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第102話 六角の暗躍
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我は六角全員を薄暗い部屋に集めた。
我ら6人は仲が悪く、集めるのに苦労した。
今もほとんどが我の話を聞こうともせず顔を見合わせる気も無いようだ。
だが、1人だけが会話に参加する。
と言うよりこれは批判だ。
「魂砕きのブラックハンド、来てやった、シルヴィア達を殺せると聞いたからだ! いつまでも時間を取らせるなよ! この黒デーモンが!!」
【魂砕きのブラックハンド視点】
六角の1人、最強のパープルフォグがイラついたように怒鳴った。
黒紫色をしたスケルトン、怒鳴っているが会話が出来ているだけまだましか。
他の4人は我の話を聞き流している。
六角全員を話に引き込む必要がある。
「パープルフォグ、まずはこれを見ろ。その前に画面を壊すのはやめてくれ」
人気配信者から奪ったスマホをモニターに有線接続して動画を再生させた。
ネット動画を無線接続する手もあったが、動画が止まれば誰かがモニターを叩き割る可能性があった。
まずは話に引き込む。
「これが今のシルヴィア達だ」
ここで初めて皆が画面を見た。
六角全員を倒した3人と同じ姿、同じ声、同じ性格の3人が画面に映る。
やっと話を聞く気になったか。
だがまだ油断できない、少しの言い回しで誰かがすぐにブチ切れる。
慎重に進める必要がある。
「ここは第13ゲートと呼ぶ。そして見ての通り、輪廻した名前も分かっている。これがリツカ、こっちがマナでこれがメイだ」
「マナ、リツカ、メイ、覚えた!」
パープルフォグが不気味に笑った。
「さらに言うと、見ての通りまだ不完全な状態だ。だが動画を見る限りものすごい勢いで成長している」
「すぐに殺す。俺を殺したあの3人、特にリツカが生きているだけでうざい!」
「我も今すぐに殺したいが、残念ながら我らも完全に復活してはいない。ここで力を取り戻す作戦がある」
「今すぐ殺す。うぜえあいつを殺す、それだけだ」
「待ってくれ、この国の人口は1000万人、兵の数が多すぎるのだ。次の動画を見てくれ」
その言葉に全員が反応する。
そう、この国は人が多すぎる。
そして冒険者の数が多い。
頭が悪いこいつらに分かる言葉を使って説明するのは疲れる。
「これがソウルランクAの個体だ。こういうのが何人もいる。それとこの国で我らが暴れた瞬間にこのスマホと呼ばれる魔道具で一瞬にして居場所や映像が皆に伝わり、我らは一斉に狙われる事になる。やみくもに暴れれば我はあっという間に殺される」
正確には我ではなくここにいる全員が殺される。
これで皆が我の話を聞く気になったようだ。
まったく、プライドの高い傲慢なこいつらに気を使って話をするのは疲れる。
「我はまだ不完全だ、今ソウルランクAのパーティーに追われれば、たとえ我が逃げても追い詰められ殺される」
「ブラックハンド、どうするかを言え、どうするかだけいえ、回りくどくてうぜえ!」
完全に話に食いついたか。
「結論を言ってから理由を言おう。第13ゲート市に我ら全員で強襲をかける。そして人を恐怖させることで我らの力を取り戻し、あのお方を復活させる!」
「ブラックハンド、人が多いと言っていたな? 強い敵に囲まれれば死ぬだけだ、俺達をおとりにするようなふざけた真似はするなよ!」
理由を話して結論を言おうとすると結論を言えと怒る。
結論を最初に言うと批判を始める。
パープルフォグを吹き飛ばしたい衝動に駆られたがこらえて話を進める。
「理由を説明しよう。この第13ゲート市に強い兵は少ない。よってすぐに滅ぼされることは無いだろう。そして、人が多いと言ったが、強い者が多いのは事実だが、戦えない者の数も多い。多くの人間を恐怖させることで、効率よく負の感情を吸収できる。不完全とはいえ、我ら全員で強襲を仕掛け、恐怖に陥れる事で安全に迅速に負の感情を吸収し我らは完全に力を取り戻す事が出来るだろう。そしてあのお方の復活を早める事が出来る」
「待て、ここで力を蓄えればいいだろうが」
「この第7ゲートにはさっき見せたソウルランクAの冒険者がいる。ここはここで危険だ。そして急いで力を蓄えたいのは、あの3人を確実に殺す為だ。さっき話したことを繰り返すが、あの3人は急速に力をつけている。時間を与えれば魂の因果で我らと遭遇し討伐するいつもの流れになってしまう。今まで何度も3人の魂に倒されてきた。だからこそ全員で、圧倒的な戦力で人間を恐怖に陥れ、早く六角全員が力を取り戻す必要がある」
六角は我も含めて仲が悪い為皆が嫌そうな顔をした。
一緒に行動などしたくは無いだろう。
だが、そうする必要がある。
我も、今すぐ六角全員をぶちのめしたい。
「我らは今、この世界で強者ではない。せめて力を取り戻すまでは全員で、圧倒的な戦力差で人間を恐怖に陥れ力を取り戻す必要がある! また殺されるのはごめんだ! 思い出せ、我らは何度3人の魂に倒された? 思い出せ、個で行動して同じことを何度も各個撃破されてきた! 我らは全員で、一気にリツカ、メイ、マナを殺す必要がある、そして3人を限界まで弱らせた後は我の出番だ。魂を砕き、輪廻すら出来ない存在にして殺してやれる!」
我の言葉が決め手になり、我ら六角は第13ゲート市を目指した。
我ら6人は仲が悪く、集めるのに苦労した。
今もほとんどが我の話を聞こうともせず顔を見合わせる気も無いようだ。
だが、1人だけが会話に参加する。
と言うよりこれは批判だ。
「魂砕きのブラックハンド、来てやった、シルヴィア達を殺せると聞いたからだ! いつまでも時間を取らせるなよ! この黒デーモンが!!」
【魂砕きのブラックハンド視点】
六角の1人、最強のパープルフォグがイラついたように怒鳴った。
黒紫色をしたスケルトン、怒鳴っているが会話が出来ているだけまだましか。
他の4人は我の話を聞き流している。
六角全員を話に引き込む必要がある。
「パープルフォグ、まずはこれを見ろ。その前に画面を壊すのはやめてくれ」
人気配信者から奪ったスマホをモニターに有線接続して動画を再生させた。
ネット動画を無線接続する手もあったが、動画が止まれば誰かがモニターを叩き割る可能性があった。
まずは話に引き込む。
「これが今のシルヴィア達だ」
ここで初めて皆が画面を見た。
六角全員を倒した3人と同じ姿、同じ声、同じ性格の3人が画面に映る。
やっと話を聞く気になったか。
だがまだ油断できない、少しの言い回しで誰かがすぐにブチ切れる。
慎重に進める必要がある。
「ここは第13ゲートと呼ぶ。そして見ての通り、輪廻した名前も分かっている。これがリツカ、こっちがマナでこれがメイだ」
「マナ、リツカ、メイ、覚えた!」
パープルフォグが不気味に笑った。
「さらに言うと、見ての通りまだ不完全な状態だ。だが動画を見る限りものすごい勢いで成長している」
「すぐに殺す。俺を殺したあの3人、特にリツカが生きているだけでうざい!」
「我も今すぐに殺したいが、残念ながら我らも完全に復活してはいない。ここで力を取り戻す作戦がある」
「今すぐ殺す。うぜえあいつを殺す、それだけだ」
「待ってくれ、この国の人口は1000万人、兵の数が多すぎるのだ。次の動画を見てくれ」
その言葉に全員が反応する。
そう、この国は人が多すぎる。
そして冒険者の数が多い。
頭が悪いこいつらに分かる言葉を使って説明するのは疲れる。
「これがソウルランクAの個体だ。こういうのが何人もいる。それとこの国で我らが暴れた瞬間にこのスマホと呼ばれる魔道具で一瞬にして居場所や映像が皆に伝わり、我らは一斉に狙われる事になる。やみくもに暴れれば我はあっという間に殺される」
正確には我ではなくここにいる全員が殺される。
これで皆が我の話を聞く気になったようだ。
まったく、プライドの高い傲慢なこいつらに気を使って話をするのは疲れる。
「我はまだ不完全だ、今ソウルランクAのパーティーに追われれば、たとえ我が逃げても追い詰められ殺される」
「ブラックハンド、どうするかを言え、どうするかだけいえ、回りくどくてうぜえ!」
完全に話に食いついたか。
「結論を言ってから理由を言おう。第13ゲート市に我ら全員で強襲をかける。そして人を恐怖させることで我らの力を取り戻し、あのお方を復活させる!」
「ブラックハンド、人が多いと言っていたな? 強い敵に囲まれれば死ぬだけだ、俺達をおとりにするようなふざけた真似はするなよ!」
理由を話して結論を言おうとすると結論を言えと怒る。
結論を最初に言うと批判を始める。
パープルフォグを吹き飛ばしたい衝動に駆られたがこらえて話を進める。
「理由を説明しよう。この第13ゲート市に強い兵は少ない。よってすぐに滅ぼされることは無いだろう。そして、人が多いと言ったが、強い者が多いのは事実だが、戦えない者の数も多い。多くの人間を恐怖させることで、効率よく負の感情を吸収できる。不完全とはいえ、我ら全員で強襲を仕掛け、恐怖に陥れる事で安全に迅速に負の感情を吸収し我らは完全に力を取り戻す事が出来るだろう。そしてあのお方の復活を早める事が出来る」
「待て、ここで力を蓄えればいいだろうが」
「この第7ゲートにはさっき見せたソウルランクAの冒険者がいる。ここはここで危険だ。そして急いで力を蓄えたいのは、あの3人を確実に殺す為だ。さっき話したことを繰り返すが、あの3人は急速に力をつけている。時間を与えれば魂の因果で我らと遭遇し討伐するいつもの流れになってしまう。今まで何度も3人の魂に倒されてきた。だからこそ全員で、圧倒的な戦力で人間を恐怖に陥れ、早く六角全員が力を取り戻す必要がある」
六角は我も含めて仲が悪い為皆が嫌そうな顔をした。
一緒に行動などしたくは無いだろう。
だが、そうする必要がある。
我も、今すぐ六角全員をぶちのめしたい。
「我らは今、この世界で強者ではない。せめて力を取り戻すまでは全員で、圧倒的な戦力差で人間を恐怖に陥れ力を取り戻す必要がある! また殺されるのはごめんだ! 思い出せ、我らは何度3人の魂に倒された? 思い出せ、個で行動して同じことを何度も各個撃破されてきた! 我らは全員で、一気にリツカ、メイ、マナを殺す必要がある、そして3人を限界まで弱らせた後は我の出番だ。魂を砕き、輪廻すら出来ない存在にして殺してやれる!」
我の言葉が決め手になり、我ら六角は第13ゲート市を目指した。
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