転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第21話 咲くスカート

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 おさわり修行に向かうと、そこには天幕が張られ、ベッドが2つ置かれていた。
 早朝にもかかわらず、周りには見物をする人が集まりまるで見せ物のようになっていた。

「おさわりじじい、これ何?」
「おお、ユウタ、おさわりの事をいかがわしいものだと誤解しておる者もいる。真のおさわりを見せてやりたくての。そんな事はいい、早く修行を開始するんじゃ!」

「よろしくお願いします。で?何をすればいいんだ?」
「まずはワシと両手を合わせるんじゃ」

 両手を合わせるとおさわりじじいが俺に魔力を流す。

「おお!心地いい魔力だ」
「そうじゃろう、おさわりとはマッサージと魔力を送り込む気功の合わせ技じゃ。次はさっきの魔力をワシに送ってみるんじゃ」

 俺は集中して魔力を送った。

「違う。いったん止めるんじゃ。こうじゃ!」
「こう、か?」
「マシになったがまだじゃ。こう!」

 俺はおさわりじじいの修行に引き込まれた。
 教えるのがうまいだと!


 ◇


「まだまだじゃが、ま、いいじゃろ、これをマッサージの前に毎日行う。次はマッサージじゃ」

 2人のムキムキな男がベッドに横になった。
 おさわりじじいの動きを見てそれを真似る。

 マッチョがおさわりじじいにマッサージされると、まるで風呂に入る時のような声をあげる。
 
「肩を触ってみるんじゃ、これがコリじゃな、ここは重点的に魔力を流し、マッサージをして治癒力を高めるんじゃ」

「揉む時はもっとこうじゃ!」

「流し込む魔力が少なくなってきたの。もっと大気から魔力を取り込むんじゃ」

 おさわりじじいの指導は続いた。
 

 ◇


「おさわりのレベルが3に上がった」
「ひゃっひゃっひゃ!チケット2枚ゲットじゃ!チケットを持って来るんじゃ!今日は昼からお楽しみじゃあああ!」

 おさわりじじいが娼館に走って行った。
 素早い。

 俺はおさわりじじいがいなくなってからもマッサージを続けた。


 ◇


 3日間おさわりじじい指導の下マッサージを続けた。

「おおおおおおおお!コリがほぐれるぜえええ!」
「マッサージは以上となります。お疲れさまでした!」

 俺のおさわりレベルは5に上がった。
 そしてギャンブルのスキルを覚えた。

 だがおさわりじじいの機嫌が悪い。

「ど、どうしたんだ?」
「男だけでは限界がある!おなごが声をあげる瞬間!顔を赤く染める瞬間!おなごがマッサージで仰け反る瞬間!これが修行の成果を上げるんじゃ!領主に文句を言ってくるわい!このままではチケットをもらえんわい!」

 おさわりじじいは怒りながら走って行った。
 

 ◇

 おさわりじじいがほくほくと笑顔を浮かべて戻って来た。
 手には袋が握られていた。
 金か?

「次はギャンブルの修行じゃ!すぐにレベルを上げに行くんじゃ!」

 ギャンブルのレベルが上がれば、またチケットを貰えるんだろうな。

「早く来るんじゃ!」

 俺は走っておさわりじじいを追った。


【カジノ】

 俺はカジノのディーラーとしてダイスステッキでダイスを出して振る。
 ステッキで出したダイスやルーレットはいかさまが出来ない為信頼があるのだ。

 テーブルには銀貨が詰まれギャンブルが行われる。
 
 俺はおさわりじじいを見た。

「次は奇数に銀貨3枚じゃ!」
「おさわりじじい、指導は無いのか?」
「今はただひたすらにディーラーとして働くんじゃ。レベルが上がれば次の段階に進む」

「あれ?ユウタ?」
「エマさん」

 エマさんがバニーガールの格好でお客さんとしてテーブルに座る。

「ひゃっひゃっひゃ!バニーちゃんじゃあああ!」

 おさわりじじいがエマさんに飛びつこうとする。
 エマさんが足を突き出すように蹴りを放った。
 おさわりじじいの顔面に踵がクリーンヒットして倒れるとスタッフに運ばれて行った。

「やっぱり、飛び込んでくると思ったよ」
「さすがエマさん、勘がいいですね」

 他のお客さんがエマさんをお店のスタッフと間違えた。

「バニーちゃん、カクテルを頼む」
「私はお客さんだからごめんねえ」

 お客さんとしてバニーガールの格好をしていたらスタッフと間違うよな。

「エマさん、その格好だと間違えられますよ」
「いいよ、こっちの方が面白いし、それより早くギャンブル!」
「遊び人は運がいいので勝ってもオッズが低いですよ」
「知ってる~」

 何を言ってもギャンブルはやめないだろうな。
 エマさんが自分のテーブルにあるマスに銀貨を1枚置いた。


 ◇


「あー負けたあああ!また明日かあ!」

 エマさんがにこにこしながら言った。

「ユウタ、じゃあね~」

 さっきからエマさんの胸に目が行っていたが、今はエマさんのお尻に目が行ってしまう。

「え?」

 カジノには似つかわしくない女性が入れ替わるように入って来た。
 斜め後ろには2人の女性護衛を連れている。
 俺と目が合うと上品にほほ笑んで丈の短いドレスの裾をつまんで礼をした。
 目を引く桃色の長い髪、そして紫色の不思議な瞳、何よりその容姿と笑顔に引き込まれた。

 護衛が女性に話しかける。

「サーラ様、あまり遊びすぎないでくださいね」
「まあ、カジノは遊ぶためにありますのよ。それに1度で良いので他国のカジノを見たかったのですわ……雰囲気が大分違いますのね」

 サーラさんが俺の前に歩いて来た。

「この席、よろしいですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「ふう、少し暑いですわね」
「姫様!胸元が見えますよ!」

 俺は立ってディーラーをし、サーラさんは座っている。
 高低差で丁度胸の谷間が見える。
 黒い下着。

 おさわりじじいがサーラさんを狙っている。
 踵がクリーンヒットしたのにもう復活したのか!
 まるでゴキブリのような生命力だ。

「ひゃっひゃっひゃ!隣国アイアン王国の王女サーラか!ワシの美技を食らうんじゃ!」
「サーラさん!危ない!」

 2人の護衛が反応するがおさわりじじいには敵わない。

 1人がお尻を触られ、2人目が胸を触られ魔力を流し込まれた。

「あああああ!」
「ひいいいい!」

 そして立ち上がったサーラさんに飛び込む。

 サーラさんがクルンと周り、きれいな回し蹴りをクリーンヒットさせた。

 丈の短いスカートから黒い下着が見えた。
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