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第66話 違和感

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 防壁に登りゴブリンの軍勢を眺める。
 王が話しかけてきた。

「こちらは4500、対して向こうは15000の大軍勢だ」
「兵数差3倍以上、しかもあのゴッズオより大きいゴブリンは?」
「ゴブリンキングだ」

「……おかしい。ゴッズオの姿が見えない。隠れているのか?」
「外套を着た背の高いゴブリンがいる、あれではないか?」
「いえ、外套を着るタイプには見えません」

 ゴッズオは筋骨隆々でいかにも体温が高く、暑苦しい見た目をしている。

「確かに違和感がある。ユウタが敵の立場ならどう考える?」

「キングをおとりにします。将をおとりにする事でこちらを出し抜き、裏門から攻めます」
「ぐぬぬぬ! これ以上兵を割くのはきついが、裏門にも分散させるしかないのか。斥候の監視を強化する!」

 斥候に向く人材=弓攻撃が出来るスカウトだ。
 弓攻撃は防衛線の要でもある。
 
「サーラ! セリア! アリーチェ! ステータスを見せて欲しい」



 ユウタ・男・15才
 ジョブ:★遊び人・商人
 体力:  301→306
 魔力:  301→368
 速力:  303→308
 器用:  352→353
 幸運:  548→555
 スキル:ステッキレベル10、曲芸レベル10、おさわりレベル10、ギャンブルレベル10、ゴーレムレベル1→6、馬車レベル1→6、アイテムボックスレベル1→6
 固有スキル:成長のカード、ダイスレイン、ミサイルナイフ、マジックハンド

 セリア・女・16才
 ジョブ:賢者
 体力: 107→110
 魔力: 318→328
 速力: 101→111
 器用: 102→103
 幸運: 128 
 スキル:全属性魔法レベル10
 固有スキル:マジックヒール

 サーラ・女・18才
 ジョブ:スカウト
 体力:   72
 魔力:   59
 速力: 149
 器用: 101
 幸運:  89 
 スキル:斥候術レベル8、回し蹴りレベル8、狙撃レベル6
 固有スキル:魔眼

 アリーチェ・女・15才
 ジョブ:戦士
 体力:34→69
 魔力:  9→49
 速力:30→61
 器用:23→55
 幸運:17→22
 スキル:戦士の心レベル5→7、残像剣レベル1→6
 固有スキル:乙女の接吻


 どうする?

 どうすればいい?

 防壁の門は表門と裏門の2つ。
 ここを薄くしすぎればストレートに表門を突破される。
 裏門を放置するのも危険だ。
 ゴッズオがいないのはおかしすぎる。

 裏門の外は数十メートルに渡って森を切り倒されているがその後ろは森だ。
 潜んで強襲が出来る。
 ゴッズオの斧で門は簡単に破壊される。

 スカウトの弓では止められない。
 くそ、兵力差がありすぎて余裕をもって兵を配置できない。
 戦う前から不利が決まっているのが痛い。

「俺とアリーチェ、サーラだけで裏門に行きます」
「頼んだぞ」

「アリーチェ、サーラ、着いて来てくれ!」
「分かりましたわ」
「分かったわ」

 俺達3人は防壁の上を走って裏門に向かった。



 
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