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第67話 卒業
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兄さんとライカさんは無事回復して卒業の時を迎えた。
テロリストはショッピングセンターの制圧でほとんどが命を落とし、一命を取り留めた者は犯罪者として強制的にモンスターを狩る罰を受けた。
そのせいもあってか卒業式は今までで1番平和に見える。
モンスターの溢れ出しとテロで犯罪者とその予備軍が間引きされたのだ。
卒業者代表として兄さんが前に立った。
そして立派に答辞を読み終えた。
校長がマイクを握ると俺を見た。
嫌な予感がする。
「イナセキドウ君、そこで待ちなさい。イナセアキラ君、前へ!」
出たよ!
校長は急に変なサプライズを始める。
「イナセアキラ君、兄さんへの言葉を!」
「な、何も用意していません」
「いいんだ! うまく言えなくてもいい! 不器用でもいい! 兄さんへの想いをそのまま伝えればいいんだ!!」
校長の熱量が凄い。
兄さんへの想い。
俺が言いたかったこと。
マイクを受け取った。
「ずっと思っていた。兄さんが面倒を見なくてもいい自分になりたいと、でも、まだまだ兄さんには追い付けない、一生追いつけないのかもしれない。それでも、兄さんには自分の人生を生きて欲しい! 好きな人がいるのに俺がいるから告白しないのは嫌だ! 兄さんは思うがままに、自分の人生を生きて欲しい!!」
校長がつーっと涙を流した。
兄さんの顔がかーっと赤くなる。
「ダイドウライカさん、前へ!」
ライカさんが前に出た。
そして校長の導きで兄さんの前に立つ。
「キドウ君! 言いなさい! 今ここで言いなさい!!」
校長が涙を流しながら叫んだ。
マイクを超える大声とオーラに生徒がビクッとたじろいだ。
「キドウ君! 弟にここまで言わせて、想い人を前にした!! 分かるね!!!」
校長がすっとマイクを渡す。
兄さんの顔が赤い。
ライカさんがじっと兄さんを見つめる。
「ライカの事が、前から好きだ」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
パチパチパチパチ!
「私も好きよ、でも私は嫉妬深いわ。キドウの大切な弟に当たるくらいに、私ね、キドウのパーティーを壊したかったの」
「前から知っていた」
「え?」
「前から知っていた。嫉妬深いのは知っている。それでもそんなライカが好きだ」
ライカさんが泣きながら兄さんに抱き着いた。
そして2人が唇を重ねる。
肩の力が抜けた。
俺は席に戻って2人を見つめた。
自分の言葉を思い出すと、兄さんを公開処刑にしてしまった感もある。
でも、焦って本当の事を言ってよかった。
ふっと俺の肩に佇むきゅうを見た。
何を考えているのか分からない、でも、何故かきゅうが嬉しそうに見えた。
きゅうは呼び出した俺だけじゃなく、2人にも懐いていた。
兄さんと、ライカさん、それにきゅうは何か関係があるのか?
きゅうが嬉しそうに見えるのは気のせいかもしれない。
俺は、今、嬉しい、嬉しいんだ。
抱き合う兄さんとライカさんを見つめてほっとしたように息を吐いた。
テロリストはショッピングセンターの制圧でほとんどが命を落とし、一命を取り留めた者は犯罪者として強制的にモンスターを狩る罰を受けた。
そのせいもあってか卒業式は今までで1番平和に見える。
モンスターの溢れ出しとテロで犯罪者とその予備軍が間引きされたのだ。
卒業者代表として兄さんが前に立った。
そして立派に答辞を読み終えた。
校長がマイクを握ると俺を見た。
嫌な予感がする。
「イナセキドウ君、そこで待ちなさい。イナセアキラ君、前へ!」
出たよ!
校長は急に変なサプライズを始める。
「イナセアキラ君、兄さんへの言葉を!」
「な、何も用意していません」
「いいんだ! うまく言えなくてもいい! 不器用でもいい! 兄さんへの想いをそのまま伝えればいいんだ!!」
校長の熱量が凄い。
兄さんへの想い。
俺が言いたかったこと。
マイクを受け取った。
「ずっと思っていた。兄さんが面倒を見なくてもいい自分になりたいと、でも、まだまだ兄さんには追い付けない、一生追いつけないのかもしれない。それでも、兄さんには自分の人生を生きて欲しい! 好きな人がいるのに俺がいるから告白しないのは嫌だ! 兄さんは思うがままに、自分の人生を生きて欲しい!!」
校長がつーっと涙を流した。
兄さんの顔がかーっと赤くなる。
「ダイドウライカさん、前へ!」
ライカさんが前に出た。
そして校長の導きで兄さんの前に立つ。
「キドウ君! 言いなさい! 今ここで言いなさい!!」
校長が涙を流しながら叫んだ。
マイクを超える大声とオーラに生徒がビクッとたじろいだ。
「キドウ君! 弟にここまで言わせて、想い人を前にした!! 分かるね!!!」
校長がすっとマイクを渡す。
兄さんの顔が赤い。
ライカさんがじっと兄さんを見つめる。
「ライカの事が、前から好きだ」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
パチパチパチパチ!
「私も好きよ、でも私は嫉妬深いわ。キドウの大切な弟に当たるくらいに、私ね、キドウのパーティーを壊したかったの」
「前から知っていた」
「え?」
「前から知っていた。嫉妬深いのは知っている。それでもそんなライカが好きだ」
ライカさんが泣きながら兄さんに抱き着いた。
そして2人が唇を重ねる。
肩の力が抜けた。
俺は席に戻って2人を見つめた。
自分の言葉を思い出すと、兄さんを公開処刑にしてしまった感もある。
でも、焦って本当の事を言ってよかった。
ふっと俺の肩に佇むきゅうを見た。
何を考えているのか分からない、でも、何故かきゅうが嬉しそうに見えた。
きゅうは呼び出した俺だけじゃなく、2人にも懐いていた。
兄さんと、ライカさん、それにきゅうは何か関係があるのか?
きゅうが嬉しそうに見えるのは気のせいかもしれない。
俺は、今、嬉しい、嬉しいんだ。
抱き合う兄さんとライカさんを見つめてほっとしたように息を吐いた。
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