77 / 116
第77話 フードファイト
しおりを挟む
マナがソウルアップした次の日、メイと俺は食堂に座って食事を食べる。
「もぐもぐもぐもぐごくり! はむはむ」
俺は飲み込むように食事を食べる。
「おいひいです。もぐもぐもぐもぐ」
メイはチャクラヒールを自分に使いつつ胃腸を回復させて食事を食べ続けた。
くちゃくちゃくちゃくちゃ!
きゅうも楽しそうに食事を食べる。
生徒が俺とメイを何度も見るが気にしてはいけない。
マナが子羊のような足取りで同じテーブルに座った。
「マナ、成長痛なら、私が食べ物を持ってきますよ?」
「大丈夫よ」
「無理はしないでください」
「問題無いわ」
「……」
「メイ、何よ」
「……」
「嫌な予感がするわ」
「……えい、つん!」
「あああああ! 痺れる! やめなさいよ」
「つんつんつん! マナをつんつんすると楽しいです☆」
「あはあああ! やめ、あああああ!」
「胸も成長しましたか? つん!」
「ひいい! ちょっと」
「そろそろやめておこう」
「マナは反応が面白いです」
リツカがプレートを置いてマナの隣に座った。
「……」
「リツカ、やめなさいよ」
ツンツン!
「あああああ! リツカまで!」
メイとリツカがマナをつんつんして遊ぶ。
周りを見ると男子生徒の顔が赤い。
先生が近づいてきた。
「イナセ君、そろそろ魔石を納品しませんか?」
「後でやりますね。昨日は調子に乗りすぎて血が足りません。たくさん食べて眠らないとまずい気がします」
「そ、そう、ソウルランクBになったから、出来れば4強決定イベントに参加して欲しいと思ったんだけど。ただ魔石を納品するだけでいいのよ?」
「はい、後で納品します! もぐもぐ」
「早めに頼むわね」
「もぐもぐ、ゴクリ、こくり」
全員が俺を見た。
「先生から4強イベントの話を5回も断るのはアキラくらいだよ」
「断ってないぞ。うやむやにしただけだ」
「躱すのは5回じゃなく6回ですよ。私とマナの魔石納品でアキラがどのくらい魔石を持っているかバレるんですから」
「前向きに検討しよう」
「それ、昔のドラマにある役人の人が何もやらない時の返事じゃないですか」
「でも、暇が出来たら本当に納品しに行くぞ。もぐもぐ」
「アキラ、いつ暇になるの?」
「さあ、食べて寝て起きてゲートに行って物資を集めつつ兄さんとゲート奥に行く調整をしてゲートの奥に行きたいし、新しい魔法も覚えたい」
魔石を何度も納品しに行くのは無駄だ。
4強に選ばれて表彰されるのも文章を考えて全生徒の前で発表したりする時間も無駄だ。
東高校では4強になると生徒を指導する役割も与えられる。
今はモンスターを狩れば狩った分能力が上昇する。
成長期が終わるまではひたすらにモンスターを狩る。
そもそも4強より、きゅうが導いたあの場所に行く方が大事だ。
帰ろうとしたあの時、きゅうの寂しそうな仕草が今でも胸に残っている。
強くなってきゅうが行きたがっていたゲートの奥へ行く!
「きゅう、ゲートの奥に行くのが先だよな?」
「きゅう♪」
「やっぱり奥に行きたいか。たくさん食べてたっぷり眠ろう」
ガツガツガツガツ!
くちゃくちゃくちゃくちゃ!
「お代わりに行って来る」
「「……」」
俺が食事を取って席に戻ると先生が4人やってきた。
そして俺を囲む。
「イナセ君、魔石の納品は夏までしなくていいわ。その代わり、朝の10分だけ生徒の為にサモンモンスターを使って欲しいのよ」
「いや、5分もかからない。朝学校前に集合してゲートに入り、サモンモンスターを使ってもらい、後は自由にモンスターを狩って貰って構わない」
「イナセ君の時間は出来るだけ奪わないようにするわ」
「今錬金術師や1年生の能力アップを行っていてね。ぜひ協力して欲しい」
先生がパターンを変えてきた。
4人掛かりで俺を囲んで4人で説得し始めたか。
断っても面倒だと思わせる動き。
これは、そろそろ断るコストが上がって来たか。
「分かりました。ただし、寝坊した生徒は問答無用で置いて行きます。時間きっちりで出発します。それと、おかしなことを言うようですが最近僕はソウルアップしたての頃集合時間に遅刻した実績があります。人には遅刻したら置いて行く、でも自分は遅刻する、僕はそんなふざけた事を言う人間です。これでは生徒が納得しないでしょう」
「いや、構わない。ソウルアップしたばかりなら朝起きられない事もあるだろう。それで頼む」
「毎日朝8時にグラウンド横に集合、でいいですね?」
「わ、分かりました」
次の日から、朝の訓練が決まり先生が去っていった。
「先生、やりますね。アキラの性格を対策してうまく交渉しています☆」
「面倒だと思わせて協力させているわね」
「そう言えば、アキラをどうするか先生が会議してたって、噂になっていたよ?」
「5分だけなら、まあいいか。お代わりして来る」
「フードファイトですか?」
「まだまだ食べられるよな? きゅう」
「きゅう♪」
きゅうがこくりと頷いた。
「もぐもぐもぐもぐごくり! はむはむ」
俺は飲み込むように食事を食べる。
「おいひいです。もぐもぐもぐもぐ」
メイはチャクラヒールを自分に使いつつ胃腸を回復させて食事を食べ続けた。
くちゃくちゃくちゃくちゃ!
きゅうも楽しそうに食事を食べる。
生徒が俺とメイを何度も見るが気にしてはいけない。
マナが子羊のような足取りで同じテーブルに座った。
「マナ、成長痛なら、私が食べ物を持ってきますよ?」
「大丈夫よ」
「無理はしないでください」
「問題無いわ」
「……」
「メイ、何よ」
「……」
「嫌な予感がするわ」
「……えい、つん!」
「あああああ! 痺れる! やめなさいよ」
「つんつんつん! マナをつんつんすると楽しいです☆」
「あはあああ! やめ、あああああ!」
「胸も成長しましたか? つん!」
「ひいい! ちょっと」
「そろそろやめておこう」
「マナは反応が面白いです」
リツカがプレートを置いてマナの隣に座った。
「……」
「リツカ、やめなさいよ」
ツンツン!
「あああああ! リツカまで!」
メイとリツカがマナをつんつんして遊ぶ。
周りを見ると男子生徒の顔が赤い。
先生が近づいてきた。
「イナセ君、そろそろ魔石を納品しませんか?」
「後でやりますね。昨日は調子に乗りすぎて血が足りません。たくさん食べて眠らないとまずい気がします」
「そ、そう、ソウルランクBになったから、出来れば4強決定イベントに参加して欲しいと思ったんだけど。ただ魔石を納品するだけでいいのよ?」
「はい、後で納品します! もぐもぐ」
「早めに頼むわね」
「もぐもぐ、ゴクリ、こくり」
全員が俺を見た。
「先生から4強イベントの話を5回も断るのはアキラくらいだよ」
「断ってないぞ。うやむやにしただけだ」
「躱すのは5回じゃなく6回ですよ。私とマナの魔石納品でアキラがどのくらい魔石を持っているかバレるんですから」
「前向きに検討しよう」
「それ、昔のドラマにある役人の人が何もやらない時の返事じゃないですか」
「でも、暇が出来たら本当に納品しに行くぞ。もぐもぐ」
「アキラ、いつ暇になるの?」
「さあ、食べて寝て起きてゲートに行って物資を集めつつ兄さんとゲート奥に行く調整をしてゲートの奥に行きたいし、新しい魔法も覚えたい」
魔石を何度も納品しに行くのは無駄だ。
4強に選ばれて表彰されるのも文章を考えて全生徒の前で発表したりする時間も無駄だ。
東高校では4強になると生徒を指導する役割も与えられる。
今はモンスターを狩れば狩った分能力が上昇する。
成長期が終わるまではひたすらにモンスターを狩る。
そもそも4強より、きゅうが導いたあの場所に行く方が大事だ。
帰ろうとしたあの時、きゅうの寂しそうな仕草が今でも胸に残っている。
強くなってきゅうが行きたがっていたゲートの奥へ行く!
「きゅう、ゲートの奥に行くのが先だよな?」
「きゅう♪」
「やっぱり奥に行きたいか。たくさん食べてたっぷり眠ろう」
ガツガツガツガツ!
くちゃくちゃくちゃくちゃ!
「お代わりに行って来る」
「「……」」
俺が食事を取って席に戻ると先生が4人やってきた。
そして俺を囲む。
「イナセ君、魔石の納品は夏までしなくていいわ。その代わり、朝の10分だけ生徒の為にサモンモンスターを使って欲しいのよ」
「いや、5分もかからない。朝学校前に集合してゲートに入り、サモンモンスターを使ってもらい、後は自由にモンスターを狩って貰って構わない」
「イナセ君の時間は出来るだけ奪わないようにするわ」
「今錬金術師や1年生の能力アップを行っていてね。ぜひ協力して欲しい」
先生がパターンを変えてきた。
4人掛かりで俺を囲んで4人で説得し始めたか。
断っても面倒だと思わせる動き。
これは、そろそろ断るコストが上がって来たか。
「分かりました。ただし、寝坊した生徒は問答無用で置いて行きます。時間きっちりで出発します。それと、おかしなことを言うようですが最近僕はソウルアップしたての頃集合時間に遅刻した実績があります。人には遅刻したら置いて行く、でも自分は遅刻する、僕はそんなふざけた事を言う人間です。これでは生徒が納得しないでしょう」
「いや、構わない。ソウルアップしたばかりなら朝起きられない事もあるだろう。それで頼む」
「毎日朝8時にグラウンド横に集合、でいいですね?」
「わ、分かりました」
次の日から、朝の訓練が決まり先生が去っていった。
「先生、やりますね。アキラの性格を対策してうまく交渉しています☆」
「面倒だと思わせて協力させているわね」
「そう言えば、アキラをどうするか先生が会議してたって、噂になっていたよ?」
「5分だけなら、まあいいか。お代わりして来る」
「フードファイトですか?」
「まだまだ食べられるよな? きゅう」
「きゅう♪」
きゅうがこくりと頷いた。
20
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました
七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。
世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。
それが、この世界の 絶対のルール だった。
そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。
異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。
※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる