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第47話
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俺は配信をしつつソフィア、ホノカと共に1000人の美女をダンジョンで育成した。
国は戦闘訓練者を募集し続けた。
だが、途中で異変が起きた。
「魔物が消えてる?」
カナタ『間に合わなかったようです』
「ん?」
みんなの足元に魔法陣が現れて俺達はダンジョンの外にワープした。
多くの冒険者達がダンジョンの外にワープして来た。
ダンジョンに入る為の巨大な魔法陣が光を失い、代わりに100を超える丸い光が輝きを放つ。
「なん、だ?」
カナタ『今、予言が見えました。ダンジョンにいる魔物が黒い霧になって、すべてレッドハットに変わりました』
『何だなんだ!怖い怖い!』
『まずくね?いやな予感がする』
コメントが大量に流れみんなが何を言っているのか分からないくなる。
カナタ『コメント音声をオフにしました』
日本中にレッドハットが現れるか。
俺達や勇者チームだけじゃ対処しきれないだろう。
俺やユウヤとの戦いを避けるように変化してきたが正しいのかもしれない。
「カナタ、あの丸く光ってるのは何だと思う?」
カナタ『あれは、魔物と逆の存在、精霊や妖精のように見えます』
丸い光がホノカの近くに集まって行った。
「あ、そっか、私はこの子たちと同じ、私だけが体を手に入れる事が出来たんだ」
「ホノカは妖精や精霊みたいな存在なのか?」
「うん、そう。この子たちは妖精の卵、形を持つ前の子」
「ダンジョンはもう消えたのか?」
「うん、でも、この子たちならまたダンジョンを作れるよ」
「ダンジョンを作ったら魔物が出来てスタンピードが発生するだろ?」
「違うよ、ダンジョンが魔物を閉じ込めて出てこないようにしていたの。でも、レッドハットはワープで檻を突破したからダンジョンを維持する意味が無くなったの」
そうか、魔物の正体は人々の悪意から生まれる、ダンジョンは黒い霧を吸い上げ魔物を監禁する牢獄か。
「ダンジョンが近くにあると、ダンジョンに魔物は発生するけど、ダンジョンの外に魔物が発生しにくくなるのか」
「そうだよ」
「でも、魔物を倒さないとスタンピードが起きるよな?」
「そう」
「嫌われ者のような存在だったけど、俺達を守ろうとしていたのか」
「でも、それでもダンジョンは嫌われてるよ」
「……ダンジョンって原子力発電所みたいだな」
「そうかも」
近くにあれば迷惑だが、稼働すればみんなの生活が楽になる。
だが稼働しなければ電気料金が上がるだけではすまない。
工場や飲食業などで作った商品の値段に電気料金が上乗せされ料金が高くなり、企業は海外に移転しやすくなる。
結果日本の貧困化を招き、それが社会不安を招き国民の不満が溜まる。
魔物が出る前の日本と同じ事が今、形を変えて起きている、か。
「またダンジョンを作ってもレッドハットが出てきてダンジョンからワープして抜け出さないか?」
「ダンジョンをこの光の数だけ作って分散させればきっと大丈夫」
ユウヤが歩いてきた。
「100以上のダンジョン、でも、さっきカゲオが言っていた通り、ダンジョンは原子力発電所のようなものだよ」
「魔物が発生しにくくなる恩恵は受けたい。でもダンジョンで起きるスタンピードはごめんだよな。魔石のエネルギーや肉なんかの資源は欲しいけど魔物が近くにいるのは嫌だよな」
「そうだね。どこに作るにしても反対が起きるよ」
「ホノカ、このダンジョンは、俺が思ったように作る事が出来るか?」
「ある程度は出来るよ。私がカゲオのサーバントになったから、カゲオのイメージを私を通して他の子に伝えられる」
「……そうか。ここにダンジョンを作る」
カナタ『カゲオ君がみんなの攻撃に晒されます!』
「カナタ、俺ってクレイジーって言われるだろ?」
カナタ『なんの話ですか?』
「だから俺が英雄に選ばれたと思うんだ。クレイジーだから選ばれた。ここで誰かがダンジョンを作らないと誰もが手をあげないまま日本中にレッドハットが現れて増え続ける。この国は、ほとんど何も決められないような国だ。だからこそ、独断でダンジョンを作る」
政治家は民意に反する行動を取る事が出来ない。
政治家は選挙で落とされる事を嫌う。
結果どんなに日本が悪くなってもそれよりも選挙を重視する。
企業は日本の未来より会社の利益を優先して日本にとっては良い政策でも会社のマイナスになるなら社運をかけて反対する。
マスコミは日本の未来よりも視聴率や雑誌の売り上げの方が大事だ。
国民は政策を調べる事もせず、政治家を信用せず、利権は絶対に手放さない。
どんなに現役世代に自殺者が増えても、ウツが増えても貧困が増えても老人が年金の利権を手放さないのがいい例だ。
そして、年金を貰っている老人の多くは十分な年金を貰っているとは言えない。
つまり、少ないパイを奪い合って利権に群がって武器を使わない内戦をしているのが今の日本だ。
そりゃ成長出来ず世界に出遅れる。
カナタ『駄目です!カゲオ君が悪者になります!もういいじゃないですか。もう英雄を辞めてもいいじゃないですか!!』
「ここでダンジョンを作れば解析が進む。予言も発生しやすくなる」
カナタ『何で!人を助けて悪者になって!もう助けました!カゲオ君はもう充分助けました!!』
「カナタ、お前本当にいい奴だよな。ありがとう。でも俺は、ダンジョンを作りたくてうずうずしているんだ。だから俺は、本当にクレイジーなのかもしれない。おかしいのは分かっている。でも、作りたくてしょうがない。どんなに反対されても、いいと思った方に向かいたい。キューブ、マナーモード!」
キューブの配信を止めた。
「ホノカ、始めよう」
「カゲオ、私も行くわ」
「ホノカ、ソフィアも、いいのか?」
「私はあなたのパーティーよ」
「「私達も行きます」」
1000人の、俺が吸血した女性達も付いて来てくれるようだ。
「カゲオ、僕も協力するよ」
「ユウヤ、ありがとう」
「おいおい、俺達勇者チームも忘れるなよ」
「私も協力するわ」
「俺もだ」
「おいおい!脇役冒険者も一応いるんだ!俺達も行くぜ!」
「俺達モブも協力するぜ!」
「私もやるわ!」
「俺も俺も!」
「みんな、ありがとう。ここにダンジョンを作る!」
俺は、
消えた魔法陣の上に、
ダンジョンを作った。
前より小さな魔法陣が展開してその中に入って行く。
◇
【カナタ視点】
カゲオ君がダンジョンを作った事でバッシングを受けた。
でも、それは半年もせずに止まった。
流れが変わって来たのだ。
カゲオ君の作ったダンジョンは解析が進んだ。
その事でたくさんの予言が公開された。
カゲオ君のダンジョンセーフゾーンには戦闘訓練を受けた多くの冒険者が住むようになり、カゲオダンジョンと名付けられた。
魔物の危険を受け入れた住民が魔物のいるダンジョンを抜けてセーフゾーンに集まり街になった。
ダンジョン内ではワープが使えない為レッドハットが出てこない。
カゲオダンジョンはワープを使うレッドハットへのカウンターダンジョンでもあるのだ。
魔物からとれる魔石はエネルギーをもたらした。
カゲオ君の作ったダンジョンからは食料や鉱石などの資源が取れる。
自ら戦闘訓練を受けた住民は自発的に動き、ダンジョンの街作りは進んだ。
一方日本はレッドハットが現れ被害を出していた。
安全の為にはお金がかかるようになった。
カゲオ君が言った通り、ダンジョンは原子力発電所のように住民が反対し思うように作る事が出来ていない。
強引にダンジョンを作ろうとしても周りに住んでいる住民に反対する意志が多くあれば妖精がダンジョンを作らない。
私は今、バスに乗ってカゲオダンジョンに向かっている。
先輩予言者が私の顔を見る。
「……何ですか?」
「カナタは本当に可愛いわね」
「え?え?……」
先輩の言いたいことが分かった。
カゲオダンジョンに行ける。
笑顔になっている自分に気づいた。
カゲオ君に会えるのが嬉しいのだ。
「私もカナタと同じで嬉しいわ。ユウヤ君のファンだもの。カナタがカゲオ君と会いたいのと変わらないわね」
「……」
「真っ赤で可愛い。可哀そうだから話題を変えるわね」
そう言いながら私の頭を撫でる。
可哀そうなら私が恥ずかしくなる話題に触れないでほしい。
「レッドハットの被害が増えたおかげで戦闘訓練を受ける人が増えたわね。おじいちゃんでもおばあちゃんでもレベルさえ上げれば動けるようになってレッドハットに襲われても大丈夫になる。被害は収まっていくと思うわ。みんな追い詰められれば出来るのよね」
「でも、最初からみんなで動いていれば今頃レッドハットの被害はほとんどなく倒せていました」
レッドハットは強い魔物ではない。
ワープの能力を手に入れた代償として戦闘力を犠牲にしているのだ。
更にワープで多くの魔力を消費する為攻撃魔法をたくさん撃てない。
「う~ん。日本のみんなは余裕がありすぎたのよ」
「余裕、ですか?」
「そう、何かあっても誰かがやってくれるのが当然、そう思ってしまったの。でも余裕が無くなってやっと動き出したわ。カゲオ君のおかげね。自分で戦闘訓練を受けた働き盛りの先駆者グループがカゲオダンジョンに移住したわ」
「100万人の先駆者」
「そう、自分から動く100万人がごっそりダンジョンに住むようになったわ。その分他の人が代わりにレッドハットと戦う事になった。でもよかったわ。国が私達を守る余裕が無くなったおかげでダンジョンの中なら自由に暮らせるようになるわ」
政府は私達予言者を守る余裕が無くなった。
野党が『予言者の人権問題』や『予言者の安全性問題』で与党を攻撃し、更にレッドハットに対する対応遅れ問題も絡み国会は動きを止めた。
喧嘩ばかりして政策が決まらない状況から政治家の暗殺事件が複数起き、選挙で与党が転覆したどさくさに紛れて軟禁から解放されたのだ。
カゲオダンジョンにたどり着いた。
ダンジョンの前に、彼が立っていた。
私はバスを誰よりも早く降りて走った。
国は戦闘訓練者を募集し続けた。
だが、途中で異変が起きた。
「魔物が消えてる?」
カナタ『間に合わなかったようです』
「ん?」
みんなの足元に魔法陣が現れて俺達はダンジョンの外にワープした。
多くの冒険者達がダンジョンの外にワープして来た。
ダンジョンに入る為の巨大な魔法陣が光を失い、代わりに100を超える丸い光が輝きを放つ。
「なん、だ?」
カナタ『今、予言が見えました。ダンジョンにいる魔物が黒い霧になって、すべてレッドハットに変わりました』
『何だなんだ!怖い怖い!』
『まずくね?いやな予感がする』
コメントが大量に流れみんなが何を言っているのか分からないくなる。
カナタ『コメント音声をオフにしました』
日本中にレッドハットが現れるか。
俺達や勇者チームだけじゃ対処しきれないだろう。
俺やユウヤとの戦いを避けるように変化してきたが正しいのかもしれない。
「カナタ、あの丸く光ってるのは何だと思う?」
カナタ『あれは、魔物と逆の存在、精霊や妖精のように見えます』
丸い光がホノカの近くに集まって行った。
「あ、そっか、私はこの子たちと同じ、私だけが体を手に入れる事が出来たんだ」
「ホノカは妖精や精霊みたいな存在なのか?」
「うん、そう。この子たちは妖精の卵、形を持つ前の子」
「ダンジョンはもう消えたのか?」
「うん、でも、この子たちならまたダンジョンを作れるよ」
「ダンジョンを作ったら魔物が出来てスタンピードが発生するだろ?」
「違うよ、ダンジョンが魔物を閉じ込めて出てこないようにしていたの。でも、レッドハットはワープで檻を突破したからダンジョンを維持する意味が無くなったの」
そうか、魔物の正体は人々の悪意から生まれる、ダンジョンは黒い霧を吸い上げ魔物を監禁する牢獄か。
「ダンジョンが近くにあると、ダンジョンに魔物は発生するけど、ダンジョンの外に魔物が発生しにくくなるのか」
「そうだよ」
「でも、魔物を倒さないとスタンピードが起きるよな?」
「そう」
「嫌われ者のような存在だったけど、俺達を守ろうとしていたのか」
「でも、それでもダンジョンは嫌われてるよ」
「……ダンジョンって原子力発電所みたいだな」
「そうかも」
近くにあれば迷惑だが、稼働すればみんなの生活が楽になる。
だが稼働しなければ電気料金が上がるだけではすまない。
工場や飲食業などで作った商品の値段に電気料金が上乗せされ料金が高くなり、企業は海外に移転しやすくなる。
結果日本の貧困化を招き、それが社会不安を招き国民の不満が溜まる。
魔物が出る前の日本と同じ事が今、形を変えて起きている、か。
「またダンジョンを作ってもレッドハットが出てきてダンジョンからワープして抜け出さないか?」
「ダンジョンをこの光の数だけ作って分散させればきっと大丈夫」
ユウヤが歩いてきた。
「100以上のダンジョン、でも、さっきカゲオが言っていた通り、ダンジョンは原子力発電所のようなものだよ」
「魔物が発生しにくくなる恩恵は受けたい。でもダンジョンで起きるスタンピードはごめんだよな。魔石のエネルギーや肉なんかの資源は欲しいけど魔物が近くにいるのは嫌だよな」
「そうだね。どこに作るにしても反対が起きるよ」
「ホノカ、このダンジョンは、俺が思ったように作る事が出来るか?」
「ある程度は出来るよ。私がカゲオのサーバントになったから、カゲオのイメージを私を通して他の子に伝えられる」
「……そうか。ここにダンジョンを作る」
カナタ『カゲオ君がみんなの攻撃に晒されます!』
「カナタ、俺ってクレイジーって言われるだろ?」
カナタ『なんの話ですか?』
「だから俺が英雄に選ばれたと思うんだ。クレイジーだから選ばれた。ここで誰かがダンジョンを作らないと誰もが手をあげないまま日本中にレッドハットが現れて増え続ける。この国は、ほとんど何も決められないような国だ。だからこそ、独断でダンジョンを作る」
政治家は民意に反する行動を取る事が出来ない。
政治家は選挙で落とされる事を嫌う。
結果どんなに日本が悪くなってもそれよりも選挙を重視する。
企業は日本の未来より会社の利益を優先して日本にとっては良い政策でも会社のマイナスになるなら社運をかけて反対する。
マスコミは日本の未来よりも視聴率や雑誌の売り上げの方が大事だ。
国民は政策を調べる事もせず、政治家を信用せず、利権は絶対に手放さない。
どんなに現役世代に自殺者が増えても、ウツが増えても貧困が増えても老人が年金の利権を手放さないのがいい例だ。
そして、年金を貰っている老人の多くは十分な年金を貰っているとは言えない。
つまり、少ないパイを奪い合って利権に群がって武器を使わない内戦をしているのが今の日本だ。
そりゃ成長出来ず世界に出遅れる。
カナタ『駄目です!カゲオ君が悪者になります!もういいじゃないですか。もう英雄を辞めてもいいじゃないですか!!』
「ここでダンジョンを作れば解析が進む。予言も発生しやすくなる」
カナタ『何で!人を助けて悪者になって!もう助けました!カゲオ君はもう充分助けました!!』
「カナタ、お前本当にいい奴だよな。ありがとう。でも俺は、ダンジョンを作りたくてうずうずしているんだ。だから俺は、本当にクレイジーなのかもしれない。おかしいのは分かっている。でも、作りたくてしょうがない。どんなに反対されても、いいと思った方に向かいたい。キューブ、マナーモード!」
キューブの配信を止めた。
「ホノカ、始めよう」
「カゲオ、私も行くわ」
「ホノカ、ソフィアも、いいのか?」
「私はあなたのパーティーよ」
「「私達も行きます」」
1000人の、俺が吸血した女性達も付いて来てくれるようだ。
「カゲオ、僕も協力するよ」
「ユウヤ、ありがとう」
「おいおい、俺達勇者チームも忘れるなよ」
「私も協力するわ」
「俺もだ」
「おいおい!脇役冒険者も一応いるんだ!俺達も行くぜ!」
「俺達モブも協力するぜ!」
「私もやるわ!」
「俺も俺も!」
「みんな、ありがとう。ここにダンジョンを作る!」
俺は、
消えた魔法陣の上に、
ダンジョンを作った。
前より小さな魔法陣が展開してその中に入って行く。
◇
【カナタ視点】
カゲオ君がダンジョンを作った事でバッシングを受けた。
でも、それは半年もせずに止まった。
流れが変わって来たのだ。
カゲオ君の作ったダンジョンは解析が進んだ。
その事でたくさんの予言が公開された。
カゲオ君のダンジョンセーフゾーンには戦闘訓練を受けた多くの冒険者が住むようになり、カゲオダンジョンと名付けられた。
魔物の危険を受け入れた住民が魔物のいるダンジョンを抜けてセーフゾーンに集まり街になった。
ダンジョン内ではワープが使えない為レッドハットが出てこない。
カゲオダンジョンはワープを使うレッドハットへのカウンターダンジョンでもあるのだ。
魔物からとれる魔石はエネルギーをもたらした。
カゲオ君の作ったダンジョンからは食料や鉱石などの資源が取れる。
自ら戦闘訓練を受けた住民は自発的に動き、ダンジョンの街作りは進んだ。
一方日本はレッドハットが現れ被害を出していた。
安全の為にはお金がかかるようになった。
カゲオ君が言った通り、ダンジョンは原子力発電所のように住民が反対し思うように作る事が出来ていない。
強引にダンジョンを作ろうとしても周りに住んでいる住民に反対する意志が多くあれば妖精がダンジョンを作らない。
私は今、バスに乗ってカゲオダンジョンに向かっている。
先輩予言者が私の顔を見る。
「……何ですか?」
「カナタは本当に可愛いわね」
「え?え?……」
先輩の言いたいことが分かった。
カゲオダンジョンに行ける。
笑顔になっている自分に気づいた。
カゲオ君に会えるのが嬉しいのだ。
「私もカナタと同じで嬉しいわ。ユウヤ君のファンだもの。カナタがカゲオ君と会いたいのと変わらないわね」
「……」
「真っ赤で可愛い。可哀そうだから話題を変えるわね」
そう言いながら私の頭を撫でる。
可哀そうなら私が恥ずかしくなる話題に触れないでほしい。
「レッドハットの被害が増えたおかげで戦闘訓練を受ける人が増えたわね。おじいちゃんでもおばあちゃんでもレベルさえ上げれば動けるようになってレッドハットに襲われても大丈夫になる。被害は収まっていくと思うわ。みんな追い詰められれば出来るのよね」
「でも、最初からみんなで動いていれば今頃レッドハットの被害はほとんどなく倒せていました」
レッドハットは強い魔物ではない。
ワープの能力を手に入れた代償として戦闘力を犠牲にしているのだ。
更にワープで多くの魔力を消費する為攻撃魔法をたくさん撃てない。
「う~ん。日本のみんなは余裕がありすぎたのよ」
「余裕、ですか?」
「そう、何かあっても誰かがやってくれるのが当然、そう思ってしまったの。でも余裕が無くなってやっと動き出したわ。カゲオ君のおかげね。自分で戦闘訓練を受けた働き盛りの先駆者グループがカゲオダンジョンに移住したわ」
「100万人の先駆者」
「そう、自分から動く100万人がごっそりダンジョンに住むようになったわ。その分他の人が代わりにレッドハットと戦う事になった。でもよかったわ。国が私達を守る余裕が無くなったおかげでダンジョンの中なら自由に暮らせるようになるわ」
政府は私達予言者を守る余裕が無くなった。
野党が『予言者の人権問題』や『予言者の安全性問題』で与党を攻撃し、更にレッドハットに対する対応遅れ問題も絡み国会は動きを止めた。
喧嘩ばかりして政策が決まらない状況から政治家の暗殺事件が複数起き、選挙で与党が転覆したどさくさに紛れて軟禁から解放されたのだ。
カゲオダンジョンにたどり着いた。
ダンジョンの前に、彼が立っていた。
私はバスを誰よりも早く降りて走った。
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