雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第74話 4種のゲート②

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 メイのお尻や顔を触らないようにメイを追い越すがメイのお尻が引っかかる。

「気にせず前に行きましょう」
「お、おう」

 ドキドキする。

 メイを追い越そうとすると剣の鞘がメイの頭に当たる。

 ガツン!

「おおおおお! アキラの鞘が、痛いです」
「悪い」
「もうちょっと優しく動いてください」
「悪かった。ゆっくり動くから」

『なにこれ? どういうプレイ?』
『目を閉じて2人の言葉のみを聞くのが紳士のたしなみだ』
『メイの尻に目が行ってしまう。見えそうで見えない』
『ハムスタープレイだな』
『たしかに、一か所に集まって固まるハムスターに似ている』

 穴の先には大部屋があり、下を見るとモンスターの群れがわらわらとうごめく。

「モンスターの大軍か。スティールソードで飛び込めば大量の経験値を」
「駄目ですよ!」
「ちょっと、大きな声を出さないで、バレるでしょ」

 1分だけ配信を開始して内部を撮影した。

「一旦バックするぞ」

 俺達は後ろに下がった。


「1分だけ配信で中の様子を撮影してある。みんなで見て欲しい」

『うわあ、イノシシにウサギ、牛とニワトリがうごめいておる』
『これは死ぬだろ』
『いや、アキラならスティールソードで行ける!』
『待て待て、牛が遠距離からモンスターもろとも魔法ぶっぱなしをしてくる。流石に危ない』
『地上には牛とウサギ、遠くからは牛が魔法攻撃、上からはニワトリが飛び掛かって来る。全方位攻撃だろ』


「……たくさんの獣モンスターだね。倒せば大量の魔石と経験値をゲットできる」
「待ちなさいよ。下に飛び込んだら簡単には上がってこれないわ。危ないわよ」
「逆に考えるんだ。マナは穴から銃で狙撃し放題だろ?」
「奥にもっとたくさんのモンスターがいる可能性もあります☆」

「好都合だな」
「さらにボーナスタイムだよ!」
「メイ、2人に流されちゃ駄目よ」
「奥に進めば何かありそうだよね?」
「ありそうでも駄目よ、死んだら終わりよ」

「一旦戻って、援軍を連れて来ましょう」
「援軍?」
「ライカさんとキドウです。皆で前に出た後に、後ろからライカさんの電撃で一掃すれば、行けます」

「あー雷の範囲攻撃か。あれなら密集したモンスターは一瞬で魔石に変わる」
「でも、2人は来てくれるの?」
「キドウは来てくれます。でもライカさんは分かりません」

「普通の人間ならここに来ないわよ」
「仕方がない、一旦戻って準備を整えようか」
「行けると思うんだけどな」

「2人が乗り気じゃない」
「もっと言うと、魔法弾が足りないのよ。1万発、1万発のストックが出来るまではやめておきましょう」
「私はあるけど、あげようか?」
「それは良くないわ。貰ったら突撃確定でしょ?」

「……行きたいなあ」
「……今回は帰ろう」

 きゅうの元気が無くなった気がする。

「きゅう、また来るから」
「きゅう」

 俺達はゲートの外に帰った。
 行って戻るだけでかなりの日数が経過した。

 配信が終わりリツカの家に入るとカドマツさんとヤナギさんが来た。
 2人とも装備が傷んでおり、汚れている。

 カドマツさんが話しかけてきた。

「配信を見ていました。また行くんですか?」
「しばらくしたら行きますよ」

「しばらく行かない方が良いです! 訓練をしてみんな強くなって、魔法弾をたくさん貯めて食料や物資を大量に貯めこまないといけません! しばらく行かない方が良いです!! 行ったら駄目です!!」

 カドマツさんが涙目で言った。
 後ろから2人の気配を感じていた。
 もう付いてくるのが嫌なんだろうな。

「……しばらくは行かないので、カドマツさんはゆっくり休みましょう」
「カドマツ、高校生に気を使わせるのはどうかと思うぞ?」
「もうお風呂に入れないのは嫌です。ヤナギとペアで野営をするのは嫌です」

「おいおい、気持ちは分かるが言葉に出すなよ」
「カドマツ、シャワーに行って来て」
「……はい」

 カドマツさんが部屋を出て行った。

「リツカの家に集まったけど、作戦会議は後にしよう。俺の方から兄さんとライカさんには連絡しておくから、今日はゆっくり休もう。元気なのは俺とリツカだけだぞ」
「残念だね。また明日」

 俺はその日ゆっくり休んだ。


【次の日】

 昼になりプレートに盛れるだけ食事を盛るとリツカたちに手招きされた。

「一緒に食べよう」
「皆少食だな」
「アキラが食べ過ぎなのよ」
「きゅうの分もあるぞ、それにお代わりする」

 きゅうにパンサンドを差し出す。

 くちゃくちゃくちゃくちゃ!

「実は4強選抜に参加する事になって、しばらくはモンスター狩りだよ」
「そっか、春の4強選抜か」
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