転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第4話 バウンド成長

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「スキルか、良いぜ。転生者、ユウタの旦那でいいか?」
「ユウタでお願いします」
「とりあえず、こっちに来な」

 俺達はサーカスの会場に移動した。

「まず、ステッキだが、遊び人なら誰でも使える。ステッキ!」

 ポン!

 ピエールさんの左手に上の先端がJ字になったステッキが出現した。

「やってみろ」
「ステッキ!」

 ポン!

 俺の左手にもステッキが出現した。

「遊び人の武器は基本ステッキよ」

「おし、次は曲芸だな。曲芸スキルは身のこなしが良くなる。頭の上に張ってある綱渡り用のロープに乗ってみてくれ」
「はい!」

 ロープに乗ると思ったよりうまく乗れた。
 ピエールさんがロープを揺らした。

「あ!」

 俺は地面に落ちた。

「こんな感じでだ、綱渡りをしてサーカスショーをやれば曲芸のレベルが上がっていく」
「レベルは最大で10よ」

「サーカスで働くなら大歓迎だ」
「今はスキルの説明だけよ。ユウタはどうしたい?サーカスの前に私の訓練を受けて体力と速度を上げてからサーカスをやった方が良いと思うわ」
「そ、その前に、足が痛い。着地しただけで足が痺れます」

「ユウタ、体力と速度の値はいくらだ?」
「2です」
「……体力と速度の強化は必須だな」
「アリーチェの訓練をまず受けたいです」

「それが終わったらサーカスの修行を受けるか?」
「はい、お願いします!」

 その日から修行が始まった。
 どうやら魔物を倒すとレベルが上がる感じではないらしい。
 能力値を上げるには訓練が必要だ。

 俺はアリーチェの後ろを走る。
 アリーチェの尻を追いかけるようについて行く。
 良い尻だ。

「スピードを上げるわよ!」
「ぐう!分かった!うおおおおおおおお!」
「走り込みは速度を鍛えられるわ!速度が上がればスタミナも上がるのよ!」
「オス!」
「走るのは訓練の基本よ!」
「オス!」

 俺の速度が上がった。


 俺はアリーチェと向き合って両肩に砂袋を担ぎスクワットをする。

 バルン!バイン!ポヨン!
 アリーチェの胸がダイナミックに揺れる。

「筋力を鍛えれば体力が上がるわ!」
「オス!」

 俺はアリーチェの胸を糧に修行を乗り超え体力が上がった。


「私を背負ったまま全力で階段を登りなさい!」
「オス!」
「全力ダッシュは体力と速度両方を上げるわ!頑張りなさい!」
「オス!」

 アリーチェの胸とぬくもりが俺に力をくれた。


「私が乗ったまま腕立てをしなさい!」
「オス!」

 アリーチェの尻が俺の心を支えた。


 俺は7日間アリーチェの訓練を耐えきった。
 コーチがアリーチェじゃなければ挫けていただろう。
 アリーチェの胸が、尻が、ぬくもりが、耳元で囁く声が俺に力をくれた。
 アリーチェとなら後一カ月は耐えられる。


 ユウタ・男・15才
 ジョブ:遊び人
 体力:2→11
 魔力:4
 速力:2→17
 器用:2
 幸運:25
 スキル:ステッキレベル1、曲芸レベル1
 固有スキル:???

 どうやら転生者は成長が早いらしい。
 転生者は15才の状態でこの世界に召喚されるが、15才になるまでの空白を埋めるように成長率が上がる。
 アリーチェ曰く、最初から努力している人と結局は同じ事らしい。

 アリーチェが俺の手を両手で握った。

「凄いわ!遊び人なのに頑張ったわね!遊びたい気持ちを我慢して本当によく頑張ったわ!」

 遊び人は遊びたい人間しかいないらしい。
 それを聞いて遊び人が最弱な理由が分かった気がする。
 俺はアリーチェに抱き着いた。

「俺こそありがとう。アリーチェが教えてくれなかったら挫けていたと思う!色々と本当にありがとう!元気を貰った!」
「い、いいわよ」
「時間があったらまたアリーチェをおんぶしてダッシュしたい。アリーチェに座って貰って腕立てをしたい!」

 アリーチェが俺を引きはがした。

「ダメよ。ステータスが偏ると危険よ。スキルも、他の能力値も鍛えないと危ないのよ」
「そうなのか」
「そうなの」

 アリーチェの話によれば、能力値を上げる方法は色々ある。
 そして能力値はある程度バランスが大事らしい。
 最低限の数値はすべて上げる必要があるんだとか。

「おーい!今日からサーカスに泊まり込みだ!」

 ピエールさんが迎えに来た。

「サーカス合宿に行って来る」
「行ってらっしゃい。と言っても、私も護衛としてエマと同じ部屋に泊まるわ」

 俺は、サーカス修行に向かった。


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