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第74話 学園闘技大会

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 学園闘技大会の会場に向かうと王がマイクを向けられ始まりの挨拶をしていた。
 挨拶が終わると王と目が合った。

「ユウタ、前に出るのだ」
「え?」

 兵士が俺を前に案内した。

「いつもの闘技大会ではルーレットやダイスで個人戦や団体戦などのルールを決める。だがしかし、今回は奇策でゴブリンの軍勢を3度も押し返した奇才の遊び人ユウタがいる!」

 歓声が響いた。

「……静粛に、そこで、今回の闘技大会、ユウタにどのようなルールが良いか意見を聞こうではないか。何か面白い試みがあれば聞きたい」
「面白いかどうかは分かりませんが、未来を考えての発言でもいいでしょうか?」

「よい」
「1対1の勝ち抜き戦! 最初の選手はアリーチェを指名します!」
「して、その心は?」

「ゴブリンキングの襲撃で、アリーチェはゴブリン軍勢と果敢に戦い、その後エースゴッズオと戦い、そしてゴブリンキングとにとどめを刺しました。次のエース候補を皆に知ってもらう事は未来に繋がるかと思います!」

 俺は迷いなく言った。
 正直アリーチェを連れていこうとするたびに理由を聞かれたり、学園に入れないのは無駄だ。
 原因は皆がアリーチェの力をよく分かっていないからだ。

 だが学園生の反応はいまいちだ。

「アリーチェ? 強いは強いけど、学園3強ほどじゃないと思うわ」
「まだ学園に入ったばかりでしょ? 高く評価し過ぎよ」
「なんで学園3強じゃなくてアリーチェなんだ? 意味が分からない」

 学園の生徒はゴブリンの軍団と戦っていない。

「面白い! だがアリーチェが負けた場合はどうする?」
「勝ち抜き戦を継続します。学園の中で今誰が一番強いか白黒はっきりさせましょう。アリーチェが負ければ僕の目は節穴だった、それだけの事です!!」

「はっはっはっはっは! 自信ありか!」
「はい!!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」

「対戦相手はどうやって決める?」
「くじ引きで決めましょう」

「ちょっと待ったああああああああ! 1番手は俺がやる!」

 ぴかぴかと光る鎧を身に着けた男子生徒が手を挙げた。

「学園最強のゴルドだ!」
「ゴルドが手を挙げたぞ!」

「私もすぐに戦うわ!」
「ウチもだよ!」

 次に2人の女子生徒が手を挙げた。

「学園3強が全員手を挙げたぜ!」
「面白くなって来た! かなり面白い!」

「ユウタよ、どうする?」
「では学園3強は前へ!」

 3人が前に出た。

「手を挙げた順に、最初はアリーチェとゴルド君、次は白い彼女、その次は黒い彼女と戦ってもらいます。その後くじで勝ち抜き戦です」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」





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