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第29話
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【スタンピード当日】
俺達のパーティーと勇者チーム、そして血を吸われる女性達とその護衛係でダンジョンの地下に向かった。
「皆で行くんじゃないんだな」
カナタ『はい、皆で行くと結果が悪くなります。他の冒険者と自衛官や警察にはダンジョンの外で待機して貰います』
「配信は続けた方がいいのか?」
カナタ『はい、そうです』
『見守っているぞ。頑張ってくれ』
『カゲオ、お前ならやれる。人柱として期待している』
『カゲオ、カゲオ、皆美人じゃね?』
全国から集められた美女が並ぶ。
「そう、だな。全国から集められたそうだ」
カナタ『カゲオ君、すぐに血を吸ってすぐに攻撃をしてください。血を吸う時に女性に話しかけて時間を使わないようにしてくださいね。それだけは注意してください。吸血の回転率が下がると危険です』
『そうだぞ、俺達にも情報が回ってきている。カゲオが女に気を使って時間をかければ結果が悪くなる』
『お前クレイジーに見えて血を吸う時に謝ったりするだろ?みんな血を吸われる説明を受けているから納得済みだ。機械的に吸血してくれ』
「……うーむ」
割り切れない自分がいる。
美女を快楽で支配するような罪悪感が消えないのだ。
美女が俺に声をかけてきた。
「あ、あの、握手してください」
そして手を差し出す。
握手をしたまま話は続く。
「あ、どうも」
「カゲオさんの配信、いつも見ています。私の血をどんどん吸ってください」
「どんどんって、たくさん吸ったら死んでしまうから」
「ふふふ、ありがとうございます。でも、思いっきり物のように扱って大丈夫ですよ。皆の命がかかっていますから」
そう言って俺の手を握り続ける。
『なんか、この子Mっぽい』
『やさしさとドMが同居している』
『痛くしてくださいねって言っているように聞こえる』
『カゲオって優しそうな子が好きだよな?』
俺は手を握ったまま答える。
「好きだけど普通じゃね?」
『シー!あんまり言うなって、あの親の子だぞ。やさしさに飢えてるんだよ。察してやれって』
『あ、察した』
『あの両親に育てられてるからな』
『愛を知らずに育ってしまったか。可哀そうに』
「いやいやいや!俺は普通に育ったぞ」
『やだ怖い!自分の事を普通だと思ってるの怖い!』
『ホラーだよなあ』
「はい、そろそろ始まりますよ!!」
回復係の女性が手を叩いた。
地面が揺れる。
下を見下ろすと、たくさんの魔法陣が発生してそこから魔物が大量に現れた。
ゴブリン・オーガ・ジャイアントオーガが俺達を睨んだ
一本道の傾斜を群がるように走って俺達に襲い掛かって来る。
『うわ!こわ!これを倒しきれるのか?』
『しかも鬼が増え続けている』
『地獄だな』
『さすが10万のスタンピードだ』
『行け!カゲオ!』
俺は魔法を使った。
下級バンパイアからバンパイアに進化して覚えたのだ。
「コウモリ!」
水色の光を放つコウモリが発生した。
飛んで魔物に近づくと、氷の杭を撃ちだした。
コウモリの能力は氷の杭を99本発射する。
バシュンバシュンバシュンバシュン!
氷の杭がゴブリンを貫き、後ろのゴブリンに刺さって消えた。
オーガに複数の杭が刺さって霧になった。
『おおおおお!強い!』
『オートで動くのか。雑魚狩りに向いている』
『これを使って美女の血を吸って魔力回復か、イメージが湧いてきた』
『確かに有効だ』
「いや、まだだ。ラストアタックがある」
コウモリが99本の氷の杭を発生させ終わるとオーガに飛び込んだ。
その瞬間に氷の爆発を発生させた。
無数の杭が爆発しながら飛んで周囲にいたゴブリンも巻き込んで倒した。
『氷の杭を発射した後は自爆攻撃か』
『これなら行ける!』
『カゲオ!使いまくれ!』
「分かっている。コウモリ!コウモリ!ウモリ!コウモリ!コウモリ!」
複数のコウモリが氷の杭を発射し、そして爆発する。
バシュンバシュンバシュンバシュン!チュドーン!
ゴブリンとオーガがどんどん倒されていく。
『ああ!でもジャイアントオーガは倒しきれていない!』
『現勇者が走った!』
「僕達がやるよ!」
勇者チームがジャイアントオーガを攻撃して倒した。
『行ける!これなら行けるぞ』
『行け!カゲオ!もっとやれ!』
コウモリがゴブリンとオーガを倒していく。
「ふう、魔力が切れた。血を吸って来る」
俺は後ろに下がった。
俺達のパーティーと勇者チーム、そして血を吸われる女性達とその護衛係でダンジョンの地下に向かった。
「皆で行くんじゃないんだな」
カナタ『はい、皆で行くと結果が悪くなります。他の冒険者と自衛官や警察にはダンジョンの外で待機して貰います』
「配信は続けた方がいいのか?」
カナタ『はい、そうです』
『見守っているぞ。頑張ってくれ』
『カゲオ、お前ならやれる。人柱として期待している』
『カゲオ、カゲオ、皆美人じゃね?』
全国から集められた美女が並ぶ。
「そう、だな。全国から集められたそうだ」
カナタ『カゲオ君、すぐに血を吸ってすぐに攻撃をしてください。血を吸う時に女性に話しかけて時間を使わないようにしてくださいね。それだけは注意してください。吸血の回転率が下がると危険です』
『そうだぞ、俺達にも情報が回ってきている。カゲオが女に気を使って時間をかければ結果が悪くなる』
『お前クレイジーに見えて血を吸う時に謝ったりするだろ?みんな血を吸われる説明を受けているから納得済みだ。機械的に吸血してくれ』
「……うーむ」
割り切れない自分がいる。
美女を快楽で支配するような罪悪感が消えないのだ。
美女が俺に声をかけてきた。
「あ、あの、握手してください」
そして手を差し出す。
握手をしたまま話は続く。
「あ、どうも」
「カゲオさんの配信、いつも見ています。私の血をどんどん吸ってください」
「どんどんって、たくさん吸ったら死んでしまうから」
「ふふふ、ありがとうございます。でも、思いっきり物のように扱って大丈夫ですよ。皆の命がかかっていますから」
そう言って俺の手を握り続ける。
『なんか、この子Mっぽい』
『やさしさとドMが同居している』
『痛くしてくださいねって言っているように聞こえる』
『カゲオって優しそうな子が好きだよな?』
俺は手を握ったまま答える。
「好きだけど普通じゃね?」
『シー!あんまり言うなって、あの親の子だぞ。やさしさに飢えてるんだよ。察してやれって』
『あ、察した』
『あの両親に育てられてるからな』
『愛を知らずに育ってしまったか。可哀そうに』
「いやいやいや!俺は普通に育ったぞ」
『やだ怖い!自分の事を普通だと思ってるの怖い!』
『ホラーだよなあ』
「はい、そろそろ始まりますよ!!」
回復係の女性が手を叩いた。
地面が揺れる。
下を見下ろすと、たくさんの魔法陣が発生してそこから魔物が大量に現れた。
ゴブリン・オーガ・ジャイアントオーガが俺達を睨んだ
一本道の傾斜を群がるように走って俺達に襲い掛かって来る。
『うわ!こわ!これを倒しきれるのか?』
『しかも鬼が増え続けている』
『地獄だな』
『さすが10万のスタンピードだ』
『行け!カゲオ!』
俺は魔法を使った。
下級バンパイアからバンパイアに進化して覚えたのだ。
「コウモリ!」
水色の光を放つコウモリが発生した。
飛んで魔物に近づくと、氷の杭を撃ちだした。
コウモリの能力は氷の杭を99本発射する。
バシュンバシュンバシュンバシュン!
氷の杭がゴブリンを貫き、後ろのゴブリンに刺さって消えた。
オーガに複数の杭が刺さって霧になった。
『おおおおお!強い!』
『オートで動くのか。雑魚狩りに向いている』
『これを使って美女の血を吸って魔力回復か、イメージが湧いてきた』
『確かに有効だ』
「いや、まだだ。ラストアタックがある」
コウモリが99本の氷の杭を発生させ終わるとオーガに飛び込んだ。
その瞬間に氷の爆発を発生させた。
無数の杭が爆発しながら飛んで周囲にいたゴブリンも巻き込んで倒した。
『氷の杭を発射した後は自爆攻撃か』
『これなら行ける!』
『カゲオ!使いまくれ!』
「分かっている。コウモリ!コウモリ!ウモリ!コウモリ!コウモリ!」
複数のコウモリが氷の杭を発射し、そして爆発する。
バシュンバシュンバシュンバシュン!チュドーン!
ゴブリンとオーガがどんどん倒されていく。
『ああ!でもジャイアントオーガは倒しきれていない!』
『現勇者が走った!』
「僕達がやるよ!」
勇者チームがジャイアントオーガを攻撃して倒した。
『行ける!これなら行けるぞ』
『行け!カゲオ!もっとやれ!』
コウモリがゴブリンとオーガを倒していく。
「ふう、魔力が切れた。血を吸って来る」
俺は後ろに下がった。
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