きだして、長老が悲しそうな顔をした。
親が子供に食べさせることが出来ない状況。
本当ならお腹いっぱいパンを食べさせたいはずだ。
でも、長老は皆を守る役目がある。
『我慢しなさい、皆で分けるから』
そんな言葉を言わせたくない。
この世界は、余裕が無いんだ。
俺が転生した食料都市が、一番余裕がある街だった。
食べ物の事は気にしなくていい。
今出来る事がある。
出来る事は全部やる!
「みんな、俺は1人で食料都市マリンに行って来る。鉄鉱石をあるだけ王都に運びたい。これは王からの手紙だ」
「ここにある鉄鉱石は全部持って行ってくれ! だから頼む、食料を持って来てくれ!」
「分かりました。鉄鉱石を持てるだけ持ってすぐに出発します!」
俺は鉄鉱石をアイテムボックスに入れて走った。
山を下りると馬車に乗って走る。
馬車の耐久力が切れてもいい!
壊れたらまた次の馬車を出す!
その馬車が壊れたら走る!
「うおおおおおおおおおおおおお!」
【王都グラスヒル】
表門の前で止まると兵士が近づいて来た。
「な、何かありましたか!」
「ああ、緊急事態だ! セイテーツが火事で食糧危機だ! すまないがセリアの手紙と鉄鉱石だ!」
俺は表門の前に鉄鉱石を出し、手紙を渡した。
「え? ちょ!」
「悪い! 本当に時間が無いんだ!」
俺は兵士に鉄鉱石と手紙を押し付けるように渡して食料都市マリンを目指した。
オークの群れが見えた。
「邪魔だああ! ダイスレイン!」
チュドーン! ドゴドドドドドドドーン!
俺は急いだ。
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そして最後にアリーチェの父さんの店に向かった。
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「何があったのかな?」
「セイテーツの村で火事があり、食糧庫が燃えました。村のみんなは1日一食しか食べられず、王都の食料も足りません!」
「分かった。出来るだけの事はしよう」
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俺は食料を補充してセイテーツに向かった。
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