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第35話 アイアン王国
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布の屋根で出来た軽い馬車1台でアイアン王国を目指す。
メンバーは俺、サーラとその10人の部下だ。
サーラも歩き、交代交代で馬車で休む。
「川を渡ったら休憩ですわ」
国境付近の道は思ったより整備されていない。
馬車を数人で担いでへそまで濡れながら川を渡る。
サーラがスカートにしみ込んだ水をぎゅっと絞る。
きれいなしぐさで思わず見てしまう。
「優秀な商人が欲しいですわね」
「収納スキルとか馬車のスキルが使えるんだっけ?」
俺はパンツだけになって服をぎゅっと絞り、また履く。
靴だけは脱いだまま乾かす。
焚火でスープが出来上がり、パンと一緒に食べる。
「おお!これが旅用のパンか、カッチカチだな!」
「スープに漬けて食べるのですわ」
「おお!こうするのか」
「ふふふ、楽しそうで安心しましたわ」
「暖かくて天気がいい。馬車を担いで川を渡ったり、火を起こしたり、王女だって交代で歩くんだとか、やることや見る事が色々と新鮮で楽しい」
「良かったですわ」
「サーラはいいとして、皆疲れているな。休憩中にマッサージをしていいか?」
「助かりますが、無理はいけませんわよ」
「力が有り余っている」
「……分かりました。お願いしますわ」
マッサージをした2人が眠り始めたので馬車に乗せて道を進む。
更に馬が疲れると馬もマッサージしつつ皆の疲れが溜まらないように進んだ。
「ゴブリン7体ですわ!」
「3体だけ倒す!ナイフ!」
3体が魔石に変わると俺は後ろで新兵の戦闘を見守った。
国境付近は魔物が多く、何度も戦闘になった。
だが街や王都が近づくほど魔物が少なくなっていた。
「信じられませんわ」
「ん?」
「2日で到着しましたわ」
「もっと急いだ方が良かったか?」
「逆ですわ。到着が早すぎるのですわ。前にここから食料都市マリンに向かった際は手練れの護衛を4名ほど連れて進み、5日かかりましたわ。ですが、今回は新兵の訓練をしつつ進んで2日、かなり早いのですわ」
「皆が強くなったんじゃないか?」
「少しずつ成長はしています。ですそこまで劇的には変わっていませんわ」
「馬をマッサージしたのが良かったのか?」
「それもありますわね、それと、皆のお肌がとてもきれいで前より調子が良くなっていますわ。普通は旅は体調が悪くなるものですわ。わたくしとユウタの交代で見張りが出来たのも良かったですわね」
「ユウタさんのおかげです!」
「「ありがとうございます!」」
「食料は7日を見ていましたわ。ですが、5日分余りましたわ」
「孤児院にでも寄付するか?」
「そう、ですわね。その前にお父様に挨拶に行くのが先ですわ」
「王城に着いたら寄付は任せてください!」
「馬車の整備も頼んでおきます!」
「ええ、お願いしますわね」
王城に入ると俺はサーラと2人だけで王に謁見した。
「顔を上げよ!サーラ、元気そうで何よりだ」
「はい」
「それと、転生者の遊び人、ユウタだな?」
「はい。遊び人のユウタです」
王を見ると筋肉があって生命力が強そうだ。
サーラの王位継承権が17番目か、どんだけ子供がいるんだ?
「サーラ、回りくどい事は好かん。王位継承権を破棄する話か?」
「はい、そうですわ」
「そんな事は許されないいいいいいいいい!」
横にいた太った男が叫んだ。
その瞬間にサーラの顔が一瞬だけ引きつった。
こいつがサーラに婚約を迫っている相手か。
メンバーは俺、サーラとその10人の部下だ。
サーラも歩き、交代交代で馬車で休む。
「川を渡ったら休憩ですわ」
国境付近の道は思ったより整備されていない。
馬車を数人で担いでへそまで濡れながら川を渡る。
サーラがスカートにしみ込んだ水をぎゅっと絞る。
きれいなしぐさで思わず見てしまう。
「優秀な商人が欲しいですわね」
「収納スキルとか馬車のスキルが使えるんだっけ?」
俺はパンツだけになって服をぎゅっと絞り、また履く。
靴だけは脱いだまま乾かす。
焚火でスープが出来上がり、パンと一緒に食べる。
「おお!これが旅用のパンか、カッチカチだな!」
「スープに漬けて食べるのですわ」
「おお!こうするのか」
「ふふふ、楽しそうで安心しましたわ」
「暖かくて天気がいい。馬車を担いで川を渡ったり、火を起こしたり、王女だって交代で歩くんだとか、やることや見る事が色々と新鮮で楽しい」
「良かったですわ」
「サーラはいいとして、皆疲れているな。休憩中にマッサージをしていいか?」
「助かりますが、無理はいけませんわよ」
「力が有り余っている」
「……分かりました。お願いしますわ」
マッサージをした2人が眠り始めたので馬車に乗せて道を進む。
更に馬が疲れると馬もマッサージしつつ皆の疲れが溜まらないように進んだ。
「ゴブリン7体ですわ!」
「3体だけ倒す!ナイフ!」
3体が魔石に変わると俺は後ろで新兵の戦闘を見守った。
国境付近は魔物が多く、何度も戦闘になった。
だが街や王都が近づくほど魔物が少なくなっていた。
「信じられませんわ」
「ん?」
「2日で到着しましたわ」
「もっと急いだ方が良かったか?」
「逆ですわ。到着が早すぎるのですわ。前にここから食料都市マリンに向かった際は手練れの護衛を4名ほど連れて進み、5日かかりましたわ。ですが、今回は新兵の訓練をしつつ進んで2日、かなり早いのですわ」
「皆が強くなったんじゃないか?」
「少しずつ成長はしています。ですそこまで劇的には変わっていませんわ」
「馬をマッサージしたのが良かったのか?」
「それもありますわね、それと、皆のお肌がとてもきれいで前より調子が良くなっていますわ。普通は旅は体調が悪くなるものですわ。わたくしとユウタの交代で見張りが出来たのも良かったですわね」
「ユウタさんのおかげです!」
「「ありがとうございます!」」
「食料は7日を見ていましたわ。ですが、5日分余りましたわ」
「孤児院にでも寄付するか?」
「そう、ですわね。その前にお父様に挨拶に行くのが先ですわ」
「王城に着いたら寄付は任せてください!」
「馬車の整備も頼んでおきます!」
「ええ、お願いしますわね」
王城に入ると俺はサーラと2人だけで王に謁見した。
「顔を上げよ!サーラ、元気そうで何よりだ」
「はい」
「それと、転生者の遊び人、ユウタだな?」
「はい。遊び人のユウタです」
王を見ると筋肉があって生命力が強そうだ。
サーラの王位継承権が17番目か、どんだけ子供がいるんだ?
「サーラ、回りくどい事は好かん。王位継承権を破棄する話か?」
「はい、そうですわ」
「そんな事は許されないいいいいいいいい!」
横にいた太った男が叫んだ。
その瞬間にサーラの顔が一瞬だけ引きつった。
こいつがサーラに婚約を迫っている相手か。
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