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第27話 うっかりおさわりじじい
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飛んでくる風の刃をステップとサーカスで培った曲芸で躱す。
「避けますか、そうですか。ならばウインドショット!」
風の弾丸が何発も飛んでくる。
それもギリギリで躱す。
「なるほど、狙いすぎても駄目なようですね」
「今度は俺が攻める」
俺は前に走った。
「ウインド!」
突風を受けて前に進めない。
ダメージは無いが、手が届かず後ろに押し戻される。
「範囲攻撃は効果的なようですね。ウインド!」
俺は突風を横に避ける。
だが避けた先にも更に突風が飛んでくる為近づけない。
何度も突風に押し戻され、それでも活路を探す。
何度かスライディングをするように背を低くして向かっても突風で押し戻される。
下に意識を集中させてサイドに揺さぶった後ジャンプして上から迫る。
だが今度はセリアが風で後ろに下がった。
「これでまた仕切り直しです」
「その突風は魔力を消費するんだよな?続けたらセリアが不利じゃないか?」
「そうですね、まだまだ魔力はありますが、そろそろ攻撃方法を変えますね。ユウタには何の怒りも恨みもありませんが負けたくもありません」
俺がダッシュで近づくと、雷撃のバリアが球状に発生した。
強引に方向転換をしてバリアへの激突を防いだ。
「さすがですね。この攻撃はおさわりじじいを何度も倒した攻防一体の魔法です。さあ、どうしますか?今ステッキの能力を使えないあなたは遠距離攻撃が出来ません。近づきおさわりするしかない状況で何か策はありますか?」
「思いつく策は、魔力切れだけど、そんな事はセリアも考えているんだろ?」
「魔力が無くなる前に決着をつけようとは思っています」
どうする?
俺は接近戦しか出来ない。
近づいても一瞬で雷のバリアが展開される。
能力値はどう考えてもセリアの方が強い。
セリアの全身を見る。
健康的な白い肌とアリーチェほどではないが膨らんだ胸。
そして腰から太ももまでの魅力的な曲線。
話をする唇はプルプルと潤いがあり、サーラとは違うタイプの上品な魅力があった。
俺は今まで性欲を理性で押さえつけて来た。
おさわりしたい、でも、触れない。
力があれば触る事が出来るお膳立ては整っている。
けど力が足りない。
分の悪い賭け、サーラとのギャンブルの方がまだ勝率は高いだろう。
魔力の低い俺は魔法を食らえばダメージが大きい。
それでもお膳立てされたように触ってもいい状況がそこにある。
策はない、それでも!
「目が、変わりましたね」
「俺はただ、なりふり構わなくなっただけだ。策は通用しない。決め手は何も無い!それでも、ただ全力で、俺は勝ちたい!(おさわりしたい!)」
「なるほど、街で女性に人気があるのも頷けます。少しドキッとしました。ですが、負けません」
戦ってみて分かった。
今はおさわりじじいのミノムシスモークよりも、セリアを、セリアにおさわりしたい!
【おさわりじじい視点】
ワシ、ピエール、エマ、アリーチェ、サーラは目立つ席に座り、ホビーがマイクを向けてくる。
ピエールがワシの服を掴んだ。
「おいおいおいおい!おさわりじじい!やばいじゃねえか!俺は大穴のユウタに賭けてんだ!どうにかならねえのか?」
「うーん、勝ち目がないのかなあ?エースはやっぱりエースだね」
「ユウタの目が変わった。始まったようじゃのお」
ギャラリーがざわざわと話を始めた。
「始まった?何が始まったんだ?」
「見て、おさわりじじいの目が真剣よ!」
「おさわりじじいの性格はあれだけどユウタを引き上げて来た。それにあの目を見てくれ。おさわりじじいは諦めてないぜ」
「おさわりじじいは何かが見えているのよ!」
「始まったってなんだよ?」
「分からんか?今までユウタは奇策に頼って来た。危機に陥りそうになっても出来るだけ奇策を使い、危機を回避してきた。ユウタは知恵が回る。だがそれでは成長の面ではマイナスじゃ。圧倒的な危機からはい上がった時、人は大きく成長する。ユウタは追い詰められておる。だからこそ、ユウタは今この時、成長しようとしているのじゃ!セリアに追いつこうと魂が燃えておるのじゃ!」
またギャラリーがざわついた。
「おさわりじじいはユウタ様の成長を願っておさわり対決をしたの!」
「おいおいおい!なんて先まで見えてるってんだ!おさわりじじい、中々やるじゃねえか!」
「ユウタ様を見て、いつもよりもっと魅力的な顔をしているわ!かっこいい!」
「でも、それって絶体絶命じゃない?」
「エマの言う通りだぜ!大体、ステッキを使えた方がまだ有利だったんじゃねえか?」
「それはあるのお」
「なんでセリアと対決するのに魔力を上げなかったの?」
アリーチェがぼそっと言った。
「……うっかりじゃ」
「「おさわりじじい!!」」
ピエールがワシの首を絞める。
「うっかりじゃ!修行で熱くなってしまったんじゃ!ぐえええええ!」
「動きましたわ!」
ユウタがセリアに向かい走って行った。
「避けますか、そうですか。ならばウインドショット!」
風の弾丸が何発も飛んでくる。
それもギリギリで躱す。
「なるほど、狙いすぎても駄目なようですね」
「今度は俺が攻める」
俺は前に走った。
「ウインド!」
突風を受けて前に進めない。
ダメージは無いが、手が届かず後ろに押し戻される。
「範囲攻撃は効果的なようですね。ウインド!」
俺は突風を横に避ける。
だが避けた先にも更に突風が飛んでくる為近づけない。
何度も突風に押し戻され、それでも活路を探す。
何度かスライディングをするように背を低くして向かっても突風で押し戻される。
下に意識を集中させてサイドに揺さぶった後ジャンプして上から迫る。
だが今度はセリアが風で後ろに下がった。
「これでまた仕切り直しです」
「その突風は魔力を消費するんだよな?続けたらセリアが不利じゃないか?」
「そうですね、まだまだ魔力はありますが、そろそろ攻撃方法を変えますね。ユウタには何の怒りも恨みもありませんが負けたくもありません」
俺がダッシュで近づくと、雷撃のバリアが球状に発生した。
強引に方向転換をしてバリアへの激突を防いだ。
「さすがですね。この攻撃はおさわりじじいを何度も倒した攻防一体の魔法です。さあ、どうしますか?今ステッキの能力を使えないあなたは遠距離攻撃が出来ません。近づきおさわりするしかない状況で何か策はありますか?」
「思いつく策は、魔力切れだけど、そんな事はセリアも考えているんだろ?」
「魔力が無くなる前に決着をつけようとは思っています」
どうする?
俺は接近戦しか出来ない。
近づいても一瞬で雷のバリアが展開される。
能力値はどう考えてもセリアの方が強い。
セリアの全身を見る。
健康的な白い肌とアリーチェほどではないが膨らんだ胸。
そして腰から太ももまでの魅力的な曲線。
話をする唇はプルプルと潤いがあり、サーラとは違うタイプの上品な魅力があった。
俺は今まで性欲を理性で押さえつけて来た。
おさわりしたい、でも、触れない。
力があれば触る事が出来るお膳立ては整っている。
けど力が足りない。
分の悪い賭け、サーラとのギャンブルの方がまだ勝率は高いだろう。
魔力の低い俺は魔法を食らえばダメージが大きい。
それでもお膳立てされたように触ってもいい状況がそこにある。
策はない、それでも!
「目が、変わりましたね」
「俺はただ、なりふり構わなくなっただけだ。策は通用しない。決め手は何も無い!それでも、ただ全力で、俺は勝ちたい!(おさわりしたい!)」
「なるほど、街で女性に人気があるのも頷けます。少しドキッとしました。ですが、負けません」
戦ってみて分かった。
今はおさわりじじいのミノムシスモークよりも、セリアを、セリアにおさわりしたい!
【おさわりじじい視点】
ワシ、ピエール、エマ、アリーチェ、サーラは目立つ席に座り、ホビーがマイクを向けてくる。
ピエールがワシの服を掴んだ。
「おいおいおいおい!おさわりじじい!やばいじゃねえか!俺は大穴のユウタに賭けてんだ!どうにかならねえのか?」
「うーん、勝ち目がないのかなあ?エースはやっぱりエースだね」
「ユウタの目が変わった。始まったようじゃのお」
ギャラリーがざわざわと話を始めた。
「始まった?何が始まったんだ?」
「見て、おさわりじじいの目が真剣よ!」
「おさわりじじいの性格はあれだけどユウタを引き上げて来た。それにあの目を見てくれ。おさわりじじいは諦めてないぜ」
「おさわりじじいは何かが見えているのよ!」
「始まったってなんだよ?」
「分からんか?今までユウタは奇策に頼って来た。危機に陥りそうになっても出来るだけ奇策を使い、危機を回避してきた。ユウタは知恵が回る。だがそれでは成長の面ではマイナスじゃ。圧倒的な危機からはい上がった時、人は大きく成長する。ユウタは追い詰められておる。だからこそ、ユウタは今この時、成長しようとしているのじゃ!セリアに追いつこうと魂が燃えておるのじゃ!」
またギャラリーがざわついた。
「おさわりじじいはユウタ様の成長を願っておさわり対決をしたの!」
「おいおいおい!なんて先まで見えてるってんだ!おさわりじじい、中々やるじゃねえか!」
「ユウタ様を見て、いつもよりもっと魅力的な顔をしているわ!かっこいい!」
「でも、それって絶体絶命じゃない?」
「エマの言う通りだぜ!大体、ステッキを使えた方がまだ有利だったんじゃねえか?」
「それはあるのお」
「なんでセリアと対決するのに魔力を上げなかったの?」
アリーチェがぼそっと言った。
「……うっかりじゃ」
「「おさわりじじい!!」」
ピエールがワシの首を絞める。
「うっかりじゃ!修行で熱くなってしまったんじゃ!ぐえええええ!」
「動きましたわ!」
ユウタがセリアに向かい走って行った。
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