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第43話

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「紫電・改!」

 ユウヤの攻撃で鬼武者がよろめく。

「鬼武者はオロチギリより弱いよ!倒せる!」

 その隙に勇者チームが本体に猛攻を仕掛けた。

「今だ!ハンマースタンプ!」

 強烈なハンマー攻撃を鬼武者に振り下ろす。


「紅蓮の炎!」

 鬼武者が炎で焼かれる。

「ウインドスパイラル!」

 鬼武者が螺旋の風に斬り刻まれる。

「紫電・改!」

 鬼武者が霧に変わり、分身体も消えた。
 そして刀を落とした。

『おお!さすが現勇者!』
『前より勇者チームが強くなってね?』
『44階を突破した事でレベルアップが進んだんだろ』

『そういえばユウヤとカゲオのレベルっていくつなんだ?』

「一旦魔法陣に乗ろうか」

 魔法陣に乗るとダンジョンの地下に出た。

「鬼武者は50階の裏ボスだったのか?」
「でも、オロチより弱く感じたよ」

『でも、ドロップした刀はオロチに効くんだよな』
『あっさり倒したように見えたけど、ユウヤはオロチギリ戦からパワーアップしている。しかも勇者チームのフルボッコと紫電改を2発も使って倒しているんだ。鬼武者も強いだろ』

『で?ユウヤとカゲオのレベルは?』

「僕のレベルは62だよ」

 俺は自分のステータスを確認する。


 カゲオ
 レベル:50→64【アップ!】
 ジョブ:バンパイア
 スキル『ストレージ』『生活魔法』『鉄壁』『スタミナセーブ』『治癒力アップ』『全耐性』『オートヒーリング』『サーバント』『刀』『見切り』『飛行』『吸血』『コウモリ』『鬼斬り』『血の紋章』


 ユウヤのレベルを超えている。
 オロチを何度も倒したからだ。


『カゲオのレベルは?』

「64だ」

『うおおおおおおお!ユウヤ越えかよ!』
『オロチ戦の影響だろうね』
『もうトップレベルか!』

カナタ『少し離席しますね。まずはダンジョンから出ましょう』


 俺達はダンジョンの外に出た。



カナタ『今戻りました。ユウヤさん、勇者チームは49階から下の魔物を狩ってください。そうする事でスタンピードの発生を抑制出来ます』

「分かったよ」

カナタ『カゲオ君のパーティーは鬼武者を何度も倒しましょう。鬼武者は亡霊系統の魔物です。たくさん倒す事でレッドハットの発生を抑える効果がある、そんな気がします』

「オロチ戦と同じで吸血して血の紋章と鬼斬りで倒せばいいんだよな?」

カナタ『……そうなります』

 カナタの機嫌が、少し悪くなった気がする。

『つまり、レッドハットを討伐する余裕は無いわけか』
『レッドハットは戦闘訓練さえしておけば簡単には殺されなくなるらしい』
『レッドハットはトリッキーだけど強くはないからな』
『自分の身は自分で守る為にニートの俺は戦闘訓練に参加するぜ』

『みんなで給料の安い会社は辞めて戦闘訓練を受けようぜ!今なら補助金が出る!今戦闘訓練をしているけど、同じく戦闘訓練をしていた彼女と付き合う事になった!マジで人生が変わった!』

『リア充死ね!』
『リア充爆発しろ!』
『リア充は感電死しろ!』
『わざわざのろけ話をするなよ!むかつく!死ね!』

『彼女が可愛いくてつい幸せな気持ちをみんなに伝えたくなったんだ』

『戦闘訓練はあくまで自分の身を守るためのものです!自分自身を磨き、高め、魔物に襲われても生き延びる術を身に着けるためにあります!そして魔物をたくさん倒す事でスタンピードを防ぎ国民を守る為にあります。国益を考えて国が補助金を出しています。彼女を作ろうとか彼女が出来たとかそういうチャラチャラした気持ちで受けるものではありません!』

『演説がマジで怖い』
『戦闘訓練はこなしたうえで彼女が出来るなら良い事じゃないか』
『さっきのおじさんは彼女が出来た事すらないんだろうな』
『バカ!刺激するのは良くない!そっとしておけ!』

「配信を終わらせるぞ?もし議論がしたければ他でやってほしい」

『まだ彼女彼女と浮ついた事を言い続ける気ですか!あのですね!』
「キューブ、マナーモード!」

 俺は強引に配信を終わらせた。

 ダンジョン前にある区画の一部がラブホと化した建物に入る。

「カゲオ君、お帰りなさい」
「カゲオ、今日は私だよね?」
「まずは服を脱ぎましょう」

 この現場がバレたら、俺は国民の批判を受けるだろう。
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