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第15話 ブラックウルフ

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 ブラックウルフ4体が俺達を囲む。

 副兵士長が構えるとブラックウルフの元に走った。

「疾風剣!」

 剣が急に速くなりブラックウルフを何度も斬りつけた。
 ブラックウルフは黒い霧に変わって魔石を落とした。
 完全なるオーバーキルだ。

 魔石は魔道具のエネルギーや合成素材として使われるため価値がある。

「アローラッシュ!」

 スカウトが矢を連続で放ちブラックウルフを魔石に変えた。

「スネークファング!」

 アサシンが変則的な動きでブラックウルフに急接近してブラックウルフを倒した。

 ブラックウルフが戦士に噛みつこうとした瞬間にアーツを使った。

「ガードスタンス!」

 右腕を噛ませたまま左手のショートソードでブラックウルフの脳天に突き刺し倒した。
 噛まれた腕には一切傷が無い。

「このように、アーツを覚える事で手っ取り早く強くなれる」
「私も覚えたいわ!」
「俺はむり、なのか」

「ユウタ殿は、難しい、遊び人は、その、魔法使いの特性に近い、アーツは難しいだろう」
「そ、そうですか」

 俺もかっこいい技を使いたかった。
 でも、確かに遊び人は魔法タイプな感じはしてた。
 アーツで強くはなれないか。
 今はアリーチェを見守ろう。
 アリーチェの胸が俺を元気にしてくれる。

「どうすれば覚えられるの?」
「自分の強みの先にあるのがアーツだ。強みとは特徴、個性ともいえる。私の疾風剣とは違う何かだろう」

 アリーチェが考え込んだ。
 
「アリーチェ、俺も一緒に考えるから」
「ありがとう」
「アリーチェの特徴か。副兵士長、体を触らせてもらっていいですか?」
「ん?構わないが?」

 俺は副兵士長の体を触った。

「アリーチェも触らせてくれ」
「いいけど」

 俺はアリーチェの腕を触り太ももを触った。

「ひい!」
「我慢してくれ」

 そして尻を触りお腹を触る。

「ちょ、ちょっと!」
「集中させて欲しい。俺の中に答えはある気がするけど、うまく言葉に出来ないようなモヤモヤがある。何かが掴めそうなんだ」

 後ろから胸を触る。

「ひゃああ!」

 アリーチェから離れてアリーチェをじっくりと観察する
 そう、俺の中で答えはすでにあった。

 アリーチェの太ももとお尻はしっかりと肉がある。
 上半身を見ると立派なポヨンがあるがそれに騙されてはいけない。
 下半身がしっかりしていて上半身の筋肉は少なめだ。

「副兵士長とアリーチェを比べると、上半身が細いから、もっと下半身の動きを生かした攻撃の方がいい。動き回って敵をかく乱しながらダッシュの速度を生かして斬りつけるようなアーツが向いていると思う」

「さすがユウタ殿、私も同じ意見だ。戦士よりもアサシン寄りのアーツの方が向いているだろう」
「またブラックウルフがいた。おびき寄せていい?」
「頼む」

 スカウトが矢を放ってブラックウルフをおびき寄せた。

「アリーチェ、全身に魔力をみなぎらせる感覚で一瞬だけ体を活性化させてみてくれ!失敗してもいい!」
「了解!はああああああああああああああ!」

 アリーチェの走る速度が上がった。
 走って2回敵を斬った所で魔力が尽きた。
 アーツが切れても問題無くブラックウルフを攻撃して倒した。

「「おおおおおおおおおおおおお!」」

「え!こんなに簡単に覚えられるのか!?」
「アリーチェは覚えがいい。かなり勘がいい。それに基礎の積み重ねが出来ていたのが良かったのだろう」

 アリーチェが特別優秀だったからか。

「だがアリーチェ、悪くはなかったがもっと足の踏み込みを重視して速度で斬った方が良いな。それとアーツの名前を決めておけ。名前を叫んだ方がアーツの使用には有利だ。そしてもう1つ、魔力の訓練が必要だ。何度もアーツを使い魔力を使う訓練をしてくれ!」
「了解!」

 俺は副兵士長とアリーチェを見つめる。
 いいなあ。
 俺は使えないのか。
 てか、俺一回も戦って無くね?

「ブラックウルフの群れ!来る!数、18体!」

 副兵士長と戦士が素早く前に出た。
 スカウトが後ろに下がり、アサシンがその間に立つ。
 アリーチェも前に出た。

 ピリピリとした空気が流れ、18体のブラックウルフが現れた。
 流れをぶち壊してもいいから言おう。

「俺1人で戦ってみたいです」
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